2016年11月23日

アイスランド・女性時短の日

アイスランドでは10月24日は女性時短の日(Woman’s Day Off)です。
この日は賃金のジェンダー格差に抗議して、
女性たちは男性と比較して賃金に見合うぶんだけの時間の
仕事をしたら帰り、そのあと集会に参加したりします。
今年2016年は、その帰宅時間が14時38分ということです。

「Women in Iceland to Leave Work at 2:38 PM」

 
Women in Iceland are encouraged by unions and
women’s organizations to walk out of their workplaces at 2:38 pm today.
In Reykjavík, they will convene on Austurvöllur square,
where a program begins at 3:15 pm
to protest the gender pay gap in Iceland.
Similar protests are planned all over the country.
The timing, 2:38 pm, is no coincidence.
Compared to men’s earnings,
women work without pay after that hour every day.


アイスランドの女性時短の日は1975年に設けられました。
2005年には30周年の記念行事も行なわれたのでした。

Women’s Day Off was originally held in Iceland on October 24, 1975.
That day, tens of thousands of women in Iceland
left their work and gathered in downtown Reykjavík
to bring attention to their large role in society.

10月24日は世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数
発表される時期なので、話題になりやすくなっているかもしれないです。

このような女性労働者のための日があって、
賃金分の労働時間で帰宅するというのは、
なかなかすごいことではないかと思います。
「早く帰る」というのは、だれの眼にも明らかであり
とてもわかりやすいパフォーマンスだからです。

日本ではこのような行事はかなり難しいのではないかと思います。
女性労働者のために特別な行事を設けることが困難そうですし、
賃金格差に抗議して、早く家に帰るにいたっては、
なおさらなかなかできないように思います。


アイスランドはジェンダーギャップ指数が1位の国です。
男女の格差が世界でもっとも小さい国です。
それでも賃金格差のスコアは0.720(23位)で、
女性の賃金は男性の4分の3以下にとどまっています。
(日本の0.514よりはこれでもずっと高い。)

「Country Profiles: Iceland」

ジェンダーギャップ指数 2016年 アイスランド

ジェンダーギャップ指数 2016年 アイスランド country score card

賃金のジェンダー格差が解消される日はまだまだ遠く、
現在のペースでいけば、格差がなくなるのは
52年後の2068年になると計算されます。

The fight for equal pay is nowhere near over:
Based trends in the past decade, it appears it will take
52 years to eliminate the gender pay gap in Iceland.
In eleven years, less than three minutes have been gained
a year in narrowing the gender pay gap.
Thus, if the same trend continues,
not until 2068 will women and men enjoy equal pay.


賃金格差に見合った帰宅時間が14時38分というのは、
9時に出勤して昼休みの12時-13時も勤務時間に入れてだと思います。
賃金のジェンダー格差が0.720とすると、
ここから1日の平均勤務時間は7.6時間程度になります。
OECDの平均労働時間の調査を見ると、
アイスランドの年間労働時間は1706時間なので、つじつまが合います。

「世界・平均年間労働時間ランキング」

日本でアイスランドと同じことをしたらどうなるかですが、
日本の年間労働時間1745時間と、賃金のジェンダー格差
0.514を使うと、格差に見合う労働時間は4時間程度になります。
13時にお仕事を切り上げて帰宅になるでしょう。





posted by たんぽぽ at 07:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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