2016年11月05日

男女平等指数は怪しい?

ジェンダーギャップ指数の日本の順位は今年も3けたで、
全体でも下から4分の1ほどのところにあり、
国際的に見てかなり下位のほうです。
OECD加盟国の中では最下位のレベルです。

こうした現状は受け入れがたいかたも少なからずいるし、
そうした中には調査自体を否認しようとするかたもいます。

 

(このツイートに関しては、「日本はイスラム圏の国よりは
男女平等なはずだ」という認識のほうを
疑ったほうがいいかもしれないですよ。)


にわかに信じがたいというのは、無理もないかもしれないです。
女子学生を相手に訊いても、日本のジェンダーギャップ指数の順位は
30位くらいだと思っていることがあるからです。

「「女性が輝ける社会」に女性はイラッとしている 日本の”男女平等”への違和感」
ジェンダーや男女平等の問題に興味を持って私たちのところに
やってくる学生の方々も、そのギャップに驚くようです。
日本におけるジェンダーの問題を語ろうとすると、
「海外のことを聞きたい」と言うんです。
初めから日本は平等だと思っているんですね。

それで、このジェンダーギャップ指数について話して、
日本は何位だと思うかと尋ねると「30位」と答えたり、
中には「1、2位かな」と答えたりする子も(笑)

問題はこうした情報を聞いたとき、現実として受け入れるか、
受け入れずに調査を否定するかの違いとなるでしょう。


ジェンダーギャップ指数は「経済」「教育」「健康」「政治」の
4つの分野に対して、ジェンダー間の相対的な格差を算出します。
賃金とか識字率とか女性議員の数とか、
数値で表されるものの差を機械的にカウントします。
恣意的な要素が入る余地はほとんどないと言えます。

日本のジェンダーギャップ指数の順位が低くなる原因は、
「経済」分野と「政治」分野です。
国際的に見て日本は、賃金のジェンダー格差が大きいことや、
女性管理職の割合が低いこと、女性議員の数が少ないことは、
ジェンダー問題に多少詳しいかたなら、よく知っていると思います。

そうしたかたにとっては、日本のスコアが低いことは、
取り立てて意外性はないことだと思います。
ジェンダーの話題にくわしくないかたにとっては、
日本のジェンダーギャップ指数の順位が低いことが
なかなか信じられなくなるのでしょう。


ジェンダーギャップ指数は機械的に算出するので、
なぜ格差があるのかという原因までは問わないです。
また数値で表されないものは、調査対象にならないです。
以下に言及される「女性が外出するだけで殺される」と
いったことは、カウントされないです。
こうしたことからくる偏りはあると思います。


数値化されないものをなんらかの方法で数値化して
ジェンダーギャップ指数にカウントしたところで、
日本の順位が上がるとは限らないです。
日本にも「選択的夫婦別姓が認められない」のような
数値化されないジェンダー格差はあります。
さらに日本の順位が下がる可能性も考えたほうがいいでしょう。





posted by たんぽぽ at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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