2016年10月23日

実績と名前を離したくない

メインブログの10月23日で話題にした、旧姓使用の訴訟についてです。

「女性教員の旧姓使用認めず 東京地裁」
(はてなブックマーク)

「旧姓使用、なぜ認められなかった 判決読み解くと…」
「教諭の旧姓使用認めず 東京地裁判決 戸籍性「合理性ある」」(全文)
(はてなブックマーク)

 
原告の動機は実績と名前を離したくないというものです。
キャリア上の不利益というものです。

「結婚前に書いた参考書や講座の名前など、
自分が築いてきた実績と名前を切り離したくない」

仕事上の関係の人たちは、旧姓で自分を認識しているので、
結婚改姓によって戸籍姓を使わされると、
戸籍姓を周知させることに負担がかかることになります。

「職業上の不利益」

ましてや参考書や講座の名前で知っているかたは、
直接本人との面識はなく、著作の名前だけで
認識しているので、なおさら戸籍姓を強要されると
だれなのか認識できなくなることになります。



旧姓を名乗り続けることこそ、個人を識別する上で
高い機能があるということです。
こんなことは、このブログをご覧のかたでしたら、
言わずもがなのことだと思います。

判決は、結婚前の姓より戸籍上の姓のほうが
「より高い個人の識別特定機能を持つ」と述べた。
代理人の早坂由紀子弁護士は「これは明らかな誤りだ」と指摘。

「戸籍信仰」のある人は、戸籍姓を名乗れば、
何もしなくても自然と万人のあたまの中に戸籍姓が
インプットされるとでも思っているのかと思います。


原告の教諭は生徒たちからは旧姓で呼ばれているのですが、
一部の管理職だけが戸籍姓で呼んでいるのでした。

教諭は生徒や保護者、同僚からは旧姓で呼ばれている。
一部の管理職だけが戸籍姓で呼んでいるという。
こうした学校の対応について弁護団は
「一種のパワーハラスメントだ」と語る。

もともとそういう体質の学校なのでしょう。
「女が結婚しても婚氏を名乗らないのが気に入らない」ことを、
ごちゃごちゃ正当化しているということです。



付記:

今回の判決を下した裁判官は男性3人ということも
注意しておくところだと思います。

http://www.asahi.com/articles/ASJBC4TCTJBCUTIL02Z.html
今回の判決は、男性裁判官3人が判断した。


posted by たんぽぽ at 21:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

配偶者控除の件といい本件といい、理路よりも権力にモノを言わせてねじ伏せる感が有り有りです。
女性を今の立場のまま囲い込んでおきたい気持を隠す気も無くなってきてるみたいですね。

>判決は、結婚前の姓より戸籍上の姓のほうが
>「より高い個人の識別特定機能を持つ」と述べた。

なんて、もういっそ清々しい程の露骨さ。
(悔しさとか怒りとか、不条理とか理不尽とか、そーいうのが一周回って変な笑いが出ましたよ。)
業界のルールは昔から変わってないのに、そして原告の状況はきちんと説明してるのにガン無視。
すごい!

去年の夫婦同姓強要についての最高裁判決なども、実情を何も理解しようとしてない感がすごかったですが、
まだ一応、「両性の合意によってのみ」が生かされてるので、
『二人さえ良ければ、妻の姓に統一するのも自由なんですよ。まあこれは二人の問題ですな』
くらいの含みは、かろうじであったのに。

これでもう、ますます非婚化・少子化が進むでしょう。
特に国が結婚して子供を産んで欲しいであろう、富の再生産を期待できる層から。
女性にとっての結婚のメリットなんて、個人的な心の充足はともかく、社会的にはほとんど何も無いですもんね。
Posted by あやめ at 2016年10月24日 00:56
こちらにコメントありがとうございます。

>配偶者控除の件といい本件といい、

因習・反動、差別維持路線ですね。
「根付いている」とか「社会的に広まっている」なんて、
端的に言えば「日本では差別が受け入れられているから
差別を維持することは問題ない」ですしね。

>理路よりも権力にモノを言わせてねじ伏せる感が有り有りです
>そして原告の状況はきちんと説明してるのにガン無視

因習・反動的な人たちは、社会の要求や国際的状況に反して
自分たちのカチカンを維持しようとして、
今後いっそう必死になって「締め付け」を
するのではないかという気がしています。


>女性にとっての結婚のメリットなんて、個人的な心の充足はともかく、
>社会的にはほとんど何も無いですもんね。

たとえば結婚で年収が減ったりしますしね。

「女は結婚で年収が減る」
http://pissenlit16.seesaa.net/article/442013347.html

結婚制度なんて、男のためという一面はあるように思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月24日 20:13
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