2016年10月08日

罰がなければみな強姦魔?

10月3日エントリでご紹介した、
性的メディアとレイプ傾向の関係についての研究論文ですが、
ここでは「いっさいの刑罰がなければレイプするか?」という
直裁的な質問をした調査にも触れられています。

「暴力的ポルノグラフィー :
女性に対する暴力、レイプ傾向、レイプ神話、及び性的反応との関係」


あの西村真悟を連想させる調査です。
この調査は性的メディアの視聴は関係ないです。

 
Malamuthたちは、「逮捕されたり、罰せられたりする恐れが
絶対にないとしたら、レイプを行なうと思うか」と男性被験者に聞いて、
自分がレイプを実行する可能性を5段階で答えさせた。
段階1は「絶対にしない」、段階5は「きっとする」である。

男性のなんと35%がレイプする可能性があると答えています。
これは予想通りでしょうか、それとも意外と少ないでしょうか?
あるいは思ったより多くて衝撃的でしょうか?

大学生や一般市民を対象に多くの人々からLR回答を集めた結果、
男性回答者の約35%が「レイプを絶対しないとは言い切れない」
(段階2以上の回答)と答えたことを見い出した。


レイプとまではいかなくても、さまざまな圧力をかけて
女性に望まない性交を強いることについても調査しています。
やはりいっさいの罰がなければという条件を付けています。

「罰せられる恐れが絶対にないとしたら、
女性に性行為を強制すると思うか」と聞き、
やはり、可能性を5段階で自己報告させるものである。

Briere & Malamute (1983)が356名の男子大学生の
回答を分析したところ、「レイプするかもしれない」と
答えた者が28%、「レイプはしないが性的強制は
するかもしれない」と答えた者が30%いた。
一方、レイプや性的強制は絶対しないと答えた者は40%に過ぎなかった。

こちらはレイプと性的強制を合わせて半数以上です。
レイプも性的強制も絶対しないかたは4割にとどまっています。
これは衝撃的なかたが多くなるかもしれないです。


これらの研究は1980年代のアメリカ合衆国とカナダで
行なわれたもので、いまから30年以上前です。
女性の権利に対する意識が向上している現在
同じ調査をしたら、数値は変わるかもしれないです。

それでも最初の調査で、3分の1以上がレイプする可能性があると答え、
ふたつ目の調査でレイプと性的強制で半数以上というのは、
驚異的にして脅威的と言わざるをえないです。

調査では「罰を受けることが絶対なければ」と
断わっていますが、いくらこのような仮定を置いても、
現在暮らしている社会規範をどうしても意識して、
回答がそれに引きずられる可能性はあるでしょう。
本当に罰のない社会に来たら、レイプや性的強制をする男性は
もっと多くなる可能性もあるかもしれないです。


このくらいたくさんであれば、西村真悟のいわゆる
「罰せられなければ俺らみんな強姦魔」は、
実は当っているとお考えになるでしょうか?

あるいはふたつ目の調査でも、レイプも性的強制もしない
良識的な男性は4割いるので、「俺らみんな強姦魔」とまでは
さすがにいかないとお考えになるでしょうか?


posted by たんぽぽ at 22:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>罰せられなければ…

ここで被験者が想定しているのは明らかに『警察/司法』という、公的な第三者機関による刑罰のことでしょうね。
そして、『やるだろう』と回答している群があると。

“襲った女性本人から反撃される”
“その女性と、関係者(家族・仲間)から報復される“

可能性の想定が希薄なのは、驕りがあるのでしょう。
何に由来するものか、ここにも男性が享受している既得権益の存在を厳然として感じたことでした。

Posted by あやめ at 2016年10月21日 12:44
あやめさま、こちらにコメントありがとうございます。

>想定しているのは明らかに『警察/司法』という、公的な第三者機関による刑罰

そう思いますよ。
調査をする側も、そう考えてのことだろうと思います。

>“襲った女性本人から反撃される”
>“その女性と、関係者(家族・仲間)から報復される“

その可能性は、回答者はほとんど想定していなさそうですね。
刑罰がある現状でも、そうした反撃や報復はほとんどないですし。


>ここにも男性が享受している既得権益の存在を厳然として

性に関しては男性は圧倒的に攻撃的で、
女性に対して優位に立てることを、改めて示されたと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月21日 21:29
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