2016年09月28日

AVの影響を受ける男性

カレシがアダルトビデオの影響を受けて、
自分が望まない性交のプレイを要求してくるというお話です。

「AVの弊害 男はみんないい加減気づいてくれ」
(はてなブックマーク)

アダルトビデオに出てくるプレイを現実と信じきっていて、
女性がなにを言っても聞く耳を持たない状況になっています。

 
私の彼氏はもろAVに影響を受けたセックスをしてくる。
強く刺激すれば気持ちい、激しくすれば感じるって本気で思っているようだ。
私がなんどもそれを否定しても、
「お前は本当のセックスを知らないから」と言って聞かない。
いやいや、激しくされて感じてるって思わないでよ。
こっちはムード壊したくないから声出してて、
内心では痛いんだけどってずっと思ってる。

むかついたから本音でそれを語っても、
まだ慣れていないだけでそのうち気持ち良くなるって言って聞かない。
優しくされる方が本当に気持ちいいのに、それすら否定。
彼を洗脳したのは多分AVやエロアニメだと思う。
いい加減こっちも疲れてくる。
AVメーカーはお願いだからビデオの最初に、
これはフィクションで、演技で、実際の女性は
この方法では感じませんって書いて欲しい。

あ、あとレイプ願望を持ってる女なんて少数派だし、
いたとしてもせいぜいイケメン限定だってこともみんな知っておいてくれ。
AVによる刷り込みなのか洗脳なのか、本当に迷惑極まりない!!


このような経験のある女性は、少なくないのではないかと思います。
次の記事でもAVの影響を受けた男性が、
危険なプレイや女性が望まないプレイを要求するときの、
典型的なパターンがまとめられています。
それくらいよくあるということなのでしょう。

「「AVに影響受け過ぎ!」と、Hのときにドン引きした男性の言動9パターン」

【1】「顔に出していい?」と真顔で聞く
【2】「もっと喘ぎ声出さないと!」と強要する
【3】「次にHするときは制服着てきてね」とコスプレを要求する
【4】「今まで一番興奮したHは?」など、
AVのオープニングのようなトークを展開する
【5】「どこが気持ちいいのか言ってごらん」などと
直接的な単語を言わせようとする
【6】「口でして」と当たり前のように求める
【7】「1人Hしているところ見せて」と興味深そうに言う
【8】「1度のHで何回くらいイクの?」と
誰もがHで絶頂に達するものだと思い込んでいる
【9】「誰にも見せないからいいでしょ?」と撮影を提案する

人はだれしも受けたメディアに多かれ少なかれ感化されるのでしょう。
性的メディアを視聴すると、攻撃行動や性暴力を
肯定する傾向が強まるという指摘があります。
AVの影響を受けて危険なプレイや女性が望まないプレイを
したがる男性が出てくるのも、そのうちと言えそうです。

「【書評】性犯罪の行動科学」
例えばポルノは見た人の攻撃行動を増加させ、
それが暴力的なものだと有意差があるほどではありませんが
より影響が大きいことがわかっています。
またポルノ視聴が多いほど性暴力を支持する態度を
強く持っていることがわかっています。

さらに小児わいせつ犯においては、ポルノの使用頻度が
再犯の危険因子であることもわかっています。
つまりポルノを使用する頻度が多いほど、再犯を起こす危険性が高いのです。


男性のAVに出てくるプレイは現実という思い込みは、
ある種の確信をともなっているものがあると思います。
当の女性が否定しても、ぜんぜん納得しないことも多いです。
かかるAVに対する男性の確信は、受けたメディアに
感化される以上の要素もありそうです。

それはメインブログの9月7日エントリでお話した、
性衝動が起きる生物学的条件と関係がありそうです。
繁殖可能性という観点から見て、この相手となら
セックスしてよいと思える条件です。

男性の生物学的条件は次のようです。
女性の外見、容姿と清純さだけで、性衝動が容易に起きるわけです。
これは男性は妊娠、出産、育児のコストやリスクが
ほとんどないので、セックスすればするほど
「繁殖可能性が高まる」ことによります。

「性衝動の生物学的条件」
「愛とセックスの関係 ~男女の違い~」

A. 男性の性衝動は、能動的、攻略的なものであり、
女性の子どもを産む育てる能力(fertility:ファーティリティ、妊孕性)に
ついて無意識のうちになされる評価によって湧き起こる

B. ファーティリティの現在からの積分である
フィカンディティ(ficundity:フィカンディティ、
これからどのくらい子供を産めそうか)という観点


男性は性的な接触に関して失敗しても失なうものが少ないので、
男性の性に関する状況認識は、ことを楽観的に考える
ポジティビティ・バイアスがかかりがちです。
女性がだれに対しても行なう礼儀正しいおもてなしを、
受けた男性が自分にだけ特別な行為を向けられたと思うという、
よくある痛い勘違いは、ポジティビティ・バイアスの例です。

男性がAVに出てくるプレイを見て、現実だと確信するのも、
ことセックスに関しては、自分に都合よく楽観的に考える
ポジティビティ・バイアスもあるものと考えられます。

また男性は性交における自身の損失が少ないので、
女性の性的苦痛を過小評価する傾向があります。
それゆえ「AVのプレイは現実ではない」といくら当の女性が
否定しても、男性は聞き入れないのだろうと思います。


付記:

このエントリは、メインブログの7月31日エントリにいただいた、
以下のコメントを参考にしました。

ヒトは状況認識において、一般にネガティビティ・バイアス
(負の情報価が正の情報価より高い)による
損失回避性が働きやすいですが、男性の生殖に関する認識は、
これとはほぼ逆の、自信過剰バイアス、
ポジティビティ・バイアスが働きやすいとされています。

例えば、女性が誰に対しても行う礼儀正しい振る舞いでもてなしたのに対し、
男性側は自分に対する特別な好意によるものと受け止める
(他者から見たら根拠なき自信過剰に映る)、
女性の自分に対する好意的反応を過大評価し、嫌悪的反応を過小評価しがちです
(正の情報価の方が負の情報価より高い)。

これは、自信過剰バイアスやポジティビティ・バイアスが
かかることによって、投資が無駄になってしまうリスクをとって
女性への求愛行動にチャレンジする動機を高めます。

男性にとって性交によるリスクが女性と比べてごく小さいため、
淘汰圧がそれなりに高い状況では、
これらのバイアスがかかることが遺伝子継承可能性の上で
有利に働いたからだと進化心理学では説明されます。

男性が一般に、女性の性的苦痛を過小評価しやすい
少なからぬ要因は、この認知バイアスによるものだと言えます。

(ritiarno at 2016年09月24日 01:22)



posted by たんぽぽ at 06:46| Comment(57) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たんぽぽさま

うぅ~ん
絶望的…、と言っていいのか、とても悲しい気持になるのは、
ご紹介の記事元の方が仰っていますけど。

”他は本当に優しいいい人だから別れようとは思わない”
”重要なのは、優しい人でも「大いなる勘違いをしている」ってところ。”

その彼女が愛する、「本当に優しい良い人」が、パートナーとのセ ックスを
内心どうあれ、行動としては《生きた性具を使った自慰行為》と=で繋いで
いるらしい点。

何なんでしょうね…(非常に不快で恐ろしい、そして彼女の為に悲しい)

”「お前は本当のセ ックスを知らないから」”
”まだ慣れていないだけでそのうち気持ち良くなる”…

彼は彼女の性愛の、何を知ってるのかな?
彼女と同じように、セ ックスを「された」ことがあるのかな?
(○吹きとやらの経験があるのかな?)
不思議ですよねえ…
彼が愛好しているというAV女優さんは、彼女とは別人なのに。
自分のことじゃないのに。実際に自分の身体で確かめようも無いのに。
そして、今実際に触れあって、愛し合っている女性にハッキリと、
「あなたのそれは私には苦痛だ。私はあなたにこうして欲しい」
と求められてもいると言うのに。

『俺が考えた俺が最高に気持ち良いセ ックスがお前の最高に気持ち良いセ ックスだ』。
『俺にはわかっている。お前は全然わかってない。お前は間違っている。
だから教えてやる』。

…と、書いている内に、こんなことが思い浮かびました。

ここには、「自分の答えを他者のなかに探す人」と、「自分の答えを他者に
当てはめてくり抜く人」の二種類がいる。
前者が彼女、後者が彼。
彼は無傷で気持ち良くて、彼女は痛くてつらくて、孤独だ。

ps.突然ですが、さてこの人はどっちでしょうね?
(実は最初に連想したのは、”あっ、これ同じロジックだ!”でした。)
http://pissenlit16.seesaa.net/article/442013994.html
「だれのための自己決定権?」
Posted by あやめ at 2016年09月28日 22:21
こちらにコメントありがとうございます。

>”他は本当に優しいいい人だから別れようとは思わない”
>”重要なのは、優しい人でも「大いなる勘違いをしている」ってところ。”

これはやっかいな問題ですね。

女性が嫌がるプレイに固執する男性は「優しい人」ではないと言えるし。
ほかのことでは「優しい」とされる男性でも、
AVに悪影響を受けるというのも事実でしょうし。


>『俺が考えた俺が最高に気持ち良いセ ックスがお前の最高に気持ち良いセ ックスだ』。
>『俺にはわかっている。お前は全然わかってない。お前は間違っている。
>だから教えてやる』。
>(実は最初に連想したのは、”あっ、これ同じロジックだ!”でした。)
>http://pissenlit16.seesaa.net/article/442013994.html
>「だれのための自己決定権?」

「女性のため」と称して、男性である自分の利益を押し付ける、
この点については共通していると言えますね。
Posted by たんぽぽ at 2016年09月30日 23:01
こちらには初めて投稿いたします。

AVは男性にとっては簡単に性的満足を得るための便利なツールですが、女性にとってはここに書かれている通り、かなり厄介な代物ですね。

以下に日本の性生活満足度と性交頻度がずば抜けて低いとするデータがありますが、少なからぬ要因はAVにあるのではと疑われます。

世界各国の性交頻度と性生活満足度
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2318.html

男女の性欲のメカニズムと、それに与えるAVの影響について簡単に考察してみます。

男性の性欲は、以下のような構造を持つと考えらます。
1.感覚刺激に伴って得られる生理的快楽欲
2.女性の肉体が持つ社会的な禁忌性に対する探究・侵犯欲
3.女性を性的に攻略・支配・所有しようとする心理的な征服欲

男性はこの中で上から順に重要度が高いでしょう。

一方で女性の性欲は、以下のような構造を持つと考えらます。
1.適応度が高く相性が良い男性からの愛情を感じ取れることによる精神的満足欲
2.感覚刺激に伴って得られる生理的快楽欲

女性の場合、1が特に重要です。

生理的快楽欲は中枢神経系のあるていど以上発達した動物に広く備わっています。

他の部分は遺伝的要素もままありますが、文化・社会的要素を強く受けます。

そして、女性の1と男性の2、3は表裏の対応関係にあり、女性の生殖戦略である配偶者選別、愛情欲求を満たすのに免じて男性の性的な探求欲、支配欲を受容するという形をとります。

女性は性交に伴うリスク(妊娠、出産、育児の負担)が莫大であり、簡単に性的関係を結ぶわけにはいかないため、性的魅力を無意識にアピールしつつも性行為に禁忌性(特別な男性以外に対しては強い嫌悪反応を示す)を持たせたうえで、好ましい相手からより多く確実な扶養を得られるよう、「ツァイガルニク効果」(すんでのところで未達の目標は達成済みの目標より遥かに強く意識される認知バイアス)を利用した焦らし戦略(見えそうで見せない、落ちそうで落ちないなど)を駆使して男性側の性的探究欲・征服欲を刺激し、それらを部分的に受容することで愛情を獲得しようとします。

なお、男性の性的探究欲は女性から課された性行為へのハードルに対する目標達成のモチベーションを維持するため、性的征服欲は意中の女性を他の男性に奪われないようにするための様々な配偶者防衛行動へ駆り立てる動機づけになります。
Posted by ritiarno at 2016年10月08日 00:24
(続き)
では男性向けAVはどのようなものかというと、現代の日本においては非常に入手が容易であり、ムード作りや女性への気遣いなどは省略され、視覚的刺激の強いシーンばかりで、さらに女性の人格を無視したような凌辱的シーンも少なくないです。

このため、男性視聴者の生理的快楽欲と性的探究欲については、そのうちのかなりの部分を短絡的に満足させる代償満足効果を生みます。

そうすると、男性が女性性に対して抱く神秘性が大きく失われてしまい、女性への気遣いやムード作り、前戯、後戯など予備行動に低下圧力が加わります。

また、男性には特定の女性からの一定以上の性的刺激を受け続けていると反応閾値が高まって反応しにくくなる一方で、新しい受容可能な性的パートナーに出会うと性衝動が飛躍的に高まる現象が顕著であり、これを「クーリッジ効果」と呼びますが、AVというメディアの性質から(主に家庭でこっそりと視聴され、視聴後は代償満足による数時間のクールダウンがある)長く連れ添った性的パートナー(妻、同棲の彼女など)への性衝動への低下圧力がかかりやすい一方、それ以外の女性への性衝動はあまり低下しないと考えられます。

一方で、女性への束縛、性行為の強制などにつながる暴力的・攻撃的要素が強い性的支配欲に対しては、所詮は二次元媒体の向こう側のお話であり、現実的に相手がいないので満たされるわけではありません。

むしろ、多くの暴力的メディアと同様、自分もやってみたいといったような、暴力的な動機が触発される可能性が高いです。

AVの影響で強すぎる刺激や危険なプレイといった暴力的行為への昂進圧力が加わるため、当エントリで紹介されている例を増やしているのでしょう。

これらの影響で、男性の性的パートナー(妻、彼女)に向けられる性衝動の低下に拍車をかけるため、性的受容と引き換えに愛情(扶養可能性)を獲得するという、女性側の生殖戦略が破綻しやすくなります。

また、AVに感化された男性の行為も女性にとって受け入れがたいものとなるため、特に既婚女性の性生活満足度がかなり低下してしまうと考えられます。

なお、性暴力のシーンが刷り込まれて文化的価値観を帯びてくるようになると、性行為の強制やセクハラのような性暴力のみならず、その攻撃性がDV、パワハラ、恐喝などの非性的暴力にも拡散することも考えられます。

やはり、AVはもっぱら男性の性的満足度向上に貢献するための媒体であり、女性にとっては有害な面が多いと言わざるを得ません。

当エントリの冒頭で紹介された女性の訴えから見ても、暴力シーン(暴力・凌辱行為に女性が快反応を示すという、もっぱら男性側の願望だけを満足させる非現実的内容は特に害悪が大きい)への何らかの規制や性教育の充実が必要でしょう。
Posted by ritiarno at 2016年10月08日 00:28
ritiarnoさま

 コメント拝読致しました。
その上で、それにしても不思議なのは、どれだけAVやら本やらで
想像をふくらませていても(それで満足を得ていても)、それは
実体験で上書きされないものなのでしょうか?

”「ハイドンはイギリスに渡航した時に猛烈な船酔いに悩まされて
思わず笑ってしまったという。彼は以前、音楽で船酔いを表現した
つもりでいたが、その時想像したものと実際の船酔いは全く違って
いたからだ。
それと同じで、推察なんてものは役に立たん。例えばな、お前は
女というものを見もし、聞きもしていただろう?それは実際に女に
接したときの役に立ったか?」
「………確かに」”

なんてセリフの応酬が実際にあったとしても、私には全く違和感無く
受け入れられますし、多くの人が実感している感覚だと思うのですが。
(この一節はある小説から、大体のニュアンスで書き出した。)

AVという媒体ゆえの刺激の強烈さはわかりますし、その描写において
視聴者の好みに偏ることもあり得ることだと思いますが、しかし下世話
なことを言ってしまえば、こうしたアイテムは形こそ違え、昔から男性
(男の子)の間に広く流通していたのでは?
アイテムだけの問題ではなく、ここには普遍的な生物学的理由の他の何
かがあるように思います。

ps.「世界各国の性交頻度と性生活満足度」ご紹介ありがとうございます。
”あれ、いったい日本はどこにあるんだ?”としばし探してしまいました。
衝撃的なデータですね。
※これについてはこんな意見もありそうですが。
『我が国の慎ましやかで潔癖な国民性からして、外国人ならいざ知らず、
このようなアンケートに恥ずかしげもなく答えるとは思えません。(キリッ!)』
Posted by あやめ at 2016年10月08日 19:40
あやめさん、疑問点ごもっともです。

たいていの人は実体験で上書きされますし、一般に体験に伴わない陳述記憶は、体験に伴うエピソード記憶より情報価が低いので、体験の方が強く影響します。

ところが、体験に伴う認知の歪が生じ、それを補強する脳内アルゴリズム(理論的思考)でいったん自分を納得させてしまうと、その認識に沿った都合の良い情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという「確証バイアス」が働くため、他者がどれほど懸命に説得しても容易に考えを改めることができなくなります。

自己の利害関係が絡んでいると、その傾向がさらに強まります。

自己のアルゴリズムに反する事例を認めると、認知的不協和が生じ、不協和を解消するための認知の再構築を行うとすると膨大な処理コストかかるため、脳がそれを嫌って、その事実を認めない、あるいはその事実は仮に正しくとも重要でないと判断してしまうのです。

AVに感化された男性の考えが彼女から何度も否定されるという実体験をもってしても考えを変えなかったのはその例ですし、「オッカムの剃刀」で自説に不都合な情報を切り捨てる人もいるようですし。

なお、確証バイアスによる強い偏見が社会に流布されてシンパサイザーによって広く受け入れられると社会的偏見にまで発展し、さらに社会システムに組み込まれて社会の中のある共同体への処遇に格差が生まれるようになると社会的差別になります。


世界各国の性交頻度と性生活満足度調査について。
特に内容がプライベートで羞恥心を伴う最たるものであるため、アンケートに正直に答えない人が多くいることを考慮しなければならないので、額面通り受け止めると誤解を招く可能性があります。

ただし、他の避妊具メーカーの調査データと比較や避妊具流通量との比較から見て、それなりにバイアスがかかってしまうものの、それなりに妥当性の高い調査だと考えます。
Posted by ritiarno at 2016年10月08日 21:37
ritiarnoさま、いらっしゃいませ。
こちらにもコメントありがとうございます。

>男性の性欲は、以下のような構造を持つと考えらます。
>1.感覚刺激に伴って得られる生理的快楽欲
>2.女性の肉体が持つ社会的な禁忌性に対する探究・侵犯欲
>3.女性を性的に攻略・支配・所有しようとする心理的な征服欲
>男性はこの中で上から順に重要度が高いでしょう。

>一方で女性の性欲は、以下のような構造を持つと考えらます。
>1.適応度が高く相性が良い男性からの愛情を感じ取れることによる精神的満足欲
>2.感覚刺激に伴って得られる生理的快楽欲
>女性の場合、1が特に重要です。

詳しいコメントをありがとうございます。
性衝動が起きる生物学的条件に準じていますね。
男性は攻撃的で、あまり女性のことを顧みない、
女性は相手の選択に慎重で、愛情を重視するというものですね。

>女性の1と男性の2、3は表裏の対応関係にあり、
>女性の生殖戦略である配偶者選別、愛情欲求を満たすのに免じて
>男性の性的な探求欲、支配欲を受容するという形をとります

女性と男性とで条件が対立するのも、性衝動の条件と同様ですね。


>ムード作りや女性への気遣いなどは省略され、視覚的刺激の強いシーンばかりで、
>さらに女性の人格を無視したような凌辱的シーンも少なくない

>AVはもっぱら男性の性的満足度向上に貢献するための媒体であり、
>女性にとっては有害な面が多いと言わざるを

アダルトビデオが暴力的、攻撃的で、男性本位というのは
わたしも思っていたし気になっていました。
男性がなんでアダルトビデオを真に受けるのかですが、
男性の性的要求に沿った、男性にとって都合がいいのものなので、
男性のあたまの中に入って行きやすいのでしょう。


>男性視聴者の生理的快楽欲と性的探究欲については、
>そのうちのかなりの部分を短絡的に満足させる代償満足効果を生みます

>多くの暴力的メディアと同様、自分もやってみたいといったような、
>暴力的な動機が触発される可能性が高いです

アダルトビデオはしょせん「代償行為」なので、
それでは飽き足らなくなって「実際にやってみたい」という
要求も出てくるということのようですね。

アダルトビデオを観ていると、攻撃行動が増したり、
性暴力に肯定的になる傾向が出るというのは、
生物学的にも説明がつくということみたいですね。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月09日 11:13
>世界各国の性交頻度と性生活満足度
>http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2318.html

こちらはご紹介ありがとうございます。
日本の孤立ぶりが際立っていますね。
思わず探してしまう位置です。

図録の記事中に、デュレックスと相模ゴムの調査が
言及されているけれど、これらはわたしのブログでも
取り上げたことがあります。

「日本人のセッ クスレス」
「性交経験の年齢を訂正」
http://taraxacum.seesaa.net/article/413733324.html
http://taraxacum.seesaa.net/article/418360937.html

日本人のセッ クスレスが進んでいることは、たしかみたいです。
外国と比べてもそうだし、日本の中で過去と比べても
セッ クスレスが進行しているようです。


>これを「クーリッジ効果」と呼びますが、

>特に既婚女性の性生活満足度がかなり低下してしまうと考えられます。

日本人のセッ クスレスにアダルトビデオの影響がある
というのは、さすがのわたしもいささか意外でした。
アダルトビデオばっかり観ていると
妻や自分の彼女とやらなくなる、というのは
生物学的に説明がつく本当のことだったのですね。


日本は買春大国らしく、買春経験のある男性が
諸外国と比べてずっと多いという調査があります。
これもアダルトビデオのケースと同様と考えられるのかと思います。

「主要国の性行動比較」
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2263.html
「日本は買春大国らしい」
http://pissenlit16.seesaa.net/article/442013234.html

調査内容の性質上、正直に答えない人はいるでしょうし、
そういう主張を展開して、調査を否定している人も
いらっしゃるのではありますが。

Posted by たんぽぽ at 2016年10月09日 11:15
あやめさま、コメントありがとうございます。

性交渉に関しては、男性は現実よりも
性的メディアの提供する虚構の方が心地よく、
いくら現実を見ても虚構を信じていたい気持ちが
きわめて強いということのようですね。

よろずに事実や根拠をいくら見せられても、
自分の信念を変えようとしない人はいくらでもいますが、
アダルトビデオの場合は、それがかなりの規模で
起きているということなのでしょう。


わたしが気になるのは、こちらで取り上げた
アダルトビデオが大好きな男たちです。
https://t.co/ziRmUDFvHN

いくら彼らが現実に暴力的な性的接触をしないと言っても、
アダルトビデオに感化されて女性観やセッ クス観が
影響を受けている可能性はあるでしょう。

「自発的に性を売る女性がいる」ことに
執拗にこだわるのも、あながち無関係ではないのかもと、
ちょっと憶測したりしています。


>「世界各国の性交頻度と性生活満足度」ご紹介ありがとうございます。
>”あれ、いったい日本はどこにあるんだ?”と

日本の孤立ぶりがきわだっていますよね。
わたしもちょっとびっくりです。
日本人のセッ クスレスは、ほかの調査でも裏付けられているので、
妥当性はあると思います。

「日本人のセッ クスレス」
「性交経験の年齢を訂正」
http://taraxacum.seesaa.net/article/413733324.html
http://taraxacum.seesaa.net/article/418360937.html
Posted by たんぽぽ at 2016年10月09日 12:54
ritiarnoさま、

>男性向けAVはどのようなものかというと、
>現代の日本においては非常に入手が容易であり

手に入りやすいというのが、そもそも問題だとわたしは思います。
現代の日本はそれだけ男性の性欲や、男性が女性を性的に
搾取することに寛容、ということなのでしょうけれど。


>「オッカムの剃刀」で自説に不都合な情報を切り捨てる人もいるようですし

あちらのほうの議論もご覧になっているのですね。
ありがとうございます。
(なんて、わたしがお礼を言うのも、おかしなことですが。)
Posted by たんぽぽ at 2016年10月09日 13:41
たんぽぽさん、丁寧なレスありがとうございます。

男女の性欲の構造論については、もっぱら心理学の学問領域になります。

以下Yahoo知恵ノートの冒頭に書いたのですが、性欲は心理学の構成概念にあたります。

「男と女はどちらが性欲が強いか?」
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n355347

近年は認知心理学が大幅に発展して、生理学や進化学、生態学などの生命現象を説明づける理論が次々に登場し、
さらに社会学、文化人類学、言語学、統計学などとも連携しては社会現象なども説明づけようとしていますね。

AVの影響や、日本の性交頻度低迷などを考察しようとすると社会学などが重要になりますし、
統計学を知らないと、見た目の統計(疑似相関など)に騙されやすくなります。

>http://taraxacum.seesaa.net/article/413733324.html
>http://taraxacum.seesaa.net/article/418360937.html

こちらはご紹介ありがとうございます。

性交頻度低迷の理由については、それぞれの心理を分析すると、
かなりの割合が以下のケースに該当するできるでしょう。

男性の場合:
仕事で疲れている&面倒くさい
→性交渉はムード作り、妻への気づかい、性交渉による気力・体力を消耗して疲れるので、
気力や体力をほどんど消耗しないAVなどでの自慰で性欲を満たす
また、クーリッジ効果で妻に対する性衝動が低下すると、性衝動の対象がAVなど他の女性に流れやすい

出産後何となく
→妻に対する性衝動が沸きにくくなった
(クーリッジ効果、父親になったことに伴うテストステロン値低下など)

妻が妊娠中、または出産後すぐ
→妻やお腹の子への気遣い、妻の体形変化により妻に性衝動を抱きにくくなった


女性の場合:
面倒くさい&仕事で疲れている
→夫の性的魅力低下、愛情が感じられにくくなった、無理な要求をしてくるなどの理由により、
性交による快感を得にくくなった、もしくは不快感・嫌悪感が大きくなってしまった
(女性もムード作りや心の準備で気力を消耗しますし、性交で体力を消耗するため、
コスパが悪くなれば性交渉を受容しがたくなります)

出産後なんとなく&妊娠中または出産後すぐ
→女性は妊娠、出産すると繁殖欲の相当部分を性欲(狭義)から
育児欲にシフトさせるため、性欲は一般的に低下します
Posted by ritiarno at 2016年10月10日 00:02

ritiarnoさま

なるほど、いろいろと納得が行きました。
何とも汎用性の高そうなご回答を頂き、ありがとうございます。

しかしご説明の内容を、本エントリ内の事案に当てはめて考えると(大筋で当て
はまってしまうでしょう)、彼女には何とも、本当にお気の毒としか…
あの彼にとっては今のところ、自分の欲するものが万事都合の良く、実際の肉体を
伴って結実しているところなので、彼女が幻想を打ち破るのは相当難しいでしょうね。
実体験を以てしても、ハッキリ指摘されても、上書きされなかった情報ですからね…。
その困難は端的に言って、人を一人育て直すようなものでしょう。

「AVの影響を受けるから凶暴化()するのではなく、
もともと凶暴()な素質があるからそういうAVを好むのだ」。

というのは理解できます。攻撃性は本能的に生物に備わっているものでしょう。
そうそう都合良く、人間だけが例外にはなれません。
男性の暴力への親和性の高さは、お説を伺うまでもなく大多数の女性が知るところ
でもありますし、性衝動においてそれがいかんなく発揮される例も知っています。
しかし私が異常だと考え、恐怖するのは、

「それを都合良くスタンダードだと思い込んでしまう」。

これは生物として明らかに退化しつつあるということではないでしょうか?
”現実に起こっていることをそのまま理解できない。”あるいは、”しなくて良いと思っている。”
前者は要するに危機認識の喪失ですし、後者は理性を放棄した姿で、いずれにせよ
生き残りのスキルを失いつつあるということでしょう。
(本来そのための理性や知性のはずなんですが。
肉体的な「強さ」以外の価値観、「正しさ」は、恐らくこうした進化の過程で生まれたと考えます。)
野生の掟()に従うなら、こうした個体が淘汰されるのはやむおえないのでしょうが、
問題は淘汰されるべき群に不釣り合いな権力が集中し、それ以外の群を巻き込んで
絶滅しようとするのが恐ろしい。

私つくづく思うんですが、進化を司る神様はオスを雑に造り過ぎましたよ。
「どうせ狩猟や闘争でバカスカ死んでいくんだから、遺伝子の運び手としての機能以外は適当でいーや」
っていうつぶやきが聞こえるような気がして…
Posted by あやめ at 2016年10月10日 00:14
若年層の性交渉への嫌悪の増加については、スマホなどの普及により、性的な内容の無断撮影の危険性が飛躍的に増加し、特に性的内容を含む個人情報をインターネット上に拡散させられる(revenge porn)という、深刻なリスクが新たに発生したため、そのような脅威にはなるべう関わりなくないという意識が若年層を中心に広く形成されたことが原因の一つではないかと考えます。

また、AVの性暴力シーンがPCやスマホで極めて容易に閲覧できるようになったことも、若年層の嫌悪に一役買っていそうです。

AV普及以前の状況については、VTR以前ならポルノ写真、ポルノ写真が普及する前は絵画(春画など)が男性の性欲解消のコンテンツになっていたのでしょうけど、当時のポルノコンテンツの内容はろくに知らないのであてずっぽうになりますが、AVによくありがちな、女性が性暴力を受けたのに快反応を示すような、特に女性にとっておぞましさのあまり卒倒しそうな内容は今よりずっと少なかったのではと思います。

なお、海外へ行くと日本よりポルノは入手しにくくなりますね。

特に途上国はそうです。

私の経験上、アフリカへの数か月の出張期間中、ポルノコンテンツを見たことは一度もなかったですし、インドもごく少なかったと思います。
Posted by ritiarno at 2016年10月10日 00:33
たんぽぽさま,ritiarnoさま

>世界各国の性交頻度と性生活満足度
>http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2318.html

について。
当然ながら私も信憑性を疑っておりません。
おおよその傾向が、妥当性を持って理解できれば充分なので。
(担保は、”正当な感覚”。)
こうした表だって率直に語れない物事の調査には、暗数効果を最小限に抑える
ための様々な配慮がなされるものでしょう。不可能ではないですし。
例えばこんな風に。

「主要国の性行動比較」(≠非童貞詐称グラフ)
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2263.html
なお、アンケートは戸別訪問・「面前自計式」を採用した。
「自計式調査」→質問紙ないし調査票を被調査者が読み(回答者が)自分で回答を記入する方法。

面前自計式を採用したのは、恐らく調査員が設問を読み上げると同時に、誤解されやすそうな
部分を補足することで、回答者に設問の意図がより明確に伝える為でしょう。
(実際に誤解する人がいました。)
設問自体も回答者に無駄な心的負担を掛けないように、良く練られた内容だと思います。

1.”過去1年間に””5人以上の相手”と性交を持ちましたか?「いいえ」(←童貞を意味しない)
2.”過去”1年間に””週2回以上”セ ックスしましたか? いいえ」(←パートナーの有無を意味しない)
3. ”過去1年間”売買春を経験のしましたか?「いいえ」(←不名誉ではない)
4. これまで(lifetime)の同性との性的接触の体験はありますか?「いいえ」(←不名誉ではない)
(それでも実際に誤解する人はいましたが。)

私、政治問題にも共通して感じることなんですが、論理的、実証的、道徳的に「正しい」
ことは、みんな弱者が語っているのが不思議で。
強者の論理には正当性が無いと思われるのに、それが大手を振って通ってしまう。
『俺の想定は現実よりも正しい』。
「正しさ」の価値は、これだけ軽んじられている。剃刀程度でそり落とせるとタカを括られる程に。
おかしなことだと思いませんか?

ps.あそこで「オッカムの剃刀」が出てきた時にはナンセンスぶりに驚きました。
以前のケースなら百歩譲っても、今回のケースの問題点は「情報が少ない」なのに、
更にそこから削れる情報があるのか?と。
Posted by あやめ at 2016年10月10日 01:18
あやめさん、レスありがとうございます。

AVに感化された男性を彼氏に持つ彼女の例ですと、AVの弊害をストレートに浴びせられたのに、
彼氏の愛情を疑わなかった点がなおさら健気で物悲しいですね。

実際には、度重なる無理な要求に「この人はパートナーとしてどうなのか」「愛情が不足しているのではないか」と疑いだし、トラブルに発展するケースも多いでしょう。

日本の性生活満足度と性交頻度の低迷は、もちろんAV以外の要素も多いでしょうけど、AVの弊害が女性のみならず、男性にもしっぺ返しが及んでいる結果であろうと推察します。

あやめさんがご心配なさるように、生物学次元の性質がいかんなく発揮されることが
スタンダードだと考えてそれを一方的に他者に押し付けるような価値観が蔓延すると、
多数の被害者を出してしまうばかりか、文明の退歩に繋がりかねません。

↓は男性の生物学次元の性質のみ尊重した制度を実現したいとする質問例
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10162932400

私がこれに反論する形で回答していますが、質問者のコメント内容からして、
彼は一夫多妻制導入の考えを取り下げたようにも見えますが、
自己利益追求は(他者を蔑ろにしてでも)最大限に追及する姿勢に変わりはないように思えます。

↑の回答の中で私が最も言いたかったことは以下です。
「ヒトを生物としてみた場合の自然な状態に近づけたいのであれば、
科学技術文明の恩恵を捨てる覚悟が必要でしょう」

今後の文明の発展のためには自己利益の追求ばかりに走るのではなく、
他者それとバランスよく調整してうまくシェアすることが必要です。

日本の現状は男性側利益追求に偏っていると言わざるを得ず、
「失われた20年」の一因はこのアンバランス(男女差別社会構造)の是正を怠ってきたからだと思います。

>これは生物として明らかに退化しつつあるということではないでしょうか?

こちらは遺伝子レベルの淘汰による進化(退化を含む)にとどまらないため、生物学の学問領域を超える話になります。
文化人類学や社会学の学問領域に「社会文化的進化論」があります。

以下が参考になるでしょうか。

ミーム(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%A0

ミーム(文化情報)とは、後天的に獲得された知恵や技術などが主に言語活動によって、
社会的に共有、蓄積された情報を指します。
それが後世に継承されることから、ゲノム(遺伝情報)に対比されて、
いわゆる進化論(生物進化論)の考え方が人類学や社会学の方面に応用され、
社会文化的進化論が登場しました。

この理論からいうと、ある集団の利益のみ追及することを是とする価値観は、
(悪性の)マインドウイルスにあたり、ある社会集団に感染して発病すると
社会文化の健康的な発展(進化)が阻害され、
最悪の場合は死(社会文化的淘汰)を招きかねないとする見方もできます。

理性についてですが、こちらはただ働かせばよいという話ではなく、
TPOに応じて情動の働きと調和させることが大切です。

理性の働きに関する私のYahoo知恵袋での回答
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13163978478
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13152814928

ナチスドイツによるユダヤ人迫害、近衛内閣の将政権相手にせずとの声明に基づいた中国侵略の拡大、日本軍慰安婦への性的虐待などは、当時の為政者の理性的判断のもとで計画的に行われたものでした。

文化社会的に深刻な脅威となるのが、この理性的判断に基づいた組織的・計画的な巨大犯罪行為であり、
だからこそ、人道上の大罪として厳しく糾弾されるわけです。

なお、性犯罪を含む犯罪の多くは人格相応の理性が働いた状態で行われており、
殊に殺人、強盗、強姦、放火といった凶悪犯罪はむしろ理性的判断に基づいた計画的犯行が多く、
衝動的犯行はごく一部にすぎません。

理性については、前提として他者と調和的な価値観を備えていることが大切です。

最後の段は、生物資源への依存性と獲得手段の複雑化・多様化に関する私の見解が少し参考になるかもしれないです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12117656382

↑の内容を簡単にまとめますが、植物は光合成という精巧なエネルギー生産手段を持っていますが、
これを持たない生物はそのエネルギーを獲得する手段・機構が複雑化・多様化します。

ヒトは生殖において、男性は女性への依存性が高く、生殖メカニズムに関しては
女性の方がはるかに精巧である一方、
男性のそれは単純で雑なものに感じられるかもしれません。

その裏返しとして男性側で複雑化・多様化するのがその獲得手段です。
スニーカー戦略のように、異性や競争相手を幻惑したり騙したり、
不意を衝いて目的を遂げるなど、卑怯とも言える手段が多くなります。
Posted by ritiarno at 2016年10月10日 18:23
たんぽぽさん、こちらの紹介ありがとうございます。

>「日本は買春大国らしい」
http://pissenlit16.seesaa.net/article/442013234.html

データが示す通り、日本人の風俗利用率が国際比較において高いことを裏付けていますが、
このデータは、逆に言えば、男性の性欲が風俗によって解消されている割合が極めて少ないことを示し、
風俗利用で性欲が解消されて性犯罪が減るという説の立論が極めて困難になります。

また、強姦犯の中に制御不可能なほど性欲が強い者(男性色情症、サティリアージスという)が居るのは事実ですが、割合としては一部にすぎず、特に性欲が強いという傾向はみられません。

彼らの中で、特に累犯者によくみられる性格特性は、
発揚性(爽快、明朗、元気だが、軽率で羽目を外しやすい)
爆発性(怒りの感情を起こしやすい)
抑制欠如性(怒りや憎しみなど感情を抑える理性が欠けている)
情性欠如性(思いやり、慈母心、同情心、憐れみ、羞恥心が欠けていること)
です。

犯罪心理学において、性犯罪者の性欲が(多くは平均的であるため)さして注目に値しないことは、この分野を学んだことがある者にとっては周知の事実かと思います。
Posted by ritiarno at 2016年10月10日 19:12
ritiarnoさま、
またまたたくさんコメントありがとうございます。

>「男と女はどちらが性欲が強いか?」
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n355347

いつもいろいろとご紹介ありがとうございます。
性欲は性衝動なので、こないだご紹介してくださった
性衝動の起きる生物学的条件に準じることになるようですね。

男性の性欲のクーリッジ効果は、なんともやっかいです。
特定のパートナー間では女性のほうが
男性より性欲が強いことがある、というのは意味深です。


|もし女性の性衝動が一般男性並みだったらどうなる?
|もし男性の性衝動が一般女性並みだったらどうなる?

性欲の強さは、現状はいろいろと差別や搾取が
起きるもととなったりして問題だけど、
おそらく最適というところで落ち着いているみたいですね。

性欲の強さが現在のものと違うと、
現在ある問題は減るけれど、別の問題が大きくなって、
全体としては問題が大きくなるのでしょう。
現在の性欲の強さは、適応の結果なのだろうと思います。

人類が築いた文明や科学技術は、人間の性欲の強さに合わせて、
発達したように思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月11日 21:50
>>http://taraxacum.seesaa.net/article/413733324.html
>>http://taraxacum.seesaa.net/article/418360937.html
>こちらはご紹介ありがとうございます。

ご覧くださって、こちらこそありがとうございます。

>性交頻度低迷の理由については、
>男性の場合:
>仕事で疲れている&面倒くさい
>女性の場合:
>面倒くさい&仕事で疲れている

面倒くさい、疲れているというのが増えたのも、
収入や雇用が保証されず生活が不安定ということが
元にあるのではないかと、わたしは思ったりしています。


>若年層の性交渉への嫌悪の増加については、

もともとどぎついコンテンツの需要があって、
ネットがそのような需要に答えられるようになった、
ということかもしれないです。

そうだとしたら、上の世代の男性の性に関する
要求の反映ということかもしれないです。
間接的ながら、若年層の上の世代に対する
嫌悪ということになりそうです。

いまの若年層は、恋愛や結婚に対する関心も離れていますよ。
交際経験のない人が、20代男性で半分以上
というのは、ちょっとびっくりです。

「結婚願望と交際経験の減少」
http://taraxacum.seesaa.net/article/440110460.html
「結婚願望と交際経験の減少(2)」
http://taraxacum.seesaa.net/article/440328449.html


>なお、海外へ行くと日本よりポルノは入手しにくくなりますね。

日本は性的コンテンツの氾濫しているほうなのですね。

>特に途上国はそうです

国や社会によっては宗教などが性的コンテンツに対して
禁欲的なこともありそうです。
そうでない国でも経済的事情はあるかもしれないです。
供給する側と消費する側の両方ですが。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月11日 21:51
あやめさま、コメントありがとうございます。

>「AVの影響を受けるから凶暴化()するのではなく、
>もともと凶暴()な素質があるからそういうAVを好むのだ」。

それは「にわとりと卵」ではないかと思います。
「AVの影響を受けて凶暴化する」こともあるし、
「もともと凶暴な要素があるからAVを観る」のもあるでしょう。
因果はたぶん両方だと思います。


>「主要国の性行動比較」(≠非童貞詐称グラフ)
>http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2263.html
>なお、アンケートは戸別訪問・「面前自計式」を採用した。
>「自計式調査」→質問紙ないし調査票を被調査者が読み(回答者が)自分で回答を記入する方法

設問の内容を鑑みて、なるべく調査が正確になるように
工夫はしていると思います。

調査員が調査票を読むのは、回答者にその場で回答させて
回答率を高めるのもあるのでしょう。
回答者が自分で回答するのは、もちろんどんな回答を選んだか、
調査員に見られないようにするためだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月11日 21:52
ritiarnoさま、コメントありがとうございます。

>>これは生物として明らかに退化しつつあるということではないでしょうか?
>こちらは遺伝子レベルの淘汰による進化(退化を含む)に
>とどまらないため、生物学の学問領域を超える話になります。
>文化人類学や社会学の学問領域に「社会文化的進化論」があります。

文明の後退ではあるでしょう。
すべての人に等しく基本的人権があるのであり、
特定の人たちだけが他者を搾取してでも
自己利益の追求をしてよいのではない、というのが、
人類が歴史の中で獲得した認識ですから。

生物としてはとくに変化していないと思います。
生物学的性質は原則として変化しないものとして、
人類は文化を築いているのではないかと思います。


>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13163978478
>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13152814928
>ナチスドイツによるユダヤ人迫害、近衛内閣の将政権相手にせずとの
>声明に基づいた中国侵略の拡大、日本軍慰安婦への性的虐待などは、
>当時の為政者の理性的判断のもとで計画的に行われたものでした

なにをもって「理性的」とするかにもなりそうですね。
ヒトラー・ナチスや、ファシズム時代の日本の蛮行は
計画的、組織的できわめて大掛かりであり、
その意味では「理性的」でないと実行ができないものだと思います。


>殊に殺人、強盗、強姦、放火といった凶悪犯罪はむしろ理性的判断に基づいた計画的犯行が多く、
>衝動的犯行はごく一部にすぎません。

犯罪者は意外と理性的なのですよね。
強姦もしかりです。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月13日 21:43
ritiarnoさま、

>こちらの紹介ありがとうございます。
>>「日本は買春大国らしい」
>>http://pissenlit16.seesaa.net/article/442013234.html

こちらもご覧くださりありがとうございます。


>日本人の風俗利用率が国際比較において高いことを裏付けていますが、
>このデータは、逆に言えば、男性の性欲が風俗によって
>解消されている割合が極めて少ないことを示し、

性産業を利用しても、性欲が解消されないから、
繰り返し利用する、ということなのかしら?
それとも性欲の解消とは別の目的で
性産業を利用しているということになるのかな?

性欲の程度はおそらく世界中どこの国の人も
似たり寄ったりでしょうから、性産業の利用が多いことは、
性欲が解消できていないことになりそうですね。


>風俗利用で性欲が解消されて性犯罪が減るという説の立論が極めて困難になります

それであのかたは、データを否定しようとしたのかな?
「日本では童貞を恥ずべきこととするから、
実際より経験を多く申告するはず」と主張していました。


>犯罪心理学において、性犯罪者の性欲が(多くは平均的であるため)さして注目に値しないことは

これはしばしば指摘されることで、
この問題に多少詳しければ、だれでもご存知ですね。

この問題にうとい人はご存知ないことが多いわけで、
それで繰り返し強調するのもあるわけですが。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月13日 21:44
ritiarnoさま (at 2016年10月10日 18:23)

重ねてご丁寧にお答えを頂き、誠にありがとうございます。
大変興味深く拝読致しました。
知識の深まりをうれしく感じております。
学生の頃にこういう機会があれば、と強く思ったことでした。

>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10162932400

偶然ですが、こちらは私、すでに拝読させて頂いておりました。
ご回答に感銘を受けておりましたので覚えています。
今そのご本人とお話できるとは光栄です。

>↑の回答の中で私が最も言いたかったことは以下です。
>「ヒトを生物としてみた場合の自然な状態に近づけたいのであれば、
>科学技術文明の恩恵を捨てる覚悟が必要でしょう」

同感です。
まさに!とヒザを打つ思いでした。
もっと若いオンナ、もっと美しいオンナ、もっとたくさんのオンナと!
何かというと、
『オトコはそれを我慢できない!なんてったって本能だからー!!』※
(『だからオンナもそれを望んでいるはずなんだー!本能だからー!! 』
『だだし美人に限るッ!』までの3点セットで。)
と宣う人々を見るにつけモヤモヤしていました。

ヒトは進化の過程で「繁殖期(≒発情期)」を捨てた時点で、ある種の男性が
主張するような、いわゆる「本能」は失われていると私は考えています。

※現在は「情動」と表現が変わっているのですね。大変興味深く拝読しました。
従来の「本能」≒理屈が通らないもの、劣ったもの。という認識が改まりました。
Posted by あやめ at 2016年10月14日 21:23
(承前)
>ミーム(Wikipedia)

こちらのご紹介ありがとうございます。
色々なことが腑に落ちました。

女性から見れば、「えらく雑に作ったなー!(怒and呆)」と思える諸々も、
ヒトの生殖においての男性側の進化()として、この範疇に入るのですね。
「背伸びして、やせ我慢して、 空元気を振り絞って、」選ばれる努力を
するよりも、絶大な権力を手に入れ、それを盾に相手のハードルを壊す
戦略に出たという訳ですね。

『ちっちぇえとか、弱いとか、意気地なしとか言うな!
そんなのはお前らのワガママだ!俺がダメじゃないと言ったらそうなんだ!
さあ俺を愛せ!さもなくば殺すぞ!!』と。

「より確実で、より安全で、より簡単に、」という勾配の上に立てば、
そりゃコロコロ転がり落ちますよね…
(戦略としては正しく”進化”してるんだろうけど、でもやっぱりこれは
ヒトとしては退化じゃないのかなあ…?)
他のことでは「ミームどうした、最近おまえ調子悪いぞ?」と思ったこと
が多かったです。例えば、「しきたりと偽善」とか。
そろそろアップデートしても良い頃でしょう?
Posted by あやめ at 2016年10月14日 21:25
(承前)
>理性についてですが、こちらはただ働かせばよいという話ではなく、
>TPOに応じて情動の働きと調和させることが大切です。

「理性」(≒その時々にそう言い習わせるもの)は世につれ、人につれ…
ということなのですね。

>ナチスドイツによるユダヤ人迫害、近衛内閣の将政権相手にせずとの声明に基づいた中国侵略の拡大、…

良きにつけ悪しきにつけ歴史を動かしたのは、ある時代を生きた人の自意識下に
おいての「理性」に即した行動ではあり、
それを後世「狂気の時代」と評するのもまた、その時代の「理性」である、と。
そのどちらが正しいかは、たとえ二つの時代を生きてみたところでわからない。
私は、理性にせよ知性にせよ、自分の意識下にあるものに絶対の信を置く危うさ
は確かに存在する、という風に理解しました。
あるいは、理性に時代を超える力はあるか?という問いにも感じます。
(おお、なんか哲学っぽい!”エウレーカ、私は開眼した!”…か?)

>性犯罪を含む犯罪の多くは人格相応の理性が働いた状態で行われており、
>殊に殺人、強盗、強姦、放火といった凶悪犯罪はむしろ理性的判断に基づいた
>計画的犯行が多く、衝動的犯行はごく一部にすぎません。

理性が欲望にダマされる時、我々を制御するものは”「情動の働き」との調和”
というのは非常に示唆に富んでいると思います。
-----------------
たんぽぽさま(at 2016年10月13日 21:43)

>なにをもって「理性的」とするか

私も絶対的なものだと思っていました。
恐らくいくつかのレイヤーがあるのだと想像しますが。
(表層意識と原意識のような?)
ともあれ、私はritiarnoさまの論説を、
”我々の自意識にある「理性」とは、かくも揺らぎやすいもの”
と解釈しました。
だからこそ、人間は「学ぶ」のだと。
知識を集め、新しいことを知り、また考え、データを適正に扱う方法
を知り、技術を習得することは、この揺らぎを知覚するセンサーになり、
この、かくも揺らぎやすいヒトの心を支える柱になるのだと。
Posted by あやめ at 2016年10月14日 22:23
たんぽぽさん、丁寧なレスありがとうございます。

>男性の性欲のクーリッジ効果は、なんともやっかいです。
>特定のパートナー間では女性のほうが
>男性より性欲が強いことがある、というのは意味深です。

このあたりは、男女の生殖戦略が対立する部分です。
男性は「クーリッジ効果」により、特定女性への扶養を渋りつつ他の女性との生殖機会を狙う一方、
女性はなるべく多く扶養を得られるよう、意中の男性に
性交渉に関する「ツァイガルニク効果」(男性にとってはある種の目標となる)
が生じるのを狙って、無意識のうちに焦らし戦略に出ます。

女性はバイオリズムの関係で日によって気分が乗ったり乗らなかったり、
性反応の仕方が多彩で豊かであったりと、女性性というものを
容易には解き得ぬ謎として男性に対して「神秘性」を持たせ、
男性を虜にしてしまうことで、性交渉に応じる引き換えとして、
より多く長期にわたって生活サポートを獲得しようとします。

生殖で失敗すると、すでに生まれた子までも道連れに母子共倒れになって
遺伝的に淘汰されかねないというシビアな条件のもとで進化してきただけあって、
女性の生殖戦略メカニズムは非常に精巧、かつ遺伝的規定度合いが高いのですが、
(この点で、男性の生殖戦略メカニズムが比較的簡素で、文化社会的影響を受けやすいのと対照的)
近年の受胎調整法の普及や、AVに代表される
ポルノコンテンツの普及などがもたらす新環境に対応しにくい面があります。

受胎調整法によって妊娠・授乳期間(この時期は性衝動が劇的に低下しやすい)が短くなり
食糧事情など生活レベルが向上したことによって女性の性的パートナー(夫、彼氏)に対する性衝動は高まる一方、
ポルノコンテンツの普及によって男性の性衝動は性的パートナー(妻、彼女)以外の
女性に向かいやすくなったため、性的パートナーに対する
性衝動において女性の方が男性を上回る例が増えました。

そうなると、男女間生殖戦略バランスが男性側有利へと傾き、
女性側性戦略が破綻して男性から満足な扶養を得られない事態が増えました。

その一方で、日本では男女の社会的差別・格差の解消は遅々たるものです。

この女性側に不利な均衡を是正するには女性差別撤廃が急務であることは
言うまでもないですが、近年話題になっているベーシック・インカム(BI)も一案でしょう。

ナミビアのベーシックインカム先行的社会実験についての論文
http://bijp.net/data/article/305

↑より引用
「BIG導入は、生存のための女性の男性への依存度を下げた。
BIGによって女性は、自分の性生活を制御する手段を手に入れ、
生存との引き換えに行わなければならないセッ クスの苦痛から、
ある程度解放されたのである。」

もし日本でBI(大人一人当たり年間84万円、子供一人当たり年間36万円+所得×0.7の原田泰案)
が導入されたら、学資ローン、就職難、昇進難、妊娠・出産に伴うキャリア断絶、
男性の扶養放棄などによる女性の貧困がかなり改善されるでしょう。

好んで性産業に従事する女性はほとんどいないため、
性産業従事者は9割以上減るかもしれません。

なお、女性の多くがAVなど男性向けポルノに不快感・嫌悪感を抱くのは、
根源的に女性の生物学次元の生殖戦略と対立するからです。
Posted by ritiarno at 2016年10月14日 23:27
18~49歳男性の買春経験データに関して

>性産業を利用しても、性欲が解消されないから、
>繰り返し利用する、ということなのかしら?
>それとも性欲の解消とは別の目的で
>性産業を利用しているということになるのかな?

過去一年間に買春した男性が日本で13.6%、アメリカで0.3%となっていますが、
逆に言えば残りの大部分の男性(日本で86.4%、アメリカで99.7%)にとって
風俗の存在は性衝動の解消につながっていないことを意味します。
(余談ですが一生無縁でありたい世界です)

また、風俗利用者にとって(サービス提供者である女性にとって苦痛に堪えながらのものであるため)
大変高額にならざるを得ず、そこでいったん性欲が解消されたとしても、
男性の性欲は個人差こそあれ数時間もあれば概ね回復するため、
よほどの大富豪ならともかく、それ以外の男性が性欲が溜まるたびに
風俗通いすることはできないでしょう。

となると、買春大国の日本ですら男性の性欲を低下させる効果はほとんど見込めず
(男性全体の性欲の1%も削れまい)、性犯罪者の性欲や風俗利用傾向が一般男性と
同等か、あるいは幾分高いと仮定しても、性風俗による性犯罪の抑止はほぼ期待できません。

なお、あのデータの中で風俗が合法の国は英、仏、蘭、西で、
アメリカはほとんどの州で非合法、日本は表向き非合法ですが、実質的に合法です。

AVは男性の生理的快楽欲、性的探究欲のうち女性との接触欲以外の多くを満足させますが、
女性を性的に独占し、自由(言いなり)にせんとする性的征服欲は、
生身の女性でないと満足できない性質の欲求であるため、
AVでは満足させるどころか、暴力的ポルノ研究例から見ても、
その中で特に攻撃的な要素をかえって昂進させてしまいそうです。

風俗産業は生身の女性が対象であるだけに、AVなどで解消できない欲求も
多くは解消できるかもしれませんが、特に男性の性的征服欲
(性的パートナーとなって無料性的サービス提供を要求、
提示された内容を超える性的サービス要求、拘束、屈従など凌辱的・暴力的内容を含む)
を満たすのは、女性側の苦痛がより激しくなるため、困難でしょう。

男性の性的征服欲は、女性が備える生殖戦略である配偶者選択、愛情確認が
共に充足されるのに応じて部分的に受容されるものであるため、
これらが満たされない場合、女性は大きな苦痛を覚えることになります。
この欲求を短絡的に、力づくで充足させようとすると重大な性犯罪となります。

したがって、風俗産業が性犯罪を減らせたとしてもごく一部にすぎず、
苦痛を受ける対象が一般女性から風俗従事者に変わるだけでしょう。

>国や社会によっては宗教などが性的コンテンツに対して
>禁欲的なこともありそうです。

日本でポルノなど性的コンテンツや売買春が他の先進国より格段に多いのは、
やはり宗教の影響が大きいと思います。

キリスト教などの伝統的宗教は、食欲や性欲などに厳しい禁欲を科し、
それらの生理的欲求が社会的に望ましい節度ある形で充足されるよう
強く制御してきたという面が大きいです。

欧米人と比較して日本人が性的にだらしなく、お互いに甘えあう性質であり、
思想的にぶれ易いのは宗教的基盤が弱いためでしょう。
Posted by ritiarno at 2016年10月15日 12:01
こちらはとても興味深いです。
ritiarnoさま、ご紹介ありがとうございます。

「法律家や生物学、日本史に詳しい男性の方に、」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10162932400

|イスラム世界を含めた一夫多妻婚が存在する民族社会研究で、
|女性一人あたりが産む子供の数は一夫一妻の場合より
|より少なくなることが明らかになっており、
|一夫多妻制が少子化対策にならないことは前世紀の段階で決着のついた問題です。

いかに特定の男性に経済力が集中していようとも、
妻や子どもをたくさん抱えると、ひとりあたりに
投資できる資源は、減ってしまうもののようですね。

一夫多妻婚が存在する社会は、21世紀の先進国と比べると
ずっと多産でしょうし、むしろ人口を減らしたいくらいだと思います。
それで問題が起きないということですね。
少子高齢化が問題になる社会で一夫多妻制なんて導入したら、
それこそ大変なことになりそうです。


|ヒトという動物を俯瞰的にみると
|一夫一妻から緩やかな一夫多妻型の配偶システムとなっています

男性と女性とで体の大きさに極端に差がないことや、
もっとも男女差のない教育をしていると思われる
イスラエルの学校で調査しても、妻以外の女性と関係を持ちたい男性が
一部にいたことなどから、そう考えられるようですね。

こう考えると、一夫一婦制はむしろ
「生物学的にかなっている」ということになりそうです。
一夫多妻制を主張する人の「生物学的にかなっている」は、
男性が性衝動を起こす条件を意識したのかもしれないですが。


>↓は男性の生物学次元の性質のみ尊重した制度を実現したいとする質問例
>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10162932400
>私がこれに反論する形で回答していますが、質問者のコメント内容からして、
>彼は一夫多妻制導入の考えを取り下げたようにも見えますが、
>自己利益追求は(他者を蔑ろにしてでも)最大限に
>追及する姿勢に変わりはないように思えます
(ritiarno at 2016年10月10日 18:23)

>もっと若いオンナ、もっと美しいオンナ、もっとたくさんのオンナと!
>何かというと、
>『オトコはそれを我慢できない!なんてったって本能だからー!!』※
(あやめ at 2016年10月14日 21:23)

一夫多妻制を導入しろと言う人たちは、
自分はたくさんの女性と結婚できることを
なぜか自明のように考えているようにも思います。

たくさんの女性と結婚できるのは自分以外の男で、
自分は結婚できずにあふれる可能性がある
(その可能性のほうがずっと高いのに)ことは、
ぜんぜん考えている様子がないみたいです。

自分はそれくらい大金持ちになれて、
かつ女性にもてると思っているのかと思います。
自己利益を追求するしか念頭にない人は、
都合よく楽観的でもあるということかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月15日 19:51
あやめさま、コメントありがとうございます。

>良きにつけ悪しきにつけ歴史を動かしたのは、ある時代を生きた人の自意識下に
>おいての「理性」に即した行動ではあり、
>それを後世「狂気の時代」と評するのもまた、その時代の「理性」である、と

>>たんぽぽさま(at 2016年10月13日 21:43)
>>なにをもって「理性的」とするか

ユダヤ人迫害や中国侵略や従軍慰安婦を
計画的に実行しようと考えることがそもそも「理性的」か、
というところに引っかかるのではないかと思います。
(計画を立てて実行する過程ではなく。)

当時からこれらは蛮行だという認識はありましたからね。
そんなことを計画立案するのは「非理性的」だ、
「理性的」ならそんなことを実行しようと計画しない、
という考えかたはできると思います。

現代のわたしたちは、これらを実際に計画的に
実行した結果を見て学習しているので、
実行しようと計画することが蛮行という
認識をよりずっと強めているので、
「理性的」とされることに違和感が強いのだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月16日 16:16
ritiarnoさま、コメントありがとうございます。

>男女の生殖戦略が対立する部分です
>「クーリッジ効果」
>「ツァイガルニク効果」

男女で有利な戦略がこのくらい対局的であれば、
複雑な駆け引きや利害対立が起きるのも
無理もないことだと、改めて思ったです。

>女性性というものを
>容易には解き得ぬ謎として男性に対して「神秘性」を持たせ

男にとって「女はよくわからない」というのは、
ある程度は生物学的基盤があることなのですね。
女性にとって、自分が男からわかりにくくすることが、
戦略上有利でもあるわけですね。


>生殖で失敗すると、すでに生まれた子までも道連れに母子共倒れになって
>遺伝的に淘汰されかねないというシビアな条件のもとで進化してきただけあって、
>女性の生殖戦略メカニズムは非常に精巧、かつ遺伝的規定度合いが高い

厳しい環境のもとで適応・進化を続けると、
生物学的な戦略が複雑で精巧になるということですね。

生殖戦略に関して男性は文化的影響を受けやすく、
女性のほうが遺伝的な規定の度合いが高いなら、
その「生物学的次元」は女性の立場に重心を置いたほうが
むしろ妥当かもしれないですね。
(ある種の人(男性)は、男性の都合ばかり主張しますが。)


>そうなると、男女間生殖戦略バランスが男性側有利へと傾き、
>女性側性戦略が破綻して男性から満足な扶養を得られない事態が増えました。
>その一方で、日本では男女の社会的差別・格差の解消は遅々たるものです。

社会が女性差別的であると、生物学的な観点でも、
女性にとって自信の戦略が破綻しやすく不利、
ということにもなるのですね。

「生物学的に自然」を主張するなら、
この意味でも女性差別をなくす必要がありますね。
(「生物学的に自然」を主張する人は、
決まって女性差別の維持・強化の方便に使うけれど。)


>ナミビアのベーシックインカム先行的社会実験についての論文
>http://bijp.net/data/article/305
>↑より引用
>「BIG導入は、生存のための女性の男性への依存度を下げた。
>BIGによって女性は、自分の性生活を制御する手段を手に入れ、
>生存との引き換えに行わなければならないセッ クスの苦痛から、
>ある程度解放されたのである。」

こちらはご紹介ありがとうございます。
「女性の貧困対策なら、カラダを売らせればいい」という
あのかたのご意見とは対極的ですね。

「女性の性を財源で語る」
http://taraxacum.seesaa.net/article/434537494.html
Posted by たんぽぽ at 2016年10月16日 16:18
たんぽぽさん、あやめさん、丁寧なレスありがとうございます。

「理性」という単語は多義的なので、どの意味で捉えるかで解釈の違いが出てしまいそうですね。

文学・哲学的に使われる意味としては以下があります。
善悪や真偽の判断
論理的思考(アルゴリズム)⇔直観的思考(ヒューリスティック)
カント哲学の先天的能力の総称
ヘーゲル哲学の具体的概念の思考、弁証法的思考
ショーペンハウアー哲学の抽象的認識力⇔具体的認識力(悟性)
宇宙を支配する基本原理(絶対理性)

心理学や生態学などの科学分野では、脳の情報処理システムのうち、
「これまでに獲得した経験による知識や感覚器官からの情報をもとに長期的利益を勘案する機能」
と定義されているため、他とは区別して私はこちらの意味で使います。

以下は私がまとめたYAHOO!知恵ノートの内容です。

<他の動物にもある!>理性の働きについて解説
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n355529

長期的利益の判断に各人の価値判断が大きくかかわるのはもちろんで、善悪の観念もこれに含まれます。

暴力団、不道徳家庭、犯罪集団などは私たち多数派とは価値観が逆転していることがありますし、
長期的利害もしばしば対立します。
大規模なものだと、ファシズムと反ファシズム、
自由主義と社会共産主義のイデオロギー対立や、宗教対立など。

「確信犯」は価値観対立の最たる例でしょうか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E4%BF%A1%E7%8A%AF
Posted by ritiarno at 2016年10月16日 19:31
あやめさん、丁寧なレスありがとうございます。

>>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10162932400

>偶然ですが、こちらは私、すでに拝読させて頂いておりました。
>ご回答に感銘を受けておりましたので覚えています。
>今そのご本人とお話できるとは光栄です。

こちらこそ、そのように評していただき、とても光栄に思います。

>ヒトは進化の過程で「繁殖期(≒発情期)」を捨てた時点で、ある種の男性が
>主張するような、いわゆる「本能」は失われていると私は考えています。

そうなんですよね。
ありがちな「浮気は男の本能」とする主張は、カサノヴァタイプの浮気性タイプですが
別に男性の主流ではなく、むしろ少数派です。

以下が参考になるでしょうか(ひょっとしてもう読まれてるのかしら?)。

YAHOO!知恵ノート「男の浮気はオスの本能」は正しいか?
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n45632
ヒトに決まった発情期がない理由
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10160895050

>>ミーム(Wikipedia)
>こちらのご紹介ありがとうございます。
>色々なことが腑に落ちました。

ミームは「利己的な遺伝子」の著者リチャード・ドーキンスが
本の中で提唱した比較的新しい概念で、中にはマインド・ウイルスという
なかなか奇異な概念もあるので、これを紹介したせいで当惑されるのではと
心配でしたが、それなりに消化できてしまうところが素晴らしいです。
たいていの人は消化不良を起こし、何らかの拒否反応を示したりします。(--;

>他のことでは「ミームどうした、最近おまえ調子悪いぞ?」と思ったこと
>が多かったです。例えば、「しきたりと偽善」とか。
>そろそろアップデートしても良い頃でしょう?

同感です。
性のしきたりミームは、男女を性的に束縛する前近代的ミームですが、
今の日本では女性に対する束縛のウェートが高いです。

そもそも、日本の失われた20年は日本が持つミームの進化速度に
ブレーキがかけられていることで齎されているのでは疑いが強いです。
Posted by ritiarno at 2016年10月16日 20:31
ritiarnoさま(2016年10月15日 12:01)、
コメントありがとうございます。

>逆に言えば残りの大部分の男性(日本で86.4%、アメリカで99.7%)にとって
>風俗の存在は性衝動の解消につながっていないことを意味します

ああ、そういうことなのですね。
利用しない人がたくさんいるから、性欲解消に役立たない。
ご解説ありがとうございます。


>大変高額にならざるを得ず、そこでいったん性欲が解消されたとしても、
>男性の性欲は個人差こそあれ数時間もあれば概ね回復するため

性産業の利用は、性犯罪を減らさない以前に、
性欲の解消にもたいして役に立たないということなのですね。


>あのデータの中で風俗が合法の国は英、仏、蘭、西で

売買春が合法の国でも、かなりの低率なのですよね。

>アメリカはほとんどの州で非合法、

非合法の国と比べても大差ないというのは興味をひくところです。

>日本は表向き非合法ですが、実質的に合法です

日本の扱いは微妙ですね。


>AVは男性の生理的快楽欲、性的探究欲のうち女性との接触欲以外の多くを満足させますが、
>女性を性的に独占し、自由(言いなり)にせんとする性的征服欲は

メディアはしょせん疑似体験ですからね。
「実際に女をやらないと物足りない」という男性も出てくる
可能性はあるでしょうし、この意味でも性的メディアは
性暴力を助長する可能性があることになるのですね。

>風俗産業が性犯罪を減らせたとしてもごく一部にすぎず、
>苦痛を受ける対象が一般女性から風俗従事者に変わるだけでしょう

それはわたしも思っているところです。
性産業の利用で性犯罪に走らなくなる男性は、
いわば「レイ プ予備軍」だろうと思うし、
そういう男性が性産業を利用すれば、性産業従事者にレイ プの矛先が
向かうことになるのは、ありそうだと思います。


>欧米人と比較して日本人が性的にだらしなく、お互いに甘えあう性質であり、
>思想的にぶれ易いのは宗教的基盤が弱いためでしょう。

ヨーロッパの禁欲主義は、宗教の影響が大きい
ということは、よく言われると思います。

宗教は多くの場合、因習・反動的なカチカンの維持に働くので、
人権尊重の敵になることが多いですが、この件に関しては、
むしろ宗教がこのましい役割を果たしていることになりますね。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月17日 21:57
ritiarnoさま、たくさんコメントありがとうございます。

><他の動物にもある!>理性の働きについて解説
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n355529

またまたご紹介ありがとうございます。
人間以外の動物にも理性があることは、
知っている人は知っていることだと思います。


|現代人は飽食の時代となったために幼少のころから
|理性を動員して欲望を我慢してきた経験に乏しく、
|近代以前に生きてきた人類や大型野生動物に比べて理性が豊かだとは言い難く、

理性が豊かになるためには、理性を動員して
欲望を我慢する経験が必要だということですね。
理性の発達も学習によるということのようですね。

|2.傷だらけで倒れている人がいるので助けてあげたい(情動の働き)→
|でも、服装を見たら敵国人であり、助けたのが自国にばれてしまっては
|監獄行きになってしまうから、見殺しにしよう(長期的利益を勘案した理性の働き)

この2のケースがくせものになりそうですね。
「敵国人であっても人道的見地から助けなければならない」と
考えることが、「長期的利益」になる人もいるでしょうし。
またそうした認識を「普及」させることもあると思います。


>暴力団、不道徳家庭、犯罪集団などは私たち多数派とは
>価値観が逆転していることがありますし、
>長期的利害もしばしば対立します。

「獲得した経験による知識」は人によりますから、
「長期的利益」も人によって異なることがあるし、
その人の立場によっては逆転するくらい
異なっていることも、あるということですね。

>大規模なものだと、ファシズムと反ファシズム、
>自由主義と社会共産主義のイデオロギー対立や、宗教対立など。
>「確信犯」は価値観対立の最たる例でしょうか。
>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E4%BF%A1%E7%8A%AF

思想やイデオロギーの対立は、「長期的利益」の対立の中でも
際立ったものと言えそうですね。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月18日 22:18
ritiarnoさま、

>YAHOO!知恵ノート「男の浮気はオスの本能」は正しいか?
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n45632

こちらもとても興味深いです。

|妊娠につながらない性行動(精通前・初経前の性交、
|交配不可能な別種動物相手の性交、妊娠中の性交、月経時の性交、
|排卵期以外の性交、同性間での性交、植物や無生物を対象とした性的行動)は
|野生動物の中でも広く観察されています

生殖につながらない性行動は、動物にも見られることも、
知っている人は知っていることだろうと思います。

この中でもとくに同性同士の性行為は、
反同性愛の人が「野生動物に同性愛はない」と
根拠もなく断言することが多いので、
よく取り上げられることだと思います。

「動物の同性愛がスケールでかすぎてビビる」
https://web.archive.org/web/20131121033818/http://matome.naver.jp/odai/2135536573867944301


|ニホンザルでも生まれて間もなく親から引き離して人間の手で飼育されると、
|成長してから群れに戻しても性交の仕方が
|分からなくなってしまうことが観察されています

性行為のしかたも学習によるところがあるのだろう、
というのは、わたしも前から思っていました。

「とある夫婦が子どもの作りかたがわからなくて
恥を忍んで産婦人科に聞きに行った」という
お話を聞いたことがあって、信憑性が確認できないのですが、
あながちありえないことではないということですね。

実話だとしたら、いまの30歳くらいの人の親世代のお話です。
(15年前くらいの電子掲示板で中学生が語っていた。)


|862種類の無文字社会を調査した結果、婚姻制度において
|一夫一妻制を採用している社会はわずか139例(16%)にすぎず、
|一夫多妻制を採用している社会が715例(83%)を
|占めることが明らかとなりました。
|残りは一妻多夫制が3例(0.4%)だけあります

これは男女の人口比が大きく効いてくるのですね。
それは社会や環境が作るもので「本能」というわけではないですね。
男女比が1:1に近づいてきて、一夫多妻から一夫一婦に
移行した例があるのが興味をひきます。

イスラム教が勃興したころは、西アジアは戦乱が相次いで、
戦死により男性の人口が大きく減っていた、
それで一夫多妻を定めたということもあるようですし。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月18日 22:20
たんぽぽさま (at 2016年10月11日 21:51)

>それは「にわとりと卵」ではないかと思います。
>「AVの影響を受けて凶暴化する」こともあるし、
>「もともと凶暴な要素があるからAVを観る」のもあるでしょう。
>因果はたぶん両方だと思います。

一般論的にはそうとも言えるだろうと思います。※

>>「AVの影響を受けるから凶暴化()するのではなく、
>>もともと凶暴()な素質があるからそういうAVを好むのだ」。

は、エントリ内でご紹介の恋人達を評したつもりでした。
つまり彼女は彼の行動を、

”私の彼は本当は優しい人なのに、AVに洗脳されてしまったので
私の気持ちをわかってくれない。”

と理解しているけど、実際には…ということです。
もっとも、あの彼には経験不足による「食わず嫌い」ってこともありうると思うので、
彼女にアドバイスするなら、
「一度、ためしにやってみよう?今日は私の言う通りにしてみて?」
と提案して、経験してもらっては?になるでしょうか。
彼女の満足を自分の満足として実感し、共有できるなら、アップデートも可能かと。
(がんばれミーム!)

※私はこの問題を、一般論としても「にわとりと卵」とはあまり思えません。
どんなに優しく、教養深く、知見が広くとも、我々の脳には太古の記憶が蓄積され、
根幹を成している。
そこには当然、生き残りの為の一つの戦略として「攻撃性」が存在するのでしょう。
そして全ての生物は進化しながら、その攻撃性を洗練させました。
種の保存を賭けて、無駄な消耗を避けるために独自の”強者の価値観”を育てました。
例えば、より体(の一部)が大きい・より美しい・より狩りがうまいetc.etc.
しかし、とは言え。
それでも我々は何かに触発されれば、容易に太古の記憶を呼び戻すことができる。
地球上もっとも進化した生物とされる人間でも、そこから自由にはなれない、と思っています。
進化という作業は、基本、険しい坂道を努力と根性で這い上がって行くようなもので、
どこかに堕落の種があれば、簡単に転がり落ちるのだと思います。
(もちろん突然変異もあるけど。)
そして、転がり落ちるのはたやすいし、まして堕落を優しく受け入れてくれる存在があれば、
それは快楽ですらある、と。
(ritiarnoさまの「マインドウイルス」のお話が大変参考になりました。)
Posted by あやめ at 2016年10月19日 20:58
ritiarnoさま (at 2016年10月16日 20:31)

もったいないご評価をいただきまして恐れ入ります。

>>>ミーム(Wikipedia)
>たいていの人は消化不良を起こし、何らかの拒否反応を示したりします。(--;

それはたぶん、遺伝子学を正規にきちんと学ばれた方々だからこその困惑ではないでしょうか。
私には基礎知識が無いゆえに正誤の確証も無く、ただ直観と実感で、「へえー!」「なるほどー!」
と受け入れられただけかと f(^^;

>>「ミームどうした、最近おまえ調子悪いぞ?」
>同感です。

” 同 感 で す 。” !?

ぁ ゎゎ ヽ(゜○゜ ;ヽ)三(ノ; ゜□゜)ノ ぁゎゎ.

こここここ、これはその…、ここがまさか拾われるとは…!
っていうか、この理解で良かったんですか?!
(書き込んだ後「しまった、ふざけ過ぎた…orz」と、しばし一人反省会でした。)
Posted by あやめ at 2016年10月19日 20:59
あやめさま、コメントありがとうございます。

>エントリ内でご紹介の恋人達を評したつもりでした。
>つまり彼女は彼の行動を、

問題のカレシは、AVの影響を受けてああなったと、
わたしは単純に思ったです。
パートナーの女性からの情報しかないので、そう見えるのであり、
問題のカレシももともとそういう素質があったから
AVを観るのだ、ということも考えられますが。

>生き残りの為の一つの戦略として「攻撃性」が存在するのでしょう
>我々は何かに触発されれば、容易に太古の記憶を呼び戻すことができる

そのあたりも微妙なのですよね。
触発されなければ(影響を受けなければ)
攻撃性は発揮されないということでもあるわけで。


>>>「ミームどうした、最近おまえ調子悪いぞ?」
>>同感です。

社会や文化が発展せず停滞するのは、
ミームの進化の停滞ということになりますね。
ミームの場合は、人間の意識で進化させるのですから、
「最近おまえ調子悪いぞ?」という言いかたもできるのでしょう。

ミームの発展が停滞するのは、前時代の既得権益が強いことが多いです。
既得権益が強くなりすぎるのは、その文化やカチカンが
前の時代によく合いすぎていたということがあります。

生命進化の「進化の袋小路」(そのときの環境に適応しすぎて、
その後の環境の変化に応じた変異が起きにくくなる)に
相当するような状況だと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月20日 21:38
たんぽぽさん、丁寧なレスありがとうございます。

>こう考えると、一夫一婦制はむしろ
>「生物学的にかなっている」ということになりそうです。
>一夫多妻制を主張する人の「生物学的にかなっている」は、
>男性が性衝動を起こす条件を意識したのかもしれないですが。

その種の人は、女性のことなどは碌に考慮せず、
もっぱら男性としての自己利益で考えていますね。

男性の生殖戦略上の最適解(成功例)は
他の男性を屈服させて多数の女性を独占し扶養する
ハーレム王(一夫多妻婚)となることですが、
女性の生殖戦略上の最適解は
適応度や相性が良い男性からの愛情(扶養)を独占できる
唯一の妻(一夫一妻婚)となることです。
ヒトという種を全体として包括的に眺めると
一夫一妻から緩やかな一夫多妻型となります。
生物学次元の男女間の生殖戦略のパワーバランスから
均衡点ができるというわけです。

>一夫多妻制を導入しろと言う人たちは、
>自分はたくさんの女性と結婚できることを
>なぜか自明のように考えているようにも思います。

>たくさんの女性と結婚できるのは自分以外の男で、
>自分は結婚できずにあふれる可能性がある
>(その可能性のほうがずっと高いのに)ことは、
>ぜんぜん考えている様子がないみたいです。

男性は性に関してポジティビティ・バイアスが
かかりやすいですが、それにしても近視眼的ですね。

潜在的繁殖スピードの男女比が高まるほど、
男性は淘汰される側の性である傾向が強くなって
配偶システムはそれに伴って一夫多妻型の傾向が増し
配偶者獲得競争に敗れてあぶれるどころか、
生存競争に敗れて死んでしまう可能性が非常に高くなります。

YAHOO!知恵ノート:男尊女卑はなぜ始まったのか?
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n355523

↑にも書いたのですが、典型的な一夫多妻型の
動物は、壮年期の生存率において
雄は雌の数分の一しかない場合がが多いです。

そして、一夫多妻型の度合いが高まるほど、
雄の生存率の雌に対する比率は低くなる傾向にあります。
あぶれ雄でも生きていられるだけ幸せと言えるでしょう。


>生殖戦略に関して男性は文化的影響を受けやすく、
>女性のほうが遺伝的な規定の度合いが高いなら、
>その「生物学的次元」は女性の立場に重心を置いたほうが
>むしろ妥当かもしれないですね。
>(ある種の人(男性)は、男性の都合ばかり主張しますが。)

両性の葛藤を最小化しようとすると、
真ん中からやや女性寄りがちょうど良さそう。
ミームの進化のためには、幾分女性寄りが望ましいです。

ある種の人が、自分のメリットばかりを他者が被る損害や
システム(一夫多妻制など)の都合の良い部分だけ取り上げるのは
自分がいかに大きな既得権によるメリットを
享受できているかの認識に欠けていることも大きいでしょう。

日本人男性であることのメリットについて私の回答(一番下です)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12123574487

これらは「既得権」と言い換えても良い内容です。

歴史や文化についてそれなりに学んでいれば、
先人たちの努力の積み重ねで豊かな生活が享受できている
ことが分かりますし、それに対する感謝の気持ちが湧く一方で
発展を阻害されてきた途上国の人々や差別されてきた女性に対する
ある種の「申し訳ない」という気持ちが湧くものですが
彼らは客観的には恵まれている現状に不満を抱き、
苦境から逃れんとする人々を逆恨みして異様な攻撃性を発揮しがちです。

見聞を広めることによって人生観における
大局観やバランス感覚を備えることが重要だと思います。
Posted by ritiarno at 2016年10月20日 21:42
無文字社会研究における婚姻制度について、
「一夫一妻制を採用している社会はわずか139例(16%)にすぎず、
一夫多妻制を採用している社会が715例(83%)を
占めることが明らかとなりました。
残りは一妻多夫制が3例(0.4%)だけあります」

この部分は後段の
「ここでいう一夫多妻制が採用されている社会というのは、
一夫多妻が制度として許されているか奨励されている
社会のことを言うのであって、その社会を構成するメンバーが
みんな一夫多妻を実行しているわけではありません。
一夫多妻制が認められている社会であっても、一夫多妻婚が
実行されているのは経済的上位者や王侯貴族など、
社会の一部に過ぎません。」
が重要で、
全婚姻数のうち多妻婚が20%を超える社会は
一夫多妻制を採用している社会のうち1/3程度にすぎず、
残りの大半は一夫一妻婚です。

無文字社会においても、環境や文化社会的要請によって
一夫一妻、一夫多妻、あるいは一妻多夫のいずれかに
シフトするよう圧力がかかったりしますが
全体的、俯瞰的に眺めることで、ヒトは生物として
「一夫一妻型から緩やかな一夫多妻型」
と考えるのが妥当とされるわけです。

科学技術・文明の発展のためには
子どもへの教育投資量の観点から一夫一妻型が適しており、
生物的次元の特徴としてヒトは一夫一妻型に近いこともあり
一夫一妻型婚姻システムの枠組みに当てはめる方が
それによってミスマッチが生じることによる、あるていどのコストを
支払ったとしても、むしろ望ましいと考えられるのです。

理性ついて
>この2のケースがくせものになりそうですね。
>「敵国人であっても人道的見地から助けなければならない」と
>考えることが、「長期的利益」になる人もいるでしょうし。
>またそうした認識を「普及」させることもあると思います。

科学分野で定義される理性は、自己の長期的利益の判断を指しますが、
これを他者も含む普遍的利益へと拡大してゆくことが
文化や文明の長期的発展にとって重要ですね。

これらはしばしば対立するので、心の中で葛藤が生じますが
私たちは心の中で常に悩み戦い続けねばならないということです。
Posted by ritiarno at 2016年10月20日 21:47
性風俗産業について
>利用しない人がたくさんいるから、性欲解消に役立たない。
>ご解説ありがとうございます。

いえいえ。
たくさんの要因が複雑に影響しあう社会統計学では
安易に相関関係で考えると疑似相関に騙されやすくなるので、
なるべく因果律で考えるようにすると良いですね。

統計学における重回帰分析の手法としてパス解析があるのですが、因果関係の分析として有用な方法です。

パス解析
http://www.k3.dion.ne.jp/~mabuchi/lectures_nara/path_analysis.html

AV視聴や風俗利用と性犯罪との関係では、警察捜査の取り組み、暗数効果、
性欲(その構成要素についても考察)の変化など、数値化困難な要素があって、
パス解析が使えなかったりしますが、それでもパス解析の考え方を理解しておくと
因果関係の分析や各種事実確認によって疑似相関に騙されにくくなります。
Posted by ritiarno at 2016年10月20日 22:18
あやめさん、レスありがとうございます。

>それはたぶん、遺伝子学を正規にきちんと学ばれた方々だからこその困惑ではないでしょうか。
>私には基礎知識が無いゆえに正誤の確証も無く、ただ直観と実感で、「へえー!」「なるほどー!」
>と受け入れられただけかと f(^^;

おっしゃるように、遺伝学などで使われる際の意味合いとの間にギャップがあるので、
奇異に感じられることがあるかもしれません。

ただ、Q&Aで回答していると、質問者が消化不良に陥るのはたいてい
基礎知識が欠けているからなんですよ。
回答する私の方も、質問者の理解より一般閲覧者への啓蒙を優先するせいもあるのですが。
他には、誤った先入観による確証バイアスがかかっていて
認識を再構築するための脳内コストを支払えない頑迷な人など。

あやめさんはこれまでの対話から、とても素直、謙虚で、向上心が高い人だとお見受けします。

そういう人は呑み込みが早いですね。

この点は、たんぽぽさんも同意見かと思います。

「ミームどうした、最近おまえ調子悪いぞ?」はきちんと意味が通じるので大丈夫です♪

>地球上もっとも進化した生物とされる人間でも

この部分はアップデートの余地があるかもしれないです。

現在する全ての生物はそれぞれが進化の最先端にある
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13163541403
ヒトと他の動物との最大の違いは?
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n47684

参考までに読んでいただけたら幸いです。
Posted by ritiarno at 2016年10月20日 22:49
ritiarnoさま、またまたコメントありがとうございます。

>その種の人は、女性のことなどは碌に考慮せず、
>もっぱら男性としての自己利益で考えていますね

その種の男性は「生物学的」をうんぬんしながら
なぜに女性にも生物学的条件があることを顧慮しないのかは、
考察するところかもしれないです。

>生物学次元の男女間の生殖戦略のパワーバランスから
>均衡点ができるというわけです

性衝動が起きる生物学的条件という観点からは、
男性と女性の条件の均衡点として、一夫一婦制から
ゆるやかな一夫多妻、ということになるのですね。


>男性は性に関してポジティビティ・バイアスが
>かかりやすいですが、それにしても近視眼的ですね

いくらポジティビティ・バイアスがかかりやすくても、
「それはないだろう」というレベルだと思います。

「非もて」を自認する男性は、一夫多妻制を主張しないようですね。
自分があふれる側になることを強く意識するからでしょう。


>YAHOO!知恵ノート:男尊女卑はなぜ始まったのか?
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n355523

こちらはご紹介ありがとうございます。
男女の人口比と潜在的繁殖スピードの差が、
ジェンダー差別の元になるということですね。

人口に関しては、男性のほうが少なくなりやすいですね。
生物学的にも女性に比べてちょっと弱いですし、
それに加えて戦争があると、急激に男性の数は減ります。

人間社会においては、経済資本の差も大きく効いてくるのですね。
男性同士の経済競争に勝ち抜いて経済力を持った男性が、
多くの女性も経済的に支配するというのは、
男性同士の争いのために強くなった腕力を使って
女性を支配するのと、ちょっと似ているかもしれないです。

「男はなぜ女より強いか?」
http://taraxacum.seesaa.net/article/408335213.html


>日本人男性であることのメリットについて私の回答(一番下です)
>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12123574487
>これらは「既得権」と言い換えても良い内容です。

こちらもご紹介ありがとうございます。
この手の「既得権」は、産まれたときから当たり前に
存在するので、そこにありがたみを感じられない
ということなのでしょう。


>歴史や文化についてそれなりに学んでいれば、

>彼らは客観的には恵まれている現状に不満を抱き、
>苦境から逃れんとする人々を逆恨みして異様な攻撃性を発揮しがちです。

思い当たるふし、たくさんあります。
反人権、反反差別の人は、たいていこのパターンだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月21日 21:27
たんぽぽさま(at 2016年10月20日 21:38)

お返事ありがとうございます。
直近のコメント(あやめ at 2016年10月19日 20:58)に他意はありませんが、
妙に断定的な物言いをしてしまい、失礼致しました。

いや仰る通り、確かに微妙なところなんです。
我々誰も二人を直接知らない訳ですし。
そもそも一つの要因に絞るのは不可能ですし、その必要も無いですよね。
ただ、相互に作用し合ってるにしても、その刺激への受容体が「ある」
ことは確実であり、それが問題なのだ、と。
(その意味で「にわとりと卵」の例えに違和感がありました。この場合、
明らかに「にわとりが先」では?)

”体験に伴う認知の歪が生じる確証バイアス”(by ritiarnosさま)について
まとめてみました。

①セ ックス(の概念と行為のあらまし)を知る。
男女< エウレーカ!

----------------------
つ [AV]
男性< オンナってああすると喜ぶんだ!
男性< よーし、ああすれば良いんだな!
(女性<えええー?!オトコってあんなことすんのお!?)
----------------------

②実体験する。

③@理想(通常)<< エウレーカ!(○年?ぶり二回目)
『あれと全然違う!本当はこうなんだ?!』

 → → → なんやかんやありまして → → →

。:+.゜(ノ*^ー^)ノヽ(^ー^*ヽ)゛。:+.゜<< 結婚()しよう、一緒に子供を育てよう♪

----------------------
③’@現実(彼)< イヤッッホォォォオオォオウ!!

『おかしいぞ?あれと同じようにしたのに、コイツああならないぞ?』

…(´-`).+゜.。oO(考え中) … 

『わかった()!彼女が間違ってるんだ!よーし、俺が修正してやる!!』


女性(彼女)< 違うってばー!!※今ココ。
----------------------

…こんな感じ?σ(^_^;)
Posted by あやめ at 2016年10月22日 00:41
たんぽぽさま,ritiarnoさま

「理性」について。

>>>なにをもって「理性的」とするか(byたんぽぽさま)

>「理性」という単語は多義的なので、どの意味で捉えるかで解釈の違いが出てしまいそうですね。
(中略)
>「これまでに獲得した経験による知識や感覚器官からの情報をもとに長期的利益を勘案する機能」
>と定義されているため、他とは区別して私はこちらの意味で使います。
(byritiarnoさま)

問と答え、どちらも大変興味深いです。
また正直私は、「理性」にこんなたくさんの意味があることを知りませんでした。
更にこれらからはまた、「思考の働きとは重層的なものだ」とも感じます。

自分が、対話者が、その他の人が、理性という言葉をどう意識し、あるいは無意識に、
どんな意味合いで使っているか?
またあるいは、どの定義に近いか、どこに影響を受けているか?
を知るのも大切だと思います。

ps.たぶん、私にとっての、私が意識する理性の定義は、カントの言う「道徳法則」に近いかも知れないです。
 ポイントは、”誰にとっても当てはまる、普遍性を持つルール”(≒私物化できない)。 
Posted by あやめ at 2016年10月22日 00:51
ritiarnoさま、
コメントたくさんありがとうございます。

>全婚姻数のうち多妻婚が20%を超える社会は
>一夫多妻制を採用している社会のうち1/3程度にすぎず、
>残りの大半は一夫一妻婚です。
(2016年10月20日 21:47)

一夫多妻制の社会でも、だれもが複数の女性と
結婚しているのではないということは、
念を押しておいたほうがいいでしょうね。

一夫多妻制が認められている社会でも
ひとりの相手とだけ結婚している人もいるし、
結婚相手がいない人もたくさんいるわけで。


>科学分野で定義される理性は、自己の長期的利益の判断を指しますが、
>これを他者も含む普遍的利益へと拡大してゆくことが
>文化や文明の長期的発展にとって重要ですね
(2016年10月20日 21:47)

普遍的利益を追求することが、
自己の長期的利益にもなる社会を作ったり、
啓蒙したりするということになるのだろうと思います。

ナチスのユダヤ人虐殺や、日本軍の従軍慰安婦は、
その当時はこれらを実行するほうが
「自己の長期的利益」だったのでしょうけれど、
現在はこれらを厳しく追求することで、
「自己の長期的利益にも著しく反する」ようにしている
ということだろうと思います。


>統計学における重回帰分析の手法としてパス解析があるのですが、
>因果関係の分析として有用な方法です。
>パス解析
>http://www.k3.dion.ne.jp/~mabuchi/lectures_nara/path_analysis.html
(2016年10月20日 22:18)

こちらはご紹介ありがとうございます。
間接効果の推定ができるのが特徴的ですね。


>現在する全ての生物はそれぞれが進化の最先端にある
>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13163541403
(2016年10月20日 22:49)

現存する生物はすべて進化の最先端にいる
と考えるのが、進化生物学の認識ですね。
進化生物学にあまり詳しくないかたは、誤解するところだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月22日 20:18
ritiarnoさま、

>ヒトと他の動物との最大の違いは?
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n47684

こちらはご紹介ありがとうございます。
すごい参考になりました。

意外と違いのない人間とほかの動物、
人間とほかの動物との決定的違いは言語中枢ということだったのですね。

こうしてみると、言語は情報を抽象化して、
記憶や伝達や思考を容易にするので、
文明の発達という点で重要ということになりますね。

「ヒトと他の動物との最大の違いは? Part3」
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n48083


発達した言語中枢を持つには、二足歩行によって
手で自由に道具を使ったり作ったりできることと、
多彩な発話ができることが必要になるのですね。
脳が発達するのはもちろん必要だけど、
それだけでないということが特徴的だと思います。

「ヒトと他の動物との最大の違いは? Part4」
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n355307

人間以上に脳が発達した生物は存在するけれど、
手や発話のための喉が発達していないので
言語中枢が発達せず文明を築けなかった
というのは、示唆的だと思います。


イルカのような水棲動物は、泳ぐためにひれを発達させる
必要があるから、道具を扱える手を持つことができない、
という指摘があるけれど、空を飛ぶ動物も翼を発達する必要があるから、
やはり道具を扱える手は持てないことになりそうですね。

道具を扱える手を発達させることができるのは、
地上を二次元的に生活する陸上生物でなければ、
ほとんど困難ということになりそうです。

恐竜が絶滅せず現在まで生きていたら、その中に言語中枢を
発達させて、文明を築いた種がいた可能性はありそうですね。
恐竜は現生生物の鳥にいちばん近いけれど、
陸上で二次元的に生活して二足歩行するものもいたから、
その中から手を発達させるものが
出て来るのもありえたのではないかと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月23日 17:24
あやめさま、コメントありがとうございます。

>直近のコメント(あやめ at 2016年10月19日 20:58)に他意はありませんが、
>妙に断定的な物言いをしてしまい、失礼致しました

いえいえ、お気になさらずに。

>(その意味で「にわとりと卵」の例えに違和感がありました。この場合、
>明らかに「にわとりが先」では?)

このあたりは、これ以上の意見のすり合わせは
難しそうですし、また必要もないのではないかと思います。
(わたしはあまりこだわる気はないです。)

はっきり言えるのは、「AVの影響を受けてああなった」ですが、
それがあれば、この問題の考察にはじゅうぶんだろうと思います。


>また正直私は、「理性」にこんなたくさんの意味があることを知りませんでした

「あたまがよい」とはどういうことか?という議論と
似ているかもしれないです。
(理性もあたまのよさの一種とも言えるので、
ある意味当然かもしれないですが。)
Posted by たんぽぽ at 2016年10月23日 22:20
たんぽぽさん、丁寧なレスありがとうございます。

>その種の男性は「生物学的」をうんぬんしながら
>なぜに女性にも生物学的条件があることを顧慮しないのかは、
>考察するところかもしれないです。

男尊女卑温存派は女性側生殖戦略を軽視し、もっぱら男性側生殖戦略を押し通そうとし、
メンズリブや男性差別撤廃論者(マキュリスト)は女性側生殖戦略を非難する傾向が強いですね。
これらは似て非なるものですが、いずれもアンフェアな主張になりがちです。

>「男はなぜ女より強いか?」
>http://taraxacum.seesaa.net/article/408335213.html

こちらは私もコメントしていますね。
この辺りの私の知見は長谷川眞理子教授の書籍がかなり参考になっています。

>ナチスのユダヤ人虐殺や、日本軍の従軍慰安婦は、
>その当時はこれらを実行するほうが
>「自己の長期的利益」だったのでしょうけれど、
>現在はこれらを厳しく追求することで、
>「自己の長期的利益にも著しく反する」ようにしている
>ということだろうと思います。

このあたりの価値観(思想)はとても重要で、生物学において個体利己主義説が主流だった頃は、
ヒトを含む動物の利他的行動について科学的に説明できない謎の行動とされていましたが、
リチャード・ドーキンスの利己的遺伝子説によってかなりの部分が説明可能となり、
思想にも大きな影響を及ぼしました。
ミーム(文化情報)の進化についても、自己利益のみならず他者利益も考慮した普遍的利益を
追求する思想が広まると文明の永続的発展につながり、
ミームの長期的利益に適うでしょう(利己的なミーム説!)。

>ヒトと他の動物との最大の違いは?
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n47684
>こちらはご紹介ありがとうございます。
>すごい参考になりました。

お役に立てて嬉しく思います。
このあたりの知見は文化人類学がベースとなっています。

言語中枢の働きによって後天的に獲得した知恵や技術を社会的に共有・蓄積、
さらには後世に継承可能な、ゲノム以外の遺伝情報(ミーム)を備えるようになったことが
とても画期的と言えるわけで、私はミームを生命による大発明の一つと考えます。

生命による大発明としては、細胞(生命)、ゲノム、光合成、真核細胞、世代交代システム、有性生殖システム、知覚システム(特に視覚)、認知システム(意識)、運動システム、ホメオスタシス(恒温性など体内環境恒常性)が挙げられますね。

私はこれらをYAHOO!知恵ノートに書いてシリーズ化しようと思っていたのですが、
純科学的なものは一般に関心を呼びにくいのか、閲覧数が振るわなかったので無期限延期しました(--;

生命の神秘 ~不老不死と寿命~
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n356105
生命の神秘 ~生殖と♂♀「性」の謎~
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n356110
生命の神秘 ~光合成~
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n356224

・・・当エントリの趣旨とずれてきましたが、大丈夫でしょうか…。
Posted by ritiarno at 2016年10月26日 00:58
ritiarnoさま、またまたコメントありがとうございます。

>男尊女卑温存派は女性側生殖戦略を軽視し、もっぱら男性側生殖戦略を押し通そうとし、
>メンズリブや男性差別撤廃論者(マキュリスト)は女性側生殖戦略を非難する傾向が強いですね。
>これらは似て非なるものですが、いずれもアンフェアな主張になりがちです。

前者は「反フェミ」、後者は「弱者男性」になるのかな。
両者は立場的に区別されるとは思っていました。

どちらも女性の生殖戦略を敵視するところは、
共通していると言えそうですが、敵視のしかたには差異がありますね。


>>「男はなぜ女より強いか?」
>>http://taraxacum.seesaa.net/article/408335213.html
>こちらは私もコメントしていますね。
>この辺りの私の知見は長谷川眞理子教授の書籍がかなり参考になっています

懐かしのエントリですね。

エントリの本文中でわたしは
========
でも回答をなさっているのは、両方ともritiarnoさまなので、
きっと信頼してだいじょうぶでしょう。
========
と書いていますね。
参考にさせていただきました。


>ヒトを含む動物の利他的行動について科学的に説明できない謎の行動とされていましたが、
>リチャード・ドーキンスの利己的遺伝子説によってかなりの部分が説明可能となり、

ドーキンスの利己的遺伝子説はやはり画期的だったのですね。

>言語中枢の働きによって後天的に獲得した知恵や技術を社会的に共有・蓄積、
>さらには後世に継承可能な、ゲノム以外の遺伝情報(ミーム)を備えるようになったことが

そう考えるとミームも生命現象ですね。


>私はこれらをYAHOO!知恵ノートに書いてシリーズ化しようと思っていたのですが、
>純科学的なものは一般に関心を呼びにくいのか、閲覧数が振るわなかったので無期限延期しました

無期限延期はとても残念です。
かくいうわたしも反響が少ないと、モチベーションが下がったり
なくなったりすることは多々あるので、お気持ちはわかりますが。


>当エントリの趣旨とずれてきましたが、大丈夫でしょうか…。

ぜんぜんかまわないですよ。
コメントしてくださるのは、あきらかに建設的な意見交換ですからね。

建設的な意見交換や、交流を楽しめる雑談であれば、
話題がどんどんずれていくのも、わたしは大歓迎です。
遠慮なくどしどし話題を提供していただけたらと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月26日 06:40
ritiarnoさま、
いろいろとご紹介ありがとうございます。

>生命の神秘 ~不老不死と寿命~
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n356105

微生物とか単純な生物には寿命がないのですよね。
くらげの中にも寿命がないのがいますね。

ほとんどの大型動物に寿命があるのは、
世代交代のためということなのでしょう。
不老不死よりも、寿命があって新しい生命を繰り返し誕生させたほうが、
環境の変化に適応する個体が生じやすくするということですね。


>生命の神秘 ~生殖と♂♀「性」の謎~
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n356110

有性生殖をするのは、遺伝子同士を掛け合わせることで、
多様性を確保して環境に適応するためですね。

全個体の半分をオス、もう半分をメスにするので、
繁殖のために異性を探す必要があるぶんは効率は悪くなるけれど、
哺乳動物や鳥は移動力があるので、
この不利を埋め合わせられるということですね。

移動力のある動物は、オスとメスがきっちり分かれていて、
性転換もないですが、もっと移動力の少ない動物だと性転換があったり、
2匹でつがう必要があっても雌雄同体だったりしますね。
動きが遅いかたつむりは雌雄同体の例です。


生物、とくに大型の動物に寿命があることや
オスとメスに分かれていて有性生殖があることは、
多様性を維持し環境への適応力を維持するため
ということになるのですね。


>生命の神秘 ~光合成~
>http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n356224

光合成と同じ方法で、人工的にエネルギーを生産するのも
人類の見果てぬ夢だと思いますが、いまだに実現する見込みはないですね。

光合成はたくさん研究されていて、かなり細かいところまで
わかっていますが、生命の神秘は人間の科学技術を
なかなか寄せ付けないことがあると思います。

光合成を行なう動物がいない理由も納得です。
強い筋肉を持ち、新陳代謝を活発にするためには、
光合成はまったく不向きということなのですね。
それよりは動き回れるのだから、捕食したほうがずっと効率的ですね。
Posted by たんぽぽ at 2016年10月27日 07:10
たんぽぽさん、丁寧なレスありがとうございます。

>前者は「反フェミ」、後者は「弱者男性」になるのかな。
>両者は立場的に区別されるとは思っていました。

女性の生殖戦略に対して、前者は社会的権力でねじ伏せようとし、
後者はそれによる男性へのハードル(配偶者選択、愛情確認)が不当な男性差別に当たるとして
不満を訴えることが多いので、男性としての各々の社会的立場と親和性はありそうですね。

マスキュリズム(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
メンズリブ(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%AA%E3%83%96

思想的に、マスキュリズムは男尊女卑・女性差別主義(反フェミニズム)と正面衝突するようです。
※前回レスではマスキュリズムの(ス)の部分が抜けていました。

メンズリブも思想内容を見ると反フェミとは相性が悪そう。


”生命の神秘”シリーズについても論評ありがとうございます。
雌雄同体は個体や配偶子の移動力に制約がある生物に多く、雌雄異体はその逆の傾向がありますね。

無機物からグルコースを作ってしまう光合成メカニズムは、
現代のいかなる最先端技術すら児戯に思えてしまうほどの精巧なものであり、
私たち人類が生活できるのもこの大発明のおかげなので、感謝の気持ちを込めて書いたのですが
ある程度予想はしていたとはいえ、一般に関心を持たれなかったのにはかなり落胆しました。

純科学的なものがイマイチ関心を誘わないのは、日本が民生実用主義の価値観のため
応用研究重視で基礎研究軽視なことが影響していそうです。

科学技術・学術の現状について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu0/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2014/06/20/1348822_04.pdf

↑の8ページの研究費の政府負担割合の高さが基礎研究重視かどうかの
ある程度の目安となりますが、日本は主要国の中では最低です。
ロシアはグラフに載っていませんが7割弱で、日本とは逆に民生が犠牲になっています。

私が書いたYAHOO!知恵ノートも
・身長を伸ばす
・少子化
・北方領土
・セッ クスレス
・浮気・不倫
といったテーマはそれなりに閲覧数が多いので、実用性を意識したテーマで
閲覧者の注目をひいて科学への関心を高めるよう誘導する方が良いかなと思っています。

なお、当ブログは知識の宝庫となっているので、一般閲覧者への啓蒙やミームの進化に役立つでしょう。
Posted by ritiarno at 2016年10月29日 23:58
ritiarnoさま、
またまたコメントありがとうございます。

>マスキュリズム(Wikipedia)
>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
>メンズリブ(Wikipedia)
>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%AA%E3%83%96

ご紹介ありがとうございます。

マスキュリズムは徴兵制が男子のみということを
改善するのが重要課題のようですね。
ネットで見かける「弱者男性」が徴兵のお話が好きなのは、
その意味では「由緒正しい」ことになりそうですね。


>メンズリブも思想内容を見ると反フェミとは相性が悪そう

むかし、わたしのブログで「反フェミ」と「弱者男性」が
同時に来て、コメントしていたことがあったのでした。
やはり主張に対立は見られるようです。

意見が対立するのでおふたりで議論してはどうですかと勧めて、
専用エントリまで作って差し上げたのですが、
ふたりとも議論しなかったですね。
「弱者男性」は退散し、「反フェミ」は「それはそういう
ことじゃない」なんて言いわけしていました。

「来訪者議論用エントリ」
http://taraxacum.seesaa.net/article/411396666.html
Posted by たんぽぽ at 2016年10月30日 13:55
>当エントリの趣旨とずれてきましたが、大丈夫でしょうか…。

>”生命の神秘”シリーズについても論評ありがとうございます。

もしよろしければ、この話題について対談するための
専用エントリを作ろうと思っていますが、いかがでしょうか?

前に「さまざまな風俗のかたち」という対談用のエントリを
作ったことがありますが、それと同じような趣旨です。
http://taraxacum.seesaa.net/article/434879901.html
Posted by たんぽぽ at 2016年10月30日 13:57
たんぽぽさん、レスありがとうございます。

専用エントリについてですが、メインブログに「ミーム」についてのエントリを設けるのはいかがでしょうか。

何しろ、ゲノム以外の社会的に共有される情報すべてを指す概念で、
ほぼヒトに特有のものですし、生物学、文化人類学、社会学と特に関連深いですが、
それらに限らず宗教・思想・哲学・科学・技術・民族・風習など、学問横断的なテーマを扱えますし
さしあたって投稿内容のエントリずれを気にする必要もないです。

私が生命の神秘などの知恵ノートを書いたりするのは
閲覧者の科学リテラシー向上(ひいてはミームの進化)のために
微力ながら貢献したいという思いがあるのですよね。

私のためにエントリを作っていただくのも気が引けるので、
皆が気軽に参加できる雑談の場としても良さそうです。
Posted by ritiarno at 2016年10月30日 21:00
たんぽぽさま,ritiarnoさま
 お久しぶりです。
ritiarnoさまには先日またも過分のお褒めに預かりながら、お礼も申し上げず大変失礼致しました。
前回のコメントが中途半端なまま中断しているのを、気になりながらも何かと取り紛れている
間にも、ご考察は更に広く深化しているご様子にて、全てを追えてはおりませんがこの流れを
大変興味深く拝見しております。
(たんぽぽさま at 2016年10月23日 22:20)のあたりで本エントリの問題につきましては
おおよそのくぎりがついたものと私は思います。
以降はより広義のテーマに移行していることですし、直近のコメントの内容を本エントリ
で続けるのは少々そぐわないように感じます。
やはりritiarnoさまのお申し出の通り、独立した議論の場に移行するのが宜しいかと。

だいぶ周回遅れなので追いつけるかどうか?ですが、私も参加させて頂ければと思っております。
たんぽぽさまのご負担でなければ、…ですが(^^;
Posted by あやめ at 2016年10月31日 23:33
ritiarnoさま、コメントありがとうございます。

生命の神秘とミームをテーマにした、
対談用のエントリを作りました。

「生命の神秘・ミームの世界」
http://pissenlit16.seesaa.net/article/443294372.html


>私のためにエントリを作っていただくのも気が引けるので、
>皆が気軽に参加できる雑談の場としても良さそうです

もちろんだれでも対談に参加できるエントリという主旨です。
気楽にお考えいただけたらと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年11月01日 06:54
あやめさま、コメントありがとうございます。

>独立した議論の場に移行するのが宜しいかと
>ですが、私も参加させて頂ければと思っております

こちらに対談用のエントリを作りました。
遠慮なく参加していただけたらと思います。

「生命の神秘・ミームの世界」
http://pissenlit16.seesaa.net/article/443294372.html


>たんぽぽさまのご負担でなければ、…

わたしはいまのところだいじょうぶですよ。
Posted by たんぽぽ at 2016年11月01日 22:33
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