小泉政権以来の数値目標を2015年の暮れに断念した、
ということを、以前お話したことがあります。
「女性管理職30%の目標断念」
数値目標はより「現実的」なものに引き下げたのですが、
具体的にいくらに目標設定したのか、次の記事に出ていました。
「女性登用 「30%」政府断念 20年度目標、分野別数値に」
現状でも業種・分野ごとに女性管理職の割合が異なるので、
業種・分野べつに数値目標を設定しています。
10-20パーセント程度というケースが多いです。
国家公務員にいたっては7%で1けたです。
だいぶトーンダウンしたと言わざるをえないです。

30パーセントなら、欧米の民主主義国と肩を並べられそうとは言えます。
現在の日本でも全体の平均が10%程度ですから、
10-20%では欧米の民主主義国に追いつかないのはもちろん、
現状とくらべてもたいして増えたとは言えないです。
専門職・管理職の女性比の国際比較図。フィリピンはスゴイな。双系社会だからか。日本と韓国は仲良しの位置。 pic.twitter.com/cDVQ6NvDf3
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014年4月17日
かかるトーンダウンした数字でも、
2020年までに間に合うかという問題はあります。
全力を挙げて必死になってもハードではないかと思います。
今年は2016年、あと4年しかないです。
そしていままでの状況を見れば、女性管理職を増やすのに
きゅうに全力を挙げるとはとても思えないです。
トーンダウンした業種別の「現実的」な数値目標でも、
達成できない業種だらけになるのではないかと予想します。
指導的地位にいる女性の割合を高くしたいなら、
なにより国会議員の女性の割合を高くすることだと思います。
日本は国際的に見て、女性議員の割合が少ないからです。
自分たちが率先して行なうのは、全体の士気にも
影響するので大事なことだと思います。
安倍晋三首相は2014年3月に、女性議員の割合を
高くする措置はとくにしない、という答弁をしたのでした。
「国会議員にクォータ制導入を」
「首相、議員割当制に慎重」
安倍晋三首相は31日の衆院予算委員会で、国会議員に占める
女性議員の割合が低いと指摘されたが、「一気にいま、
何%(に上げる)とは言えない」と述べ、「改革」に慎重な姿勢を示した。
2016年5月には、女性議員を増やすための法案提出が、
自民党の反対派議員に阻まれることになったのでした。
「女性議員増法案提出できず」
「女性議員増へ足並み乱れ 超党派、法案提出できず
女性団体「政争の具、もうやめて」」
ところが、5月25日の自民党部会では慎重論が続出。
おもに男性議員から「『男女同数』という言葉はいかがか。
『男女の均衡』とか柔らかい言葉に直すべきだ」
「今日、初めて法案を見た。選挙のアピール合戦として
取り扱う話ではない」といった反対論が相次いだ
指導的地位にある女性の立場を増やすなんて、
なにより当の自分たちがやりたくないということです。
こんな調子では説得力も求心力もないというものです。
女性管理職の数値目標が達成できなくても、
無理もないことだと思います。
謝辞:
2015年12月28日エントリのコメント欄で、
毎日新聞の記事を教えてくださったritiarnoさま、
ありがとうございます。
わたしがエントリでリンクしていた記事と同じですね。
それなのになぜか、エントリに最初にリンクした記事は、
最後の数値目標の一覧がないです。