2016年09月07日

子どもの貧困率・国際比較

ひとり親世帯の貧困率というと、日本はOECDの中で、
親が未就労のときより就労したほうが貧困率が高くなる
ただひとつの国という、きわだった特徴が注目されます。

「ひとり親の子どもの貧困率」
「ひとり親世帯の貧困率」

日本は政府による再分配がまったく不徹底で、
本末転倒なことをしている国ということですから、
問題視するのは当然と言えます。

ここではほかの国ぐに、とくに貧困率の改善の程度が
大きい国について、見てみたいと思います。
いままで日本以外の国をほとんど見てこなかったこともあるからです。



「一人親世帯の子どもの貧困率」

一人親世帯の子どもの貧困率(2008年) 一人親世帯の子どもの貧困率(2008年)

親が働いている世帯の貧困率がもっとも低いのは
デンマークで5.1%、次はノルウェーで5.9%です。
フィンランドの8.6%は4位で、北ヨーロッパの国が上位を占めています。
北ヨーロッパは福祉国家であることがよく示される数字だと思います。

3位はイギリスで6.7%です。
サッチャー主義時代に、だいぶ福祉が攻撃されたとはいえ、
まだまださらに前の時代に福祉に力を入れたことの
遺産が残っている、ということでしょうか?
5位に南アメリカのチリ(9.4%)が入っています。
貧困率が1けたの国は、これら5か国です。


親が非就労から就労で、どれだけ貧困率が改善するか、
差分(上の表のa-b)が大きい国を、次に見てみます。
いちばん大きいのはギリシャで69.2ポイントです。
ついでチェコ共和国の68.4ポイント、
イタリアの64.8ポイントとなっています。

南ヨーロッパの国ぐには家族やジェンダーに関しては
因習的と言われますが、再分配はかなり浸透していて、
貧困率の改善はだいぶなされていると言えそうです。
これらの国ぐには親が非就労のときの貧困率が80%以上ときわめて高く、
それで改善の余地が大きいこともありそうです。

北ヨーロッパの国ぐには、親が非就労のときの
貧困率が40-50%程度となっています。
それゆえ60ポイント以上の改善がありえず、
差分(a-b)の大きい国に現れないことになります。


親が非就労から就労で、貧困率が何割に減ったか比を取る
(下の表のb/a)ことで、改善の程度を見てみることにします。
もっとも比が小さい、つまり貧困率の減少が大きい国は
ノルウェーで0.139、次がイギリスの0.140です。

ついでチリが3位で0.144、デンマークが4位で0.150と続いていて、
親が就労している時の貧困率の絶対値が小さい国が
上位を占めていることがわかります。
やはりこれらの国ぐには福祉国家であり、
再分配による貧困率の改善が大きい、ということなのでしょう。

6位はギリシャの0.151、チェコ共和国は0.187で8位であり、
差分(a-b)を取ったとき貧困率の改善幅が大きい国が、
次にランク入りしています。
7位はアイルランドで0.173です。
これら7か国が2割以下まで貧困率が下がる国ぐにです。

ひとり親世帯の子どもの貧困率(2008年) (1/2) ひとり親世帯の子どもの貧困率(2008年) (2/2)


posted by たんぽぽ at 22:37| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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