厚生労働省のプレスリリースで発表です。
「「平成27年度雇用均等基本調査」の結果を公表します」
”男性の育児休業取得者割合は過去最高の 2.65%” / “「平成 27 年度雇用均等基本調査」(報道用発表資料 )pdf” https://t.co/qw0I8LMBE3
— akupiyo (@akupiyocco) 2016年8月17日
「過去最高」と言っても、2.65%ですから微々たるものです。
女性の育児休暇取得率は2015年は81.5%、
2007年以降は80-90%程度の範囲を変動しています。
これと比べると男性の育児休暇取得率は「誤差程度」です。
男性の育児休暇取得率の、過去からの推移は以下のようです。
2011年に2.63%となり、2010年の1.38%から急増でした。
それで関係者は気をよくしてもいたようです。
「男性の育児休暇の取得率」
「男性の育休取得率が過去最高 2・63%と倍増」
最近は育児に熱心な男性が「イクメン」と呼ばれるなど、
男性の子育てのイメージが向上。
企業側も男性の育休を前向きに評価しつつあることが背景にありそうだ。
ところが2012年は1.89%とふたたび低下です。
気をよくしたのもつかの間だったということです。
そのあとは少しずつ上昇して、2015年は2.65%で、
ついに過去最高だった2011年を上回ったということです。
昨年閣議決定された「少子化社会対策大綱」では、
男性の育児休暇取得率を2020年までに13%にすることが目標です。
この数値目標の達成はとても無理でしょう。
今年を入れてあと5年で10ポイント以上引き上げるなんて、
これまでの上昇ペースからすれば、どう見ても不可能です。
「少子化社会対策大綱」
「少子化対策:原案…男性の産休取得率20年までに80%に」
男性向けの制度は乏しく、特に負担がかかる出産直後の女性を
ケアする社会的意識を高めるため、新たな数値目標を設けた。
20年までに、男性の育児休業取得率を13%(13年度は2・03%)
育児休暇を取得した男性社員。5年くらい前?の話です。
あいにく他部署で面識も無く詳しい事情は全然分かりません。
それなのになぜ知ってるかというと…
「ねえねえ!○○部の×××って子、育児休暇取ったんだって!男なのに!!」
という具合で巡り巡って耳に入りました(^^;
どうもウチではかなり珍しかった(約10年ぶり2例目目とかそんな感じ)
らしいです。
社内の反応がまたなかなか味わい深くて…
「そんな奴いるんだなーー!ビックリしたよ!」
「その子どんな子?仕事できるの?…なんかできなさそー…(笑)」
「へえー!何でだろ、奥さんいるのにねー?」
「ウチの○○は大丈夫かな?!確かあいつも子供産まれるんだよな…」
etc.
…こんな感じだったことを覚えています。
だから、2.65%っていう数字は確かに少ないですけど、
あの反応を思うと「よく頑張ってるなあ…」という感想を持ってしまいますね。
…目標値13%かあ…(遠い目)
>それなのになぜ知ってるかというと…
>「ねえねえ!○○部の×××って子、育児休暇取ったんだって!男なのに!!」
>という具合で
個人の私生活に関することで、そこまでうわさが広がるのは、
よほどのことだったのだろうと想像します。
そういう情報の伝わりかたをすることが、
男性が育児休暇を取ることが、いかに珍しいか、
そして風当たりが強いことかを、示していると思います。
>社内の反応がまたなかなか味わい深くて…
パタニティ・ハラスメントになりますよ。
一度、社内で研修が必要そうですね。
>2.65%っていう数字は確かに少ないですけど、
男性が結婚改姓するのと、あまり違いがない割合だと思います。
それだけに「珍獣」扱いされ、「男が屈辱に甘んじた」ように
思われるということだと思います。
>あの反応を思うと「よく頑張ってるなあ…」という感想を
ご本人はどうされたのかと思います。
嫌がらせとかされてたりしなかったかと、しばし心配です。
>目標値13%かあ…(遠い目)
いまのペースだと「順調」に進んでも5%を超えるかどうかでしょう。
ご本人はすでに元の部署に復帰しています。
>パタニティ・ハラスメント
と言うんですね。
この頃はまだ一般的では無く、「セクハラ」に含まれていたと思います。
「男なのに、なんで育児休暇取るの?!」
これはまさに、絵に描いたような男性差別ですよね。
私もこの発言自体にはかなり引きましたが、しかし正直(まあ、そう思う人が普通だよな…)とも、
ほとんど反射的に「何か特別な事情があるんだろう」と思ったことを正直に告白しておきます。
最も古い統計の0.12%はそういう「滅多にない事情」によるものでしょう。
(これ以前の%もそう変わらないと思います。)
”片親がなく、幼い子を施設にも身内にも預けずに手元で育てる父親”はかなりのレアケース
であることは現在もそう変わらないのではないかと思います。
そういう滅多にない事情を、あの当時の社会が「仕方無く」容認できる、その%が1%以下だったのだと。
そこから24年掛けて今回の2.65%に増えてきた訳ですが、この内訳には「特別な事情」ではない、
ただ普通に、「母親と共に自分の子の世話をする為に」育休を取得した人が多数いるのでしょう。
少ないとは言え、とても良い傾向だと改めて思いました。
まあ、少子化対策としては、すでに周回遅れも良いところなんですが…
Ps.よく考えたらこの話は色々差し障りがあったのでした。軽率でした。
以降は御直披にて。
>>パタニティ・ハラスメント
>と言うんですね。
>この頃はまだ一般的では無く、「セクハラ」に含まれていたと思います。
マタハラ、パタハラを意識するようになったのは最近ですね。
妊娠、出産、育児に関することはとくに偏見が強いので、
「セクハラ」から概念を独立させて強調する必要が出てきた
ということなのでしょう。
>「男なのに、なんで育児休暇取るの?!」
>これはまさに、絵に描いたような男性差別ですよね。
男性差別論者は声をあげるところですね。
声を上げるところを、あまり見かけないですが。
びっくりしたり、特別な事情があると思うのは、
ある程度はやむをえないと思います。
現在でも男性で育児休暇を取る人は、3%にも満たないですから、
それだけでじゅうぶん「特別な事情」と言えるでしょうし。
そこで「仕事できなさそう」とか思ってはいけないということです。
育児に熱心であることと、仕事の能力は関係ないですし、
そんな関連付けをしたら差別的発言になるわけです。
>そこから24年掛けて今回の2.65%に増えてきた訳ですが、
イクメンと言われて、男性の育児が認知されたように見えるけれど、
まだまだぜんぜんたいしたことないと言えますね。
それでも24年前の20倍になったので、
そう考えると「浸透してきた」ことになるかもしれないです。
>以降は御直披にて
こちらも拝読しました。
示唆的なお話だと思います。