明治安田生活福祉研究所の結婚や恋愛に関する調査を見たのでした。
「2016年 20~40代の恋愛と結婚」
「20~40代の恋愛と結婚 -第9回結婚・出産に関する調査より-」
この調査には夫婦別姓に関する設問もあります。
これを見てみたいと思います。
「結婚に関するさまざまな意識」という項目で、
4つ目が夫婦別姓の是非に関するものです。
対象は20-40代で、男女別、未婚、既婚の別にわけています。
男性で「夫婦別姓には賛成だ」と答えたかたはほぼ4割です。
女性はマリッジステートによる差が多少あって、
未婚は47.4%と5割近いですが、既婚は37.2%となっています。
全体を平均すると4割より少し多いくらいです。
研究所の資料にもあるように、既婚女性はすでに
結婚改姓しているので、婚姻前の苗字に戻すほうが
かえって負担が大きくなることもあるのでしょう。
この調査、お気づきのかたもいらっしゃると思いますが、
1. 自分が夫婦別姓にしたい
2. 自分の希望と関係なく、制度として選択的夫婦別姓に賛成
のどちらを訊いているのかが、判然としないのですよね。
回答したかたも1.だと思ったかたと、2.だと思ったかたの
両方が混じっているのではないかと思います。
1.にYesと2.にYesのかたの割合は、大きく差があります。
どちらかをはっきりさせないと、数値が大きく変動することになります。
たとえば、2015年12月の東京新聞のアンケートを見ると、
「自分は夫婦同姓がいいが、選択的夫婦別姓は賛成」
というかたは、男女とも5割以上を占めています。
5割以上を占める彼らは、設問を1.と考えればNo、
2.と考えればYesと回答することになります。
「東京新聞・別姓のアンケート」
「夫婦別姓 多数容認 本紙アンケート7940人回答」
上述の東京新聞のアンケートでは、
1.に賛成するかたは男性の13.7%、女性の28.7%で、
2.に賛成するかたは男性の7割、女性の9割となっています。
2015年3月の既婚女性対象の日経新聞の調査では、
1.に賛成は15.8%、2.に賛成は77%でした。
「働く既婚女性に別姓の調査」
「選択的夫婦別姓」本社調査 働く既婚女性「賛成」77%」
これらを考えると、1.と2.の両方が混じっていると
思われる状況で、夫婦別姓に賛成が4割程度というのは、
こんなものだろうかと思います。
関連エントリ:
「結婚願望と交際経験の減少」
「結婚願望と交際経験の減少(2)」
「社会が混乱に陥る」
「日本が破壊する」
「婚姻制度が破壊する」
「子供がいじめられる」
という意見は非現実的ですよね。
半数以上が「他の方が別姓にしていても「かまわない」のですからね。
>この調査結果を見ると、反対派が言う
反対派の主張なんて、しょせん妄想ですからね。
はじめに結論ありきの「カルト」です。
反対派に言わせると、「ほかのかたが別姓でも構わない」と
考えるかたが、「わかってない」ことになるのでしょうけれど。
>半数以上が「他の方が別姓にしていても「かまわない」のですからね
東京新聞の調査の女性の9割以上が賛成というのは、
ほぼ全員が賛成と言っていいレベルですよね。
実は反対派こそ少数派というものです。