2016年08月01日

雇用差別禁止法(ENDA)のメモ


「ヒラリー」がアメリカ合衆国の性的少数者に関する
雇用差別禁止法(ENDA)について、次のコメント欄で語っています。
これを見てみたいと思います。

「イギリス国民の選択と怒り」
たんぽぽさんは同性婚についても日本は遅れていると。
でも、本質的に遅れている大国がありますね。米国です。
米国において29州が同性婚どころか、
その人が同性愛者だという理由をもって企業はその人を解雇できる法がある。
恐ろしい話です。

(26. ヒラリー 2016年07月06日 08:03)


ENDAについては、メインブログの8月1日エントリでお話しています。
「同性愛者だという理由をもって企業はその人を解雇できる法」なんて
「ヒラリー」は言っていますが、これは不正確です。

「性的少数者に対する雇用差別を禁止する法律がない」であり、
「性的少数者と言うだけで解雇しても違法にならない」が正確です。
アメリカ合衆国の27州はこの「差別禁止の法律がない」です。
雇用における差別を法律で定めているのは2州だけです。

The next fight for LGBT equality

日本でも性的少数者というだけで、雇用差別を受けることはあります。
「ヒラリー」のいわゆる「恐ろしい話」は、
日本にも現実のこととしてあるわけです。

日本では性的少数者に対する雇用差別を禁止する法律はないし、
法律を作ろうとする動きも顕在化していないです。
上述のアメリカ合衆国の27州と同様ということです。

「同性愛者という事で、会社は社員をクビに出来る」
ゲイの知人で、ゲイである事が会社にバレてしまい、
それが人事にも伝わり、自主的に退職するよう言われた、 との事。

「『性的少数者が働きやすい職場をつくるために』(その2)」
面接官にカミングアウトしたら就職試験を受けられなかった、
性別の変更をしたいと人事に申し出たら対応出来ないと言われて解雇された、
そんなトランスジェンダーの事例は驚くほど沢山ある。


アメリカ合衆国では、州レベルとはいえ全体の約4割の州で、
性的少数者に対する雇用差別を禁止する法律があります。
下院だけとはいえ2013年にENDAは可決していますし、
2014年には大統領令も署名されています。
多くの企業が性的少数者の雇用を保障する成文規定を定めています。

「ヒラリー」は日本とアメリカ合衆国の比較をしていますが、
ENDAに相当する法律を作る動きがなく、
首相も政権も性的少数者の権利に理解のない日本よりは、
アメリカ合衆国のほうがずっと、性的少数者の権利は
認められていることになるでしょう。

「LGBTについての自民基本方針」
「LGBTの差別解消に「慎重」」
「自民党の性的少数者排除」


「ヒラリー」が日本と他国の比較をしているので、もうひとつあげておきます。
欧米の民主主義国では、企業が性的少数者の権利を
保障するのは当然となっています。
すでに同業他社間で、どちらが性的少数者の
権利保障をしているかを競争をするレベルです。
この点では日本企業はすっかり乗り遅れていることになります。

http://www.jinken-net.com/close-up/1401-2.html
欧米では、こうした問題に対応するために、
企業が性的少数者のための施策を行うのは、すでに主流になっている。
2012年、アメリカの経済誌フォーチュンが選ぶ
「働きがいのある最良企業100社」の全社で、
性的指向を含むあらゆる差別を排除する成文規定があると報道された。

ポリシーだけではなく、具体的な施策も進んでいる。
福利厚生で同性のパートナーを異性と同じに扱う、
トランスジェンダーに必要な医療を保険でカバー出来るようにする、
社員の意識をモニタリングする、地域のイベントに会社として協賛する、
性的少数者向けの就職相談会を行う等の取り組みが行われている。

これらの企業は、単に人権、社会正義という理由だけで
対応を行っているのではない。対応を行わないと訴訟に負けて損をするから、
対応を行う事でグローバルな人材獲得競争で優位に立てるから、
消費者としての性的少数者に好感を与えることで
商品やサービスの競争力が増すから、
実利があるから積極的に対応しているのである。

少なくとも欧米では、もう性的少数者への対応をするかどうかという段階ではない。
同業他社と比較して、どれだけ対応を進めているかという企業間競争の段階である。
残念ながら、日本企業はこの流れに完全に乗り遅れてしまっている。


関連エントリ:

「雇用差別禁止法(ENDA)のメモ」


posted by たんぽぽ at 23:56| Comment(0) | 法律一般・訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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