2016年07月26日

都知事選・保育と貧困政策

7月31日の東京都知事選の主要3候補者(増田、小池、鳥越)の
保育や貧困対策についての政策比較があります。
静岡大学の石原剛志氏が作成したものです。
これを見てみたいと思います。

「都知事候補者の保育・貧困への政策比較」



上記ツイートで「小池氏に甘いと思われ」ると
言われている、駒崎弘樹氏のものはこちらです。

「都知事選候補者の子育て支援政策を比較してみた」

都知事選候補者の子育て支援政策を比較してみた

両方を見比べるとだいぶ印象が違っています。
石原氏の表を見ると、3人の中でまともなのは鳥越俊太郎で、
小池百合子はほぼ論外に近いという感じです。
駒崎氏の表を見ると、小池百合子がいちばんまともそうに見えます。

石原氏と駒崎氏とで、小池百合子の評価が異なる
大きな要因として、待機児童対策があります。
小池百合子は保育所の規制緩和、たとえば子どもひとりあたりの
面積をもっと狭くするといった「詰め込み」で解決を
図ろうとするので、石原氏による評価が低くなっています。


日本の保育所の基準は、欧米の民主主義国と比べて甘く、
子どもひとりあたりの面積もずっと狭くなっています。
この状態でさらに条件を甘くするのは、
子どもの危険も増えて、リスクがあることになります。

「保育所が増えない理由」

いくら待機児童を解消するためとはいえ、
保育の質をこれ以上下げることに抵抗があるかたは、
小池百合子に対する評価が低くことになります。

自民党はもともと待機児童対策として規制緩和を主張しています。
自民党出身の小池百合子が、規制緩和を公約にするのは、
さもありなんというかごもっともなことだと言えます。

「保育問題・各党のスタンス」


小池百合子の公約にある「保育オバ」とはなにかと思います。
駒崎弘樹氏の記事でも「意味不明」と言っています。
小池百合子はこの分野について、
あまりよくわかっていないのではないかとも思います。

http://www.huffingtonpost.jp/hiroki-komazaki/election-politics_b_11061834.html
また「保育ママ」「保育オバ」を活用、とありますが、
保育ママは家庭的保育という国の制度で存在しているのですが、
「保育オバ」というのは意味不明です。
おそらくは地域の子育て経験者等、中高年を指しているのだと思いますが、
そうした方々は現在はファミリーサポートセンター等において
ある程度活躍されているので、もしそうだとしたら
あまり目新しさはありません。


貧困対策に関しては、「子ども食堂の活用」を主張している時点で、
小池百合子は底が知れていると思いました。
「支援」ならまだしも「活用」ですよ。


税金を投入して政策として貧困問題の解決を図るのが
行政の役割ですから、それをボランティアに便乗するのは、
ある意味「なにもしていない」と言えます。
そのボランティアも自民党が支援を削減したから
始まったとものだというのですから、
どこまで「ヒッチハイク」するつもりなのかと思います。

公的支援を削減して、寄付やボランティアで
まかなおうとするのは、自民党らしい発想ではあります。

「貧困対策で政府が寄付募集」
「子どもの貧困基金・寄付低調」



付記:

3候補者の公約。

増田寛也
http://www.h-masuda.net/policy.html

「あたたかさあふれ、お年寄りも子供も安心できる東京の実現」 (増田寛也)

小池百合子
https://www.yuriko.or.jp/senkyo/kouyaku.pdf

女性も、男性も、子どもも、シニアも、障がい者も、いきいき生活できる、活躍できる都市・東京 (小池百合子)

鳥越俊太郎
http://www.shuntorigoe.com/pg_tochiji.html

「あなたに 都政を 取り戻す」「都民の不安を 解消します」 (鳥越俊太郎)


posted by たんぽぽ at 23:13| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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