日本会議が力を持つようになったのは
「オンナコドモのことはくだらない」と思って
放置してきた一般社会の責任でもあるのでした。
「菅野完さんの、日本会議がやってきたことは『女子供は黙ってろ』運動だ」
(はてなブックマーク)
かかる一般社会の姿勢を示す一例として次のツイートがあります。
さらに続ける。「慰安婦報道でさえそうですよね?慰安婦報道は、どちらのサイドからのものであれ、『論争報道』になっている。『日本の言い分が正しい。いや韓国が正しい』と。しかしこれ、完全に『女性の人権』って観点抜けてますよね?そういう報道ないですよね?」と。
— 菅野完 (@noiehoie) 2016年7月1日
慰安婦問題については、史実派は人権問題ととらえ、
否定派はナショナリズムの問題ととらえることは、
ときどき言われることだと思います。
このような認識の違いが起きる原因はいくつかあるでしょうが、
上述のような慰安婦問題を女性の人権問題として扱わない
メディアの書きかたもそのひとつではないかと思います。
ちゃんとした著作で慰安婦問題を勉強したかたは、
適切な理解をするので当然「史実派」になります。
そうした著作は慰安婦問題を女性の人権問題として扱うので、
読者も慰安婦問題を人権問題と考えることになります。
もともと慰安婦問題には関心がなかったけれど、
最近の排外・国粋主義的風潮の中で、にわかに慰安婦問題に
関心を持った人も否定派の中には多いだろうと思います。
そのような人は、ちゃんとした著作を読まず、
マスコミ報道やネットの断片的な情報から
慰安婦問題に入っていくことが多いと思います。
そうした彼らの目につくマスコミ報道は、女性の人権という視点に立たず、
ナショナリズムの対立問題として書いているものです。
かくして「慰安婦問題とはナショナリズムの問題」と、
彼らは認識するようになるということです。
最近にわかに慰安婦問題に関心を持った人というのは、
否定派というほど歪んでいなくても、
一般の人の中にも結構いるのではないかと思います。
「慰安婦問題はナショナリズムの問題」という認識が、
一般のあいだで漠然と広まっていることが考えられます。
関連エントリ:
「日本会議・ミソジニーの本質」