2016年07月09日

子育て支援に対する本性?

自民党の稲田朋美政調会長が、子育て支援を始めとする
公的支援について、すさまじい見解を披露していました。
7月4日の札幌での講演で出た発言です。

「「日本死ね、言っている場合じゃない」 自民・稲田氏」
(はてなブックマーク)
「子育て支援政策、自助か共助か 稲田氏・山尾氏が論戦」
(はてなブックマーク)

問題の発言を全文引用しておきます。



■稲田朋美・自民党政調会長

1億総活躍社会はどんな社会ですか? 
日本はGDPの200%もの借金を抱える借金大国。
あれせえ、これせえ、と言ったってできない。
あれかこれか、優先順位を付けてしかできない。
それを、あれしてくれなきゃ活躍できない、これしてくれなきゃ活躍できない、
国はあれもこれもどれもこれも、やれと。
それもできないなら日本死ね、なんて言っている場合じゃないんだと思う。

みんなでこの国をよくする運動が1億総活躍社会ですね。
私たちは、国だけに任せるんじゃなく、自分だけが幸せだけじゃなく、
みんなが幸せで初めて幸せだと感じられる民族だ。(札幌市での講演で)

自助でどうにかできることなんてとっくにやりつくしていること、
行政による支援がなければ子どもを育てられないことが、
どうしても理解できないのでしょう。
「日本死ね」なんてその悲痛な叫びだと思うのですが、
それでもわからないし、わかろうとしない人はいるということです。

稲田朋美のような人は、ぜいたくしたくて国に支援を
要求している、くらいの認識なのだと思います。
これが本性ということでしょう。
稲田朋美だけでなく、自民党の本性だと思います。
そしてこういう福祉観の人は、世間一般にも多いのだろうと思います。

こうした「自助あっての共助」という考え方は安倍首相らに共通する。
首相は2013年2月の施政方針演説で
「誰かに寄りかかる心を捨て、それぞれの持ち場で、
自ら運命を切り開こうという意志を持たない限り、
私たちの未来は開けません」と訴えた。


自民党の選挙公約のトップページには
「子育てや介護への不安をなくし、女性や若者の活躍を応援する」
という記述があります。
公約と矛盾する考えを政調会長がはっきり言うあたり、
自民党の子育て支援の公約はたいして信用できない
ということを、改めて示したと言えます。

「さあ、 一億総活躍社会へ!」
「日本死ね、言っている場合じゃない」 自民・稲田氏:朝日新聞デジタル

自民党の選挙公約に書いてある「子育てや介護への不安をなくし、女性や若者の活躍を応援する」とは一体なんだよ

2016/07/04 23:34


「あれかこれか、優先順位を付けてしかできない」というのは、
子育て支援、家族政策は優先順位が低いと、暗に言っているようです。
ここにも「オンナコドモのことはくだらない」という、
日本社会全般に蔓延する思想が垣間見られます。

「日本会議・ミソジニーの本質」



「みんなでこの国をよくする運動が1億総活躍社会」なんて
言っているあたり、「1億総活躍社会」というのは
「みんなが自助努力する社会」という意味になるようです。

「1億総活躍社会」というのは、だれもが活躍できるために
国が支援するということだと、さすがに思っていましたよ。
とんだ倒錯と言わざるをえないです。
そもそも「みんなが自助努力」なんて、国が政策として
かかげる意味がないことだとは思わないのかと思います。



「日本はGDPの200%もの借金を抱える借金大国」とも
言っていて、稲田朋美は財政再建主義者のようです。

「経済がわかる安倍政権」と「経済音痴の民主党政権」を
対比させるむきが、とくにアベノミクスや自民党の支持者に見られますが、
実は自民党にも「経済音痴」はいるということです。
というより、安倍晋三が特例なだけで、
自民党もおおかたは「経済音痴」なのだと思います。



付記1:

朝日の記事には、他党の議員の子育て支援に関する見解も示してあります。
ここに引用しておきます。
2月の国会審議で匿名ブログの訴えを取り上げた
民進の山尾志桜里政調会長は5日、松山市での演説で
「安倍政権の『子育て支援を頑張る』との言葉は口先だけで中身は空っぽ。
自分の努力で何とかしてみろというスタンスは私たちとは違う」と強調。

蓮舫代表代行も、名古屋市での演説で「子育てや介護は
社会全体で支えていこうと政治は変わってきた。
自己責任ということで、今また女性に押しつけられようとしている」と批判した。

一方、公明党の山口那津男代表は保育の受け皿拡大を主張し、
先月22日の演説では「若者や女性がもっと活躍できる
社会の基礎を築いていく」と訴えた。

共産党の志位和夫委員長は3日、京都市での演説で
「認可保育所や保育士の数が足りない。
国の責任で30万人分の認可保育所をつくっていく」と述べ、
待機児童の解消は主要な課題との考えを示した。


付記2:

朝日の記事は、待機児童対策に関する選挙公約も出ています。
これも引用しておきます。
■9党の待機児童対策に関する参院選公約
自民:保育の受け皿を2017年度末までに50万人分増やす
民進:保育士らの月給を5万円引き上げ、保育の質と量を確保
公明:小規模保育や事業所内保育などの新たな受け皿を拡大
共産:30万人分(約3千カ所)の認可保育所を緊急増設する
おおさか維新:保育所を自治体の基準で柔軟につくれるようにする
社民:認可保育所の大幅増、保育士の月給の5万円引き上げ
生活:保育士育成の充実、待機児童ゼロをめざす
日本のこころ:育児休暇制度の充実、保育士への支援拡大
改革:幼稚園・保育園の増設、無料化の検討


付記3:

メインブログの7月8日エントリでご紹介の記事で、
最後にフローレンスの駒崎弘樹氏が、子育ての現状を
「竹やりでB29を落とせと言うようなもの」と言っていました。

「「(2016参院選 アベノミクスを問う:3)
「保育園落ちた」遠い政治 予算、高齢者向けに偏重」」

保育事情を手がけるNPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事(36)は、
今月13日に都内で開かれたシンポジウムで憤りをあらわにした。
「子どもにお金を使わない国で少子化対策なんか進まない。
気合いで、竹やりでB29落とせと言っているのと同じですよ。

このたとえはちょっと大げさだとは思いますが、
それでも子育てはこれ以上自助では困難なこと、
そして政府は相変わらずその困難なことを要求していることを
端的に言い表していると思います。

このような無茶な精神論を振り回すのが好きなところは、
日本人は太平洋戦争のころからあまり変わってないようです。


posted by たんぽぽ at 19:48| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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