2016年06月26日

ハンガリー・新憲法反対デモ

2012年になされたハンガリーの新憲法施行に反対する
デモについての報道があるので見てみたいと思います。
2012年1月4日のCNNです。

「ハンガリーで新憲法反対の大規模デモ、首相退陣を要求」
(はてなブックマーク)

CNNの記事は短いので全文引用します。


ハンガリーで1日から施行された新憲法に対する批判が強まっている。
2日に首都ブダペストで開かれた抗議デモには数万人が集まり、
オルバン首相の退陣を要求した。

抗議デモは、新憲法を非民主的だと批判する
野党や市民団体の呼びかけで開かれた。
参加者はオルバン首相らが出席していた新憲法制定祝賀会場の
オペラハウス前に集結し、同首相を「独裁者」と批判するなど
5時間近くに及ぶ抗議活動を展開。
首相らはデモ隊を避けて裏口から退出した。

新憲法はハンガリーの正式国名から「共和国」の名称を取り去るとともに、
人の一生は妊娠した時から始まると定義した条項や、
結婚は男女間のものと定めた条項が盛り込まれた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、
こうした条項が人権侵害に当たるとして批判。
さらに、終身刑の受刑者が仮釈放を認められない可能性や、
性的指向に基づく差別禁止が盛り込まれなかったことについても
懸念を表明している。

ハンガリーでは政府が制定したメディア規制法や与党に有利な選挙法、
ホームレス禁止法などの新法をめぐり、昨年から抗議デモが相次いでいた。


「人の一生は妊娠した時から始まると定義」というのは、
妊娠中絶の禁止を意識したものだと思います。
中絶をご法度にしたがるのも、家族やジェンダーに関して
因習・反動的な人たちにありがちなことです。

日本の場合は、安倍政権の閣僚だった有村治子は、
「天使のほほえみ」という堕胎根絶を掲げるNPO法人で
中絶に慎重になるべきという講演を行なったことがあります。

「「女性活躍担当相」有村氏はどんな人? 「夫婦別姓」に反対の立場、中絶にも慎重」
2009年には「堕胎根絶」などを掲げるNPO法人「天使のほほえみ」で
講演も行っていて、中絶に慎重な姿勢を示していた。

「有村治子議員講演要旨」
今日本では年間100万人の子供が生まれている。
それに対し、中絶は報告されているだけで、25万人いる。
この事を政府は一切言及していないのが、とても悔しい。 


「結婚は男女間のものと定めた条項」、
「性的指向に基づく差別禁止が盛り込まれなかった」
というのは、同性愛差別を残そうというものです。
同性結婚を否定するのも因習・反動的な家族・ジェンダー観を
信奉する人たちにはありがちです。

欧米やオセアニアの民主主義国では次つぎと
同性結婚を法制化する国が出てきています。
もっとも遅れていて人権裁判所から制裁を受けていた
ギリシャとイタリアでも認められるようになりました。
そうした中で、ハンガリーは逆行しようということになります。

「ギリシャの同性結婚雑感」
「イタリアで同性結婚法案成立」

日本でも自民党は「性的少数者の問題は、人権問題として
扱わなくてよい」などとアンケートで答えるくらいです。
自民党ではもっとも「理解のある」議員でさえ、
現行憲法24条の「両性の合意」を同性結婚を禁止したものだ、
などと解釈するくらいです。

「自民党の性的少数者排除」
「LGBTについての自民基本方針」


ハンガリーの新憲法について、アムネスティが懸念を表明しています。
それくらい人権尊重から後退したものだということです。



CNNの記事は新憲法に抗議するデモを取り上げていて、
時代に逆行する反人権、反立憲主義の憲法に反対する
声はそれなりに強かったことがわかります。
それでも反対運動のかいなく、新憲法は施行され
4年以上経過した現在にいたるということです。

日本でもシールズを始め、自民党の憲法草案に反対する
運動はいくつもありますが、それにもかかわらず、
安倍政権は改憲を実現させる可能性はある
ということを示していると言えます。

ハンガリーの新憲法施行は2012年1月で、
安倍晋三が政権を取る前だったということです。
それにもかかわらず日本の有権者たちは、
2013年の衆院選、2014の参院選と自民党を大勝させ、
憲法改正に近づいていったことになります。
ハンガリーの例は教訓とはぜんぜんならなかったということです。



関連エントリ:

「ハンガリー・反立憲的新憲法」


posted by たんぽぽ at 09:20| Comment(0) | 法律一般・訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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