2016年06月24日

日本会議・家族保護条項

メインブログの6月24日エントリでお話した、日弁連が主催した
民法改正の院内集会に参加したかたのインタビュー記事の続き。

「憲法改正の論点は9条だけじゃない 結婚や男女平等のあり方にも影響?」
(はてなブックマーク)

日本会議のブックレットでは「家族保護条項」を入れることを
主張していて、これが自民党の改憲草案にある
「家族は、互いに助け合わなければならない」と一致する
という指摘があります。


このブックレットでは「日本は昔から家族を大切にしてきた国」として、
「家族保護条項」を憲法に追加することも提案している。
この主張は自民党の改憲草案とも一致している。
この草案は、憲法24条に次のような文言を加えている。

「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。
家族は、互いに助け合わなければならない」

家族を「縦の系譜を意識する共同体」と捉え、それを日本の伝統と位置づける。
そうした考えが、憲法24条改正の動きの背景にあると山口さんは分析する。

日本会議のような、家族やジェンダーに関して
因習・反動的な人たちが主張する「日本の伝統的な家族」は、
高度経済成長期に浸透した「家族思想信仰」のことであり、
かかる「信仰」の維持と強制を「家族を大切にする」と表現します。

「伝統的価値観・きずな・一体感」

自民党の憲法草案にある24条に付け加えられる
「家族は、互いに助け合わなければならない」というのは、
「家族思想信仰」のことだというのは、メインブログでも触れています。
日本会議のブックレットは、それをもっとはっきり言ったことになります。

「自民改憲草案・家族の助け合い」


自民党の草案Q&Aでは「家族は、互いに助け合わなければならない」
という文言は、世界人権宣言の16条3項を意識したものであり、
「家族のために個人がある」という考えではないと弁解しています。
自民党の公式のメディアでは外向けに取り繕うことでも、
日本会議のメディアではより正直で、遠慮がなくなるようです。

q19 家族に関する規定は、どのように変えたのですか? ? ? ? 家族に関する規定は、どのように変えたのですか? q20 現行24条について、「家族は、互いに助け合わなければならない」 ? という一文が加えられていますが、そもそも家族の形に、国家が ? 介入すること自体が危ういのではないですか? ? 介入すること自体が危ういのではないですか?


もし、こうした改正がなされれば、子育てや介護や生活保護などの社会保障制度、
結婚・離婚など、日常生活に大きな影響が出るでしょう」

24条の改正は民法改正の実現が困難になることはもちろん、
社会保障の削減の正当化に使われかねないということは、
識者のあいだでときどき指摘されることです。
「家族の助け合い」の名のもと、公的な福祉を削って、
家庭内で扶養することを要求する可能性があるからです。

「自民改憲草案・扶養義務」
「憲法24条と社会保障」


憲法改正をめぐる報道は、9条に集中しがちだ。
それが様々な論点を覆い隠すことにつながる。

これはわたしもしばしば思うところです。
9条は日本人のアイデンティティにも関わることなので、
どうしても関心が集中するし、それはそれでやむをえないと思います。

自民党の改憲草案は9条だけではなく全体におよんでいます。
9条の改正よりずっと問題や危険のある条項の改正も
たくさんあるだろうと思うし、とくに24条は家族やジェンダーに
関係するので、より生活に関わることに影響が出ると言えます。


「家族保護条項は、右派団体が挙げる憲法改正の重要課題に必ず入っています。

家族やジェンダーに関係することは、因習・反動的な主張を
展開する人たちのほうが熱心だと、わたしは思います。
神道政治連盟や日本会議が行なう、選択的夫婦別姓の実現を
阻止するためのロビー活動の規模と影響力は、
莫大なものがあると思います。

自民党が下野したときも、選択的夫婦別姓の反対を始め、
家族保護条項に関することを、シンポジウムや
勉強会のたぐいでしばしば主張していました。
2010年の参院選では、自民党ははっきりと、
選択的夫婦別姓の実現の反対を公約にしていました。

「夫婦別姓は家族解体が目標?」
「岩城光英の民法改正の見解」
「えらぼーと(2)」

リベラルな主張をする人たちは、家族やジェンダーに関して
ここまで熱心かつ大規模には動かないように思います。
家族やジェンダーに関することは「小さいこと」と思われがちなことや、
リベラルでも男性識者は家族やジェンダー問題に関して
うとくなることがあるだろうと思います。

「争点にならない女性政策」



関連エントリ:

「憲法24条と望まない結婚」



posted by たんぽぽ at 23:30| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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