2016年06月17日

性嗜好障害(性依存症)のメモ

メインブログの5月19日エントリのコメント欄における
議論で出てきた「性嗜好障害(セックス依存症)」について、
簡単に触れておくことにします。

「セックス依存症を知ろう!症状や原因・治療法は?
なりやすい人の4つの特徴と依存症の男性の見抜き方」

「性嗜好障害(性依存症)とは?」
「性依存症を克服するための12ステップをチェック」
「セックス依存症は心の病!X-ファイルの俳優も治療したその病気とは?」



>メカニズム

性嗜好障害のメカニズムは、ドーパミン快感回路の強化です。
性的快感を経験してドーパミン快感回路が強化されると、
その快感を再度得たいために、脳が性行動を要求するように
なることから依存症へと進行することになります。

https://welq.jp/19488
セックス依存症は、重度の薬物依存症と同じメカニズムであると言われており、
その実態については薬物依存症と同じく
とても深刻な症状であると言われています。

セックスの快楽の源は、ドーパミン快感回路の活動であり、
一度その強烈な「性的快感」を覚えると、
ドーパミン快感回路が強化されてしまうために、
脳が再度その快楽を得たいがために、セックスを要求するようになります。


>原因

原因は人間関係によることが多いです。
肉親からの愛情不足
人間不信
幼少期の性的虐待
性ホルモンのバランス異常
といったことがあります。

具体的には、子どものころの家庭環境や、学校でのいじめが多いです。
セックス依存症の原因は、家庭環境にあるといわれています。
両親からの愛情を得られないまま成人になってしまった方が、
発症することが多いそうです。
無意識のうちに、心のどこかで、幼い頃に与えて貰えなかった愛情を
強く求めてしまい、それが、セックス依存症に繋がっていくそうです。

2014年7月20日の神奈川新聞を見ると
30代男性の性嗜好障害のかたを取材しています。
このかたは自助グループに参加するほかのかたたちを見て、
やはり彼らも人間関係に原因があることに気がついたとあります。

「性犯罪 再犯繰り返す加害者、求められる対策は」

30代男性は自助グループに参加し、あることに気付いた。
他の依存症も含め、多くの患者に共通するのが、
両親の不仲や虐待、いじめなど心に傷を抱えていることだ。


>症状

性嗜好障害の症状として以下のものがあります。
性的メディアに対する異様な執着や売買春に手を出すことが特徴的です
セックス依存症の対象とは?
自慰行為
ポルノへの異常な執着
インターネットを介した性的な内容のチャット
買売春
露出や覗き行為

さらに重度になると、こうしたことにとどまらなくなって、
性犯罪に手を染めることにもなります。

http://megalodon.jp/2014-0721-1728-43/www.kanaloco.jp/article/74917/cms_id/92381
首都圏に住む50代男性は性犯罪を重ねてきた。
中学時代に父親の異なる妹に、高校時代には遠戚の男児にわいせつな行為をした。
20代になると男児への執着が強まり、違法な児童ポルノを収集。
海外まで男児の買春に行ったこともある。
罪悪感を抱えながらも止められない。
「このままでは駄目だ」と葛藤していた十数年前、
男児への強制わいせつ未遂事件で逮捕されたことが転機となった。


>治療

疾患ですから医療機関による治療を要することになります。
具体的にはカウンセリングや、治療施設への入院があります。

http://spotlight-media.jp/article/129815808624144219
セックス依存症の治療は、心の病気のため、
カウンセリングを受ける必要があります。
治療院としては、メンタルクリニック、心の診療科、精神科、
依存症専門施設、カウンセリング専門施設などで、
根気強く治療を続ける必要があるそうです。

性犯罪に走るほどの重度の患者は、施設への入院や
カンセリングだけではふじゅうぶんなようです。
さらに社会の一員としてのアイデンティティを持てるようにする
必要があること、その中でとくに効果的なのが就労支援だと、
神奈川新聞の記事で指摘されています。

http://megalodon.jp/2014-0721-1728-43/www.kanaloco.jp/article/74917/cms_id/92381
再犯防止に効果的なのが就労だ。
浜井教授は「特に日本では、就労は社会で認められ、
自身の存在価値を実感できる基盤になる。
社会の一員だとアイデンティティーを持つことができれば
再犯のブレーキになる」と指摘する。
生活の糧でもあり、性依存症からの回復を目指す男性は
「生活が成り立たなければストレスを感じ、
性衝動を抑えられなくなる可能性もある。
生活の安定が再犯の歯止めになる」と訴える。


>メインブログのコメントについて

メインブログの5月19日エントリで議論になって、
性嗜好障害について誤解を招きそうなことに
なりかねないと思ったので、わたしはこのエントリを書いたしだいです。

「ポルノと性暴力との関係(3)」


以下いただいたコメントについて、簡単に触れておきます。

○再犯防止に就労支援が効果的
ここの主張と、レ イプ犯が普通の人という
たんぽぽさん紹介記事の主張とは食い違っていませんか。
https://niben.jp/or/ryosei/gender/info/1_seiboryoku.pdf

(2016年05月29日 01:31)

性嗜好障害のかたが「ふつうの人でない」という
考えかたには、わたしは賛同できないです。
条件さえそろえばだれでも罹患しうる病気だと思います。
社会的地位のある有名人の中にも性嗜好障害のかたはいます。

https://welq.jp/19488
セックス依存症と言われている著名人は?
タイガー・ウッズ
ビル・クリントン
マイケル・ダグラス

リンクしているPDF記事で「性犯罪者は普通の人」と書いているのは、
「性犯罪者は一般の人たちとは異質」という固定観念を意識しています。
具体的には
その男は意地悪そうな顔つきをしていて、何か武器を持っている。
彼は、まるで捕食者のように被害者のことを語り、
公園や夜道で女性を襲ったり、女性の家に押し入たりする。
彼らは、女性を身体的に痛めつけ、精神的に傷つける。
のような、性犯罪者に対するステレオタイプです。

そうではなく「性犯罪者はわたしたちの隣人と大差ない」と
喚起するために、「性犯罪者は普通の人」と言うということです。


性嗜好障害者も性犯罪をする可能性があり、
かつポルノ閲覧で犯罪をしない時期があったということですね。
たんぽぽさんが主張していた性犯罪者のタイプとは明らかに異なります。

(2016年06月04日 08:55)

症状が比較的軽いうちはポルノを閲覧しているが、
症状が重くなると性犯罪に手を出すということです。
ポルノを閲覧していれば性犯罪に走らずにいられる、
ということではないです。

「症状が比較的軽いからポルノやAVを観る」のであって、
「ポルノやAVを観るから症状が進行しない」のではないです。
原因と結果の取違えだと思います。


>あまり多くは知られていませんが、「セ ックス依存症」とは、
実際には男性にも女性にも多いようです。
https://welq.jp/19488

ここまでの事実から「性犯罪の抑制にポルノは有効である」と言えませんか。

(2016年06月04日 08:55)

性嗜好障害のかたにポルノ閲覧を進めたら逆効果で、
ますますひどくなるだけだと思います。
(ポルノを観ることで、ますますドーパミン快感回路が
強化されるということだと、おそらく思います。)
ギャンブル依存症のかたにどんどんギャンブルを
させるようなものだと思います。

神奈川新聞の記事に出ている50代の男性のケースでも
ポルノや買春に手を出していたという事例が出ています。
ポルノや買春によって、性嗜好障害が治ったのではなく、
症状がどんどん進行していったのであり、
ついにわいせつ未遂で逮捕されるにいたったのでした。


posted by たんぽぽ at 23:38| Comment(6) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アディクション(嗜癖)の一種ですね。
表面に現れる問題行動が何であれ、その根底に流れているのは、

”自分が子供の頃、本来もらえるはずだった愛情を、他の何かで埋めたい、補充したい。”

…だそうです。
そう考えると、もしかしたら、赤ちゃんと親の関係において、ある一定の基準があるような気がします。
(それがもし具体的な方策として解明されたら、特に、世のお母さんの肩に過剰に掛かる重荷が、
少しは軽くなると思うのに。)
Posted by あやめ at 2016年06月18日 23:11
あやめさま、
こちらにもコメントありがとうございます。

>”自分が子供の頃、本来もらえるはずだった愛情を、他の何かで埋めたい、補充したい。”
>…だそうです。

性嗜好障害のかたも、まさにそれですね。
多くの依存症に共通することのようですね。

>赤ちゃんと親の関係において、ある一定の基準が

そのあたりは、わたしはぜんぜんわからないので、
コメントできそうにないです。
なんらかの研究はあるかもしれないですよ。
Posted by たんぽぽ at 2016年06月19日 07:36
医学会では結構前から「セックス依存症」と言うのは疾患だという認識はあったんですよね。
なぜ日本の医学会の治療や研究が進まないかというと、「研究してもお金にならない」のだそうです。
Posted by わんわん at 2016年06月26日 13:58
わんわんさま、こちらにコメントありがとうございます。

>医学会では結構前から

専門家のあいだでは知られているけれど、
一般のあいだでは認識が広まらないということは、
残念ながらそれほど珍しくないですね。

「認知症」のように、存在自体はむかしからたくさんあったけれど、
一般のあいだで知られるようになったのは、
ワクチン騒動があってからだったと言いますし。


>「研究してもお金にならない」

それはゆゆしき事態ですね。
なぜそうなのかと対策を考える必要があると思われます。
Posted by たんぽぽ at 2016年06月26日 22:34
わんわんさまはじめまして。
近頃こちらでお世話になっているあやめと申します。

>「研究してもお金にならない」

あー、なるほど。
ことがことだけに、実態調査も難しいでしょうし、それで治療薬の開発につながる訳じゃなし、
ってことですかね…。

自己レスですが、
>世のお母さんの肩に過剰に掛かる重荷

アディクションの問題にはつきものなんですよねえ…、”【お母さん】との関係”。
本当は(精神科医 斎藤学氏によると)、
”一人の子を健全な一人の人間にするには、周りに複数の大人の手が要る。
それをお母さん一人に全部やらせようなんて、無茶だ。”
っていう問題なんですけどね…。
(斉藤氏はこれを「母子カプセル」と呼んでいる。)

昨今のお母さんへの風当たりの強さを思うと、いろいろ切ないです…。
Posted by あやめ at 2016年06月26日 22:44
あやめさま、またまたコメントありがとうございます。

>”一人の子を健全な一人の人間にするには、周りに複数の大人の手が要る。
>それをお母さん一人に全部やらせようなんて、無茶だ。”

人間の子どもは育てるのにとても手がかかるのですよね。
「おばあさん」がいるのもそのためだと考えられるし。
父親やきょうだいだけでなく、隣人との協力もあるし必要と言えます。

「性別役割分担は合理的?(3)」
http://taraxacum.seesaa.net/article/387737193.html

そう考えると、子どもは保育所に預けたほうが、
「生物学的に理にかなっている」と言えるのですよね。
Posted by たんぽぽ at 2016年06月27日 22:31
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック