2016年05月29日

民進党選挙公約・夫婦別姓

5月25日に民進党が参院選のマニフェストの原案を発表しました。
家族やジェンダー政策にも多くの項目が挙げられています。
その中には選択的夫婦別姓も明記されています。

「民進、消費増税延期を明記 参院選へマニフェスト原案」
(はてなブックマーク)

「「エッジの効いた、正直なマニフェストを作っていきたい」山尾政調会長が会見で」



朝日の記事では
民主党政権時代に実現できなかった選択的夫婦別姓についても、改めて盛り込んだ。
なんて書いてあります。
(「実現できなかった」「改めて」に「はっきり言われた」感があります。)
民進党のマニフェストに久しぶりに選択的夫婦別姓が
はっきりと書かれるようになったのでした。

最近の選挙では、民主党は選択的夫婦別姓を
マニフェストに書くことがめっきりなくなっていました。
それだけ重要度が下がっていたということだと言えます。
2014年の衆院選のマニフェストにも登場せず、
わたしはブログでこんなことを書いていました。

「民主党政権公約を読む」

民法改正、選択的夫婦別姓はどうなったのかと思います。
マニフェストに書いてあるのは「主要政策」ですし、
読んでもらうために記述量を制限していますから、
ここにあるのがすべてではないとは言えます。

それでもマニフェストへの明記がないということは、
民主党が与党だったときの挫折を考えると、
民法改正、選択的夫婦別姓はほとんどあきらめたのではないか、
という可能性を考えてしまうところです。
(期待しているかたはすくないのかもしれないですが。)


今年の参院選のマニフェストでふたたび登場したのは、
選択的夫婦別姓の実現はそれだけ重要と、最近になってまた
考えるようになったということではあるのでしょう。

2015年12月の最高裁で現行の同姓強制に合憲判決が出たこと、
2016年2月の女性差別撤廃条約でまた勧告を受けたことのほか、
メディアで繰り返し取り上げられたことで、
選択的夫婦別姓が認められない日本は、国際的に完全に
取り残されていることを、意識したものと思います。

「夫婦別姓・国連の勧告の記事(2)」
「夫婦別姓訴訟違憲判決ならず」
「CEDAW日本審査・民法改正」
「UNウィメンと最高裁判決」


民進党の機関紙にも選択的夫婦別姓について記述が取られています。
自民党・安倍政権は最高裁で違憲判決が出た
再婚禁止期間の短縮しか準備していないのでした。

選択的夫婦別姓について党としてどう取り組んで行くのかとの質問に、
「党の法務部会で作業をしている。
政府は再婚禁止期間の短縮については、
最高裁の判断の中で閣法で出してくるということだが、
選択的夫婦別姓や婚姻年齢の男女差は閣法には入っていない。
わが党としては、この3点をパッケージとして提示していく」と答えた。

結婚後の名字に関しては、安倍政権は住民票の旧姓併記を
認めることでお茶を濁すことを検討しています。
民進党はまだ実現していない民法改正の3課題すべての
実現をめざすことで、安倍政権と差をつけています。

「住民票の旧姓併記を検討」


政権党時代は一度も法案提出しなかったのに、
大幅に議席を減らしてほぼ無力な野党になってから、
選択的夫婦別姓の実現をマニフェストに入れたところで
どれだけのものがあるのかという思いは、やはりわたしにはあります。

「民法改正法案・野党共同提出」

民進党が政権を取るのはどれだけ先になるのかとも思います。
(自民党が政権を取っているうちは、
選択的夫婦別姓が実現する可能性はほぼないでしょう。)
政権を取ったところで、また世論の反発や選挙に響くことを恐れて
きゅうに選択的夫婦別姓の実現を引っ込めるのではないか、
という懸念も、いまもってわたしにはあります。

選択的夫婦別姓の実現を前面に出すようになったのは、
少し前の前面に出さなかったときより、よくなったと思います。
それでもわたしには、まだまだ「本気度」を
あまりたくさんは感じられないのもたしかです。



posted by たんぽぽ at 22:28| Comment(2) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
野党四党が法案を出し、民進党がマニフェストにあげた。
国民が政治にもの申すのは選挙だけではありません。
例え険しい道になっても戦い続けるしかない。
そう思っています。
Posted by 乾紀子 at 2016年05月30日 11:15
乾紀子さま、こちらにコメントありがとうございます。

>国民が政治にもの申すのは選挙だけではありません。
>例え険しい道になっても戦い続けるしかない。

ありとあらゆる手段や機会を使って闘う、
それしかないですね。

わたしはささやかなブログを書き続けるくらいですが、
がんばりたいと思います。
Posted by たんぽぽ at 2016年05月30日 23:25
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