2016年05月20日

子どもの数の割合・国際比較

メインブログの5月14日エントリで、子どもの数が35年連続減少
という総務省の調査についてのお話をしました。

「我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)」

総務省の調査は、総人口に占める子どもの割合について、
国際比較の表が出ているので、これを見てみたいと思います。

人口4000万人以上の人口大国だけを対象にしていて、
他国のデータは1-2年前のものが多いので、多少の変動はあると思いますが、
それほど深刻な誤差はないでしょう。



これを見ると日本の12.6%は、子どもの割合がもっとも少ないです。
世界最大の少子化の国ということになります。

参考表2 各国におけるこどもの割合
ドイツ、イタリア、韓国が日本のあとに続いています。
家族やジェンダーに関して因習・反動的で、良妻賢母志向で
マッチョ志向で、出生率が下がって高齢化が進行するのも
ごもっともな国ぐにが、上位4位を占めているということです。

「良妻賢母嗜好と出生率」
「日独伊・高齢化社会の3国」
「マッチョ主義と出生率」

「良妻賢母が好きな国はなぜ出生率が低いか」
「良妻賢母が好きでない国の方が出生率が高い」というものです。
少子化の国は「日本、イタリア、ドイツ、韓国」など
「伝統的家族観」が強いところ。当然良妻賢母が良しとされます。
イタリアなんか「マンマ」の国ですし。


先進国の中で出生率の高いアメリカ合衆国は19.2%で、
フランスは18.5%、さらにイギリスが17.7%でこれらに続いています。
「少子化を克服しつつある」とされる国では、
子どもの割合は20%近いということになりそうです。

アメリカ合衆国より子どもの割合が少ないほかの国は、
中国を除くと全部ヨーロッパの国です。
アメリカ合衆国より子どもの割合が多い国はほとんどアジアの国で、
ラテンアメリカとアフリカの国が少し入っています。
人口4000万人以上の国にかぎっているので、
ラテンアメリカやアフリカは少なめになるのもあると思われる。)

子どもの割合が20%程度を境にして、それ以上の割合があるのは
まだ社会が発展する余地のある国にかぎられ、
社会が成熟した国で子どもの割合が20%を超えるのは、
家族政策に力を入れてもまだまだ到達は難しいと言えそうです。


1950年の日本は子どもの割合が35.4%だったのでした。
敗戦直後の日本は、いまの開発途上国並みに
子どもが多い社会だったということです。
それだけ人口が増えて、国が発展する余地があったのでしょう。
(そして乳幼児の死亡率も高かった。)

図2 年齢3区分別人口の割合の推移
いまの開発途上国は、敗戦直後の日本より
子どもが少ないと言ったほうがいいのかもしれないです。
現在の開発途上国は1950年代の日本よりも
社会が発展して成熟しているということです。



関連エントリ:

「子どもの数が35年連続減少」




posted by たんぽぽ at 23:26| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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