2016年05月15日

徳島の女子の大学進学率


日本の大学進学率は「男子>女子」となっていて、
「女子>男子」が定着している国際基準から外れた特異的な国です。

『データえっせい』の2015年8月28日エントリを見ると、
都道府県ごとのジェンダー別大学進学率が出ていますが、
ほとんどすべての都道府県において「男子>女子」になっています。

「県別・性別の大学進学率(2015年春)」

唯一の例外は徳島県で「誤差程度」でしかないと言えますが、
大学進学率は「女子>男子」となっています。
なぜ徳島だけ女子の大学進学率が高いのか、
その原因でありそうなことが、以下のサイトに出ていました。

「Vol.65 大学進学率49.3パーセント」



2015年春の都道府県別の大学進学率(%)

徳島も国立大学の定員は県の人口に比すれば他の県より多く、
私立大学も充実し定員も少なくはない。
一部法学部と経済学部を除けば規模の大小はあるが揃っている。
高校生にとって徳島県は恵まれた環境で
大学進学率を押し上げていると推測できる。

ひとつは人口のわりに大学の定員が多いことがあります。
地元で大学に入りやすいということです。
女子の大学進学には物理的な制限がかかりやすく、
地元から通える大学でないと入りにくいことがあります。
よって地元の大学に入りやすいことは、
女子の大学進学を有利にすることになります。


女子教育については、徳島出身で薬学の長井博士、数学の林博士が
女子の高等教育機関への進学に早くから取り組んだ。
徳島女学校(現城東高校)の創立も全国的には早く、
現在の県内二つの私立大学の学校法人は女子教育からのスタートである。
一般に徳島は教育に関心の強い県でもあったことが大学進学率を支えてきたのだ。

もうひとつはむかしから女子教育に熱心な識者がいたことがあります。
もともと徳島は教育に力を入れてきたところであり、
それに加えて女子教育にも多くの関心を払ってきたということです。
その流れを汲んで、いまでも女子の大学進学に抵抗が少なく、
女子の大学進学率が高めになっているものと思います。

「長井長義(ながい ながよし)・徳島の偉人」
エフェドリンの発見をはじめ数々の研究業績を残し、日独間の学術友好に貢献。
さらに女子科学教育の創始にも尽力した。

「【近代日本数学教育に尽力】林鶴一(はやし・つるいち)・徳島の偉人」
大正8年(1919)には日本中等教育数学会(現日本数学教育学会)を
結成して初代会長に選任されている。中学校教師の資質の向上に
力を尽くしたこの会は、現在も日本最大の教科研究団体として存続している。



付記:

2013年のデータ。

「都道府県別の大学進学率」



謝辞:

徳島消費者交流広場のサイトと、2013年のデータのツイート
メインブログの4月29日エントリのコメント欄で
ご紹介したくださった七重さま、ありがとうございます。




posted by たんぽぽ at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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