2016年04月28日

アサンジ擁護の記事のメモ

2010年に起きたウィキリークスの、ジュリアン・アサンジ氏に
強姦の容疑がかけられた「アサンジ事件」に関しては、
誤解や曲解にもとづく記事がアサンジを擁護する
立場の人たちからたくさん書かれたのでした。
次のエントリもそうした誤解、曲解にもとづく記事のひとつだと思います。

「ウィキリークス・アサンジ氏の「強姦」容疑は「コンドームなしセックス」が口実」

上記エントリで書いていることは、以下の記事をご覧になれば、
どこがどう問題なのかわかるだろうと思います。

「ジュリアン・アサンジ性犯罪容疑に関連したよくある疑問・異論への応答」
(はてなブックマーク)


ジュリアン・アサンジにかけられた容疑は、
「よくある疑問・異論への応答」の記事で示されているように、
以下の4件の性犯罪で、被害女性はふたりです。
これはスウェーデン検察が公式サイトで発表していて、
2010年12月7日の『ガーディアン』でも報じられたものです。

http://macska.org/article/367
アサンジが逮捕されたのち、スウェーデン検察が
公式サイト(英語版)において、アサンジの容疑は「rape」(レイプ)
「unlawful coercion」(不法な強要)
および二件の「sexual molestation」(性的暴行)だと明言している。
この四件の容疑の具体的な内容としては、
英紙ガーディアンの記事(12/07/2010)に詳しい。

記事の内容から四件の容疑を表にしてまとめてみる。

アサンジの4件の容疑

アサンジが有罪か無罪か、真相はいまだにわからないです。
わかっているのは、
1. スウェーデン検察がアサンジに上記の容疑をかけた
2. アサンジとその弁護士がかけられた容疑を否認して無罪を主張している
ということです。


さきのエントリは、アサンジの弁護士の主張を「真相」として、
被害女性の訴えやスウェーデン検察がかけた容疑や、
さらにはスウェーデンの「性暴力禁止法」の規定さえも、
そんな事実が「存在しない」かのように否定していることが問題と言えます。

問題の記事は次のようなことを書いています。
これは「アサンジの弁護士がそう主張した」ということです。
真相が弁護士の主張通りかどうかはわからないです。
アサンジは有罪かもしれないし、無罪かもしれないです。

アサンジ氏の「強姦」疑惑は、スウェーデン当局によって
「性行為の後半にコンドームなしの状態があった」ことを
「同意なしの性行為を強要した」というふうにこじつけたものである、
ということがアサンジ側弁護士によって主張されている。
スウェーデン当局が、「コンドームが破れた」あるいは
「二度目の行為で着用しなかった」ということを根拠に
「不同意の性行為」である=「強姦である」との主張のもと
立件しようとしている、というのが弁護士の主張である。


これらは「検察の容疑がこういう理由」と言っているようで紛らわしいです。
さきに挙げた容疑の表にある2番目と3番目を指すと思いますが、
これらはそれぞれ「女性の意に反してコンドームをつけなかった」
「女性が眠っているあいだにコンドームなしで性行した」
というのが、検察がかけた容疑の内容です。

「女性の意に反して」を無視して「破けただけ」としたり、
「眠っているあいだ」を無視して「コンドームがなかった」ことだけ
取りざたするというのは、アサンジ擁護の多くの主張で
見られた容疑の矮小化の典型です。

http://macska.org/article/332
「合意あるセックスの最中にコンドームが破れてしまっただけ」
というのは、アサンジを支持する多くのコメンテータやブログが、
かれに対する具体的な容疑も明らかにならないうちから
大々的に広めてしまった話だが、
第二の女性とのあいだでは、まだ寝ている相手に無理やり
性行為を押し付けた(日本の法律でも準強姦罪)とされる行為を
「やっちゃった」と軽く表現し、コンドームの不使用だけが
問題だったかのようにまとめている。


つぎのくだりも紛らわしい書きかたで、それこそ誤解を招きそうです。
「コンドームなしでセックス」の意味するものによるからです。
「スウェーデン法に特異な「不意打ちの性交渉」」と揶揄された、
スウェーデンの「性暴力禁止法」の規定さえ
「存在しない」と言っているかのようにも見えます。

http://www.kotono8.com/2010/12/08assangerape.html
一部では「スウェーデンではコンドームなしでセックスしたら
強姦とみなす法律がある」というように誤解されているようだが、
そんなことはない。

「相手の意に反してコンドームをつけなければ性犯罪となる」
という法律でしたら、スウェーデンには存在します。
上述の表にあるように容疑のひとつにそれがあり、
法的に定められているから検察が容疑をかけられることになります。

「事故でコンドームが破れた」というだけなら、
さすがのスウェーデンでも性犯罪とはならないです。
アサンジが容疑をかけられた理由は、「コンドームが破れたので
性行為を止めて欲しいという女性の要求に応じなかったから」です。

http://macska.org/article/332
いくらスウェーデンでもコンドームが破れただけで違法になったりはしない。
コンドームが破れたあと、女性が停止するよう求めたのに応じなかった
(無理やり続けた)、というのが容疑だ。


問題のエントリはさらにこんなことまで書いています。
被害女性たちの訴えも、スウェーデン検察がかけた容疑も、
「なかった」ことにしたい願望が現れたのでしょうか。
「事実」が「真相」という意味なら「だれにもわからない」です。

「コンドーム着用を拒否してセックスしたならふつうに強姦じゃん」
というツイートがあったが、アサンジが「着用を拒否した」という事実は
記されていないし、女性側からも主張されていない。
その上で「アサンジの性行為の時点で非着用であること含め
同意があったと考えられる」。
行為中あるいは行為後に女性たちがアサンジに不満を述べたとか
拒絶したのにやられたという事実は確認できない。ここポイント。

「スウェーデン検察がアサンジに容疑をかけた」という
「事実」であれば、これまで見てきたように存在します。
「着用を拒否した」ことはその容疑のうちのひとつですし、
スウェーデン検察の公式発表には記されていることです。

容疑の表でも示されているように、ふたりの女性からの訴えもあります。
「アサンジに不満を述べたとか拒絶したのに
やられたという事実」は確認できることです。
「アサンジの性行為の時点で非着用であること含め同意があった」とか、
「主張されていない」ことにしないでほしいものです。

http://macska.org/article/332
そのレセプションでアサンジは別の女性と知り合い、
コンドームをつけて合意のあるセックスをした。
ところが翌日かれは、コンドームを付けないまま、
まだ寝ている女性と無理やりセックスをした。
そのことを知った女性はコンドームを付けてなかったことが不安になり、
最初の女性に相談したところから、訴えでることになった。



付記:

最初のアサンジ事件の記事は、わたしのメインブログのコメント欄で、
肯定的に紹介されたので、検討したしだいです。

「女性にとって性を売ること(2)」

アサンジ氏は当局によって嵌められたのではという記事から引用します。

>アサンジ氏の「強姦」疑惑は、スウェーデン当局によって
「性行為の後半にコンドームなしの状態があった」ことを
「同意なしの性行為を強要した」というふうにこじつけたものである、
ということがアサンジ側弁護士によって主張されている。

>一部では「スウェーデンではコンドームなしでセッ クスしたら
強姦とみなす法律がある」というように誤解されているようだが、
そんなことはない。
http://www.kotono8.com/2010/12/08assangerape.html

今のところ、私の調査では上記の法律が見つかっていません。
こういう下ネタ的なトピックだったら日本語でも
見つかると思うんですけどね。おかしいなあ。

(2016年04月18日 21:28)


posted by たんぽぽ at 23:42| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください