2016年04月12日

業界別残業時間ランキング

就職・転職のためのリサーチサイトを運営する
ヴォーカーズが4月5日、「女性版:業界別 残業時間・
有給休暇消化率ランキング」という調査を発表しています。

残業時間の長い業界、短い業界、有給休暇の消化率が
高い業界、短い業界について調べたものです。

「女性版:業界別 残業時間・有給休暇消化率ランキング」

「女性に聞く「残業時間が長い業界、有休消化率が低い業界」 (1/2)」
「女性に聞く「残業時間が長い業界、有休消化率が低い業界」 (2/2)」



表題にもあるように女性対象の調査で、4月1日に施行された
「女性活躍推進法」を意識して行なったものです。
今回の調査レポートは、4月1日の「女性活躍推進法」施行に合わせて、
Vorkersに寄せられた女性社員からの会社評価レポート8,745件
(内:残業時間8,745件、有休消化率8,159件)を対象に、
平均残業時間(月間)と有給休暇消化率(年間)を
業界別ランキングとして集計しました。


残業時間の長い業界と短い業界のランキング上位は以下のようです。

女性版: 残業時間が短い業界TOP5 女性版: 残業時間が長い業界TOP5

残業時間の短い業界1位の病院、医療機関の状況についても
以下のようにコメントを載せています。
■女性比率が高く、さまざまなロールモデルがいる
「病院、医療機関(21.13時間)」

シフト勤務が多く、残業時間は一番短かった
「病院、医療機関(21.13時間)」業界。
勤労者の女性比率も高く、独身女性から子持ちの方まで
多彩なライフスタイルの女性がいることで、
女性向けのさまざまな制度が充実しているようです。

「結婚をして、出産をしても仕事を続けているスタッフはたくさんいました。
敷地内に託児所もあります。部署によりけりですが、
お子さんの急な体調不良の際などは早退が出来たりなど、
割と仕事と家庭を両立しやすい環境だと思います。」

「産休、育休制度が確実に取得でき、
出産の度にお祝い金を組合から支給されます。
産休については、多くの場合は9か月を過ぎた辺りから取得でき、
育休については男女ともに1年間は基本給が支給され、
最長で3年間まで取得することができます。
また、午前中だけの勤務や週に数時間だけ勤務するなど、
希望の勤務形態を申請するなどもの措置もあります。」

残業時間が長い業界1位の「広告代理店、PR、SP、デザイン」の
状況についてのコメントは以下のようです。
■残業するのが当たり前の「広告代理店、PR、SP、デザイン(63.64時間)」
「コンサルティング、シンクタンク(57.11時間)」

残業時間が長い「広告代理店、PR、SP、デザイン」
「コンサルティング、シンクタンク」業界は、
「残業して当たり前、残業しないとこなせない業務量」であるようで、
定常的な長時間労働である現状がわかりました。
「男性と同様に徹夜を含む長時間労働をいとわず働くことができるならば
機会は与えられるが、あくまでアップオアアウトの世界なので、
子供がいるなど個人の事情はあまり考慮されない。)」


これらを見ていると「残業時間が短い=女性が働きやすい」
「残業時間が長い=女性が働きにくい」であることがわかります。
残業時間の長さを見ただけで、女性にとって働きやすいかどうか、
見当をつけられることになりそうです。

「病院、医療機関」は「女性向けのさまざまな制度が充実」、
「割と仕事と家庭を両立しやすい環境」、
「産休、育休制度が確実に取得でき」るとあります。
これらが女性に働きやすい環境であることは明らかです。
女性が多い職場なので、それを前提にして労働環境が
作られるということもあるのでしょう。

「広告代理店、PR、SP、デザイン」は、
「残業して当たり前」「子供がいるなど個人の事情は
あまり考慮されない」という状況です。
残業が多いというのは「長時間労働」が当然であり、
労働環境が妻が専業主婦の既婚男性中心であるということです。

「WLBと女性管理職の割合」
「女性管理職と長時間労働」


55年体制時代は「家族思想信仰」が浸透した時代であり、
労働環境も「家庭のことは妻に任せて男は会社のことに
専念できる」ということを前提に作られました。
日本企業に長時間労働が定着したのも、「労働者はみんな
会社のことに専念できる男性」という状況だったからでしょう。

このような労働環境のもとでは、家庭のことを配偶者に
任せられない女性にとって不利となります。
女性管理職が増えない大きな原因のひとつでもあります。
それゆえ残業時間が長いことが常態化している職場では
女性は働きにくくなりがちということです。



posted by たんぽぽ at 23:35| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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