2016年03月30日

「保育園落ちた」政権の対応(2)

3月21日エントリの続き。

はてなの匿名記事「保育園落ちた」に対して、
安倍政権はきゅうに政権の取り組みに求める発言をしたり、
待機児童に対する追加の政策を検討し始めたりしたのでした。
これ以上政権に対する批判が強まらないように、
かなり躍起になっているみたいです。

「「初動ミス」与党も苦言 「保育園落ちた」巡る首相答弁」
(はてなブックマーク)
「「保育園落ちた」ブログめぐる首相答弁 「初動ミス」与党も苦言」(全文)(1/2)
「「保育園落ちた」ブログめぐる首相答弁 「初動ミス」与党も苦言」(全文)(2/2)


その背景には2007年の「消えた年金」のことがあるようです。
「消えた年金」事件は、当時の安倍政権の対応が鈍く、
猛烈な批判を呼ぶことになり、2007年の参院選で
自民党が大敗する原因となったのでした。

与党内からこうした声が出るのは、自民党内に苦い記憶があるからだ。
第1次安倍政権では「消えた年金」など年金記録問題への対応が後手に回り、
2007年の参院選で惨敗。当時の閣僚の一人は
「国民に身近な問題だという認識が薄く対応が遅れた」と悔しがった。

「保育園落ちた」の件で、きゅうに態度が変わって
「積極的に対処している」という姿勢を見せようとしたのは、
「消えた年金」のときと同じ事態を避けるためということです。

今年の夏にも参院選がありますし、
さらに自民党は衆参同時選挙も検討しています。
選挙対策のために敏感にもなっているということです。

加えて政権は、今年の衆参同時選も視野に火種の一掃を進める最中だ。

きわめてゲンキンとはいえ、彼らなりにリスク管理に
注意を払うようになったのでしょう。
実際「保育園落ちた」の件は、「消えた年金」のような、
猛烈な政権批判になる事態は避けられています。


それにしても「消えた年金」や「保育園落ちた」が、
「国民に身近な問題だという認識が薄」いのですよ。
自民党がいかに国民の福祉や生活一般に関することに、
関心を払わないかを示していると思います。

はてなブックマークでも国民の生活や福祉に対する
無関心や認識不足の現れだというコメントが多いです。
さらに「初動ミス」という言いかたも、
とつぜん降ってわいた問題と思っているかのようで、
認識不足の反映だというコメントもあります。

安部首相の「実際に起こっているのか確認しようがない」という
最初の答弁も、このあたりをよく示していると思います。
「保育園落ちた」で書いていることは、
待機児童問題について多少知っているかたなら
ありふれたことであることが、すぐにわかるからです。

安倍首相は待機児童問題について、ぜんぜん現状を
把握していないことを、はっきり示したということです。
「一億総活躍」とか「女性が輝く」といったお題目を
かねてから信用していなかった人たちに
「やはりそんなことだと思った」と思わせるには
じゅうぶんだったということです。


関連エントリ:

「「保育園落ちた日本死ね」」
「「保育園落ちた」集会と署名」
「平沢勝栄・匿名記事に論難」


posted by たんぽぽ at 22:49| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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