2016年03月12日

年収の男女格差・国際比較

フルタイム就業者の年収のジェンダー格差について
国債比較をした図があるのでご紹介します。
出典はISSPが2012年に行なった「家族と性役割に関する意識調査」です。
週40時間以上就業しているかたが対象です。


収入のジェンダー格差の図表なんていくつもありますが、
そういう調査をここでもうひとつ加えることになります。
この手の調査は男性を1にして女性がその何割かを示すことが多いです。
この図は女性を1にして男性がその何倍かを示しています。



調査対象国の中では韓国と日本が飛び抜けて
収入のジェンダー格差が大きいことが、なにより眼につきます。
この2国だけが1.796、1.728と、それぞれ1.7を超えています。
ついで格差が大きいのは南アフリカ共和国の1.524で、
それ以外の国ぐにはすべて1.5以下です。

ジェンダーに関する調査をすると、日本と韓国がほかの主要国から
大きく外れていて、2国で最下位争いをするパターンが多いですが、
この調査はまさしくその典型例となっています。


日本の収入のジェンダー格差は、既婚男性中心の労働環境が
大きな原因だろうと思います。(韓国はどうなのかわからないです。)
既婚男性は配偶者手当てなどの手当てがついたり、
管理職への昇進が有利で基本給も高くなりやすいということです。

女性はもともと長時間労働などの男性中心の労働環境ゆえに
管理職への昇進が不利なことに加えて、正規雇用にとどまっていても、
結婚、出産、育児で責任の少ない部署に回されることが多いのでしょう。

「男は結婚で年収が増える」
「女は結婚で年収が減る」


棒グラフに色のついているところを見ると、
イギリス1.103、フランス1.202、アメリカ合衆国1.247、
スウェーデン1.292、西ドイツ1.385となっています。
主要国と言われてイメージする国は1.2-1.3くらいが相場なのでしょう。

西ドイツと東ドイツがわけてあるのが、いささか気になります。
この調査は2012年のもので、冷戦時代のものではないからです。
旧西ドイツの州と旧東ドイツの州ということだと思います。
東ドイツは1.119で、西ドイツよりジェンダー格差が小さいです。
共産主義時代の男女平等の名残りなのでしょうか?

調査対象国はほとんどすべて1より大きく「世界中どこへ行っても
男性は女性より年収が高い」という現状があることになります。
ただひとつベネズエラだけが1以下になっていて、
女性のほうが年収が高い国になっています。



付記:

日本の厚生労働省が発表する「賃金構造基本統計調査」によると
女性の賃金は男性の約7割で、男性は女性の1.4倍程度です。

「女性の賃金は男性の7割」
「収入のジェンダー格差」

男女賃金格差は国際的にみても低水準 (男女間賃金格差の国際比較)

男女間賃金格差の推移

ISSPのほうが日本のジェンダー格差を大きく算出しています。
「週40時間以上就業」という条件のせいなのか
(パートを入れたらもっと格差が大きくなりそうですが)、
「賃金」と「年収」の違いなのかはわからないです。



posted by たんぽぽ at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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