2016年02月24日

子宮頸がん検診の受診率

2010年なので古いですが、子宮頸がん検診の受診率が
日本は先進国中でもっとも低いという記事があります。
これを見てみたいと思います。

「子宮頸がん検診の受診率を高めるために日本は何をすべきか」
「子宮頸がん発症の予防はワクチンと検診の両輪で」と
WHO(世界保健機関)は勧告する。
しかし日本の検診受診率は、先進国の中で最も低い。
どうして、欧米各国では高いのか。日本とはどんなところが違うのか。
この課題を解くヒントを、今年2月にモナコ公国で開催された
国際会議WACCの発表から得た。



国別の子宮頸がん検診の受診率です。
出典はOECDの調査「Health Care Quality Indicators
Projects 2006 Data Collection Update Report」です。

国別子宮頸がん検診受診率

図中の国でもっとも子宮頸がん検診の受診率が高い
アメリカ合衆国は8割を超えています。
ほかの欧米諸国も7割前後が相場です。

日本の受診率は23.7%で、他国と比べてずっと低くなっています。
ほかに受診率が低い国はイタリア36.7%、韓国40.6%です。
これらの国で受診率が低いのは、家族やジェンダーに対して
因習・反動的なカチカンと関係はあるでしょうか?


日本人女性が子宮頸がん検診を受けない
理由についても、記事では載せられています。
出典は「女性を守るための研究会」が発表した
「子宮頸がんの検診に関する調査報告書」です。

未受診の一般女性が子宮頸がん検診を受診しない理由


記事では欧米の民主主義国ではなぜ受診率が
高いのかについて考察しています。
これらの国ぐにでは、性体験のない10代から受診を始めて、
検診を受けることが生活習慣の中に当たり前のように
入っているということのようです。

特に注目したいのは「何歳から、産婦人科医の診察を受けているか」という項目だ。
調査の結果、回答者の約6割の女性は産婦人科医の診察を
18歳までに受けていたことが明らかになった。

特に、全体の約2割は15歳以前に受診していたという性体験のないころから、
かかりつけの産婦人科医がいて、診察や検査を受けるのが
当たり前のように考えられていることがうかがえる。
「私の場合は、初めて産婦人科に行ったのは14歳のときでした。
母は『がんの予防』『子宮頸がん検診』などの言葉は使わず、
『身体をチェックしてもらいましょう』と言って診察の予約を入れました。
当日も一緒にクリニックへ。
まだ性体験はなかったのですが、家庭教育の一つ、という感じでした。
それ以来、クリニックで検査を受けることは習慣になっています。
友人にも同じような経験を持っている人が多いですよ」


もっとも受診率の高いアメリカ合衆国ですが、
医療保険会社が検診を受けることを推奨していて、
検診料が無料になっていることが大きいみたいです。
(保険料をできるだけ払わないですませる措置だと思いますが。)

アメリカでは、医師のみならず、医療保険会社も検診を勧奨するという。
プライマリケアを専門にする日本人女性医師は、
米国で子宮頸がんの検診受診率が高い理由をこう話す。
「子宮頸がん検診のような予防医療が行き届いているのは、
医療保険会社が主導し、全額無料となっているからでしょう。
また、検診を受けることで保険料を割引するなどの特典も付けています。
受診者側も、年に1度、婦人科検診を受けることはほぼ常識としています」

日本人も年に一度健康診断を受けることが
当然のようになっていると思います。
アメリカ人にとって子宮頸がん検診を受けることは、
それと同じような感覚になっているのかもしれないです。


ヨーロッパでは10代から産婦人科を受診して
子宮頸がんの検診を受けることが定着しているというのですが、
同じことは日本では抵抗があるのではないかと思います。

日本では、たとえ母親と一緒であっても14歳で
産婦人科を受診するのは、あまり普通のことではないだろう。
今の時代でも、「望まない妊娠をしたのではないか」と、
眉をひそめる人がいるかもしれない。

産婦人科に受診=性体験または妊娠というイメージしかなく、
中高生が産婦人科にかかると「経験があるのか?」とか
色眼鏡で見る人も少なくないと思います。
昨年の6月にも「高校生が産婦人科に行くことは世間が認めない」
などといった自民党議員がいたのでした。

「高校生の産婦人科受診」
「中絶を世間が認めない?」


始めでも引用したように、「子宮頸がん発症の予防は
ワクチンと検診の両輪で」とWHOは勧告しています。
ところが日本は子宮頸がんワクチンの接種も、
実質的に中止同然の状況になっています。

「HPVワクチン薬害説のメモ」
「HPVワクチン・日本の中止」

これに加えて日本は検診の受診率も低いわけです。
ワクチンと検診の両方で遅れを取っていることになります。
なんともお粗末な事態だと思います。

記事では「昨年から、日本でもHPVワクチン接種が始まり、
推奨年齢は11~14歳となっている」と書いてありますが、
これはこの記事が2010年4月のものだからです。
このあと2013年6月の厚生労働省による
「接種の推奨の差し控え」でワクチン接種率が極端に下がることは、
このときはたぶん予想していなかったと思います。



付記:

子宮頸がん検診の受診率が高いヨーロッパの国でも
子宮頸がんについての知識があるかたは少ないのでした。
ヨーロッパでは子宮頸がんについての知識を
普及させるための啓発が課題となっているようです。

前出のボルドイ氏の調査によると、ヨーロッパの女性で
「子宮頸がんはHPVというウイルスの感染によって発症する」と
答えられた人は1~3割程度だった。
つまり、欧米では子宮頸がん検診受診率は高いものの、
子宮頸がんとHPVに関する知識のある人は少ないといえる。


posted by たんぽぽ at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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