「野党は政権を取れないから政策が実現しない」と考えるかたです。
おそらくこのようなかたは、一定数いるだろうと思います。
「「与党でなければ政策は実現できない」の末路」
今井絵里子が自民党を選んだ理由はおそらくとても簡単で、野党ではやりたい政策が実現できないからだと思う。実現したかったら、与党にいるほうが可能性が高い。野党では無理。それくらい今の野党は弱い。野党はもっとまじめに考えるべきだと思うよ。政権を狙うという点で彼らは不真面目だ
— 菊池誠 (@kikumaco) 2016, 2月 11
むかしわたしが関わったネットの選択的夫婦別姓の
市民団体の人たちは、まさにこうした考えをしていました。
彼女たちは「与党でなければ政策は実現しない」と考え、
自民党と公明党ばかり相手にロビー活動をしていました。
民主党なんてほとんどどうでもいい存在になっていました。
結果は言うまでもなく失敗で、市民団体の人たちがいかに
与党に「お願い」をしても、選択的夫婦別姓は実現しませんでした。
それ以前に自民党は法案の審議さえしませんでした。
自民党内にたくさんいる頑迷極まりない反対派(非共存派)議員を、
どうすることもできなかったからです。
自分たちの活動が失敗に終わったと悟った市民団体の人たちは、
それまでしてきたことを「なかった」ことにして
フェードアウトしようと思ったのでした。
反対派(非共存派)議員は説得不可能だということや、
自民党政権では選択的夫婦別姓は実現しないことを、
わたしは何度も市民団体の人たちに言いましたよ。
「反対派と議論すると...」
「自民党法務部会の実態」
ところが彼女たちは、わたしの意見なんて
「うっとうしい妨害」くらいにしか思わなかったのでした。
「多様なカチカンの尊重」というお題目を
ドグマのように信じていた彼女たちは、どんな反対派でも
必ず理解するときがくると信じていたからです。
それで彼女たちは、繰り返し掲示板で一斉にわたしを攻撃したのでした。
市民団体の人たちは、自分たちが失敗したとわかると
今度はそれをわたしに批判されることが都合が悪くなって、
結局わたしを排除してくれたのでした。
「多様なカチカンの尊重」と真っ向から反する暴挙です。
「与党でないと政策は実現しない」「野党は政権を取れないから無意味」
などとうそぶく人たちの末路だと思います。
その政策を本当に与党が実現する可能性を顧みず
「与党信仰」だけしても、裏切られることになるでしょう。
そしてそうなるのは、「与党信仰」に陥る人たちの
判断力や力量の問題であり責任であるということです。
このような「与党信仰」をする人がいるから、
与党は支持を得てますます強くなるし、野党を切り捨てることで
ますます野党は弱くなることはもちろんでしょう。
「国民は自分のレベルにふさわしい政治家を持つ」です。
「野党が弱い」のも国民(自分たち)のレベルの反映ということです。
最初のツイートの人は、「自分には見識があるけれど、
野党がだらしないから悪い」くらいに思っているのかもしれないです。
こんなシニシズムで野党を突き放したところで、
前述のように与党に有利な状況を後押しするだけです。
「野党が弱いのが悪い」なんて責任転嫁だと言えます。
付記1:
今井絵理子氏が自民党から出馬する理由が、本当に「与党でないと
政策が実現しないから」かどうかは、わたしにはわからないです。
(可能性はじゅうぶんあるだろうと思います。)
ここでは「与党でないと政策が実現しない」と
考える人についての一般論としてお話しています。
付記2:
今井絵理子氏の自民党の公認内定の記事。
「自民党の参院選候補になぜ元SPEED今井絵理子が?
安保法制を「プチ戦争なら賛成!みたい」と批判していたのに」
「今井絵理子氏「政治は希望だと思います」〜参院選比例代表候補の公認を受け会見」
「今井絵理子氏の公認内定=参院比例、SPEEDメンバー-自民」
「今井絵理子氏「政治は希望」 手話で出馬会見「明るい社会づくりを」」
「SPEEDの今井絵理子氏、出馬会見 辺野古賛否明らかにせず」