2016年02月08日

過去の美化とナショナリズム

メインブログの1月31日エントリ2月1日エントリで、
「いつわりの伝統」や「過去の美化」についての記事を見てきました。

「それホンモノ? 「良き伝統」の正体」
(はてなブックマーク)

この記事では日本人はむかしからよかったのではない例として、
マナーやモラルのことを取り上げています。
半世紀前の日本は、犬やたばこやごみや交通ルールや公共物の破損など、
さまざまなことで、マナーやモラルがひどかったのでした。




先人たちがマナーやモラルの向上のために努力をしてきたので、
現在のマナーやモラルのよさがあるということです。
「日本人はむかしからマナーやモラルがよかった」などというのは、
そうした過去を知らないおこがましい物言いと言えます。

「「昔はよかった」は本当か? 戦前の日本人のマナーがひどかった!」
(はてなブックマーク)


約40年前、日本がまだまだマナーがひどかったころ、
アメリカ合衆国で生活した人が、日本と違ってアメリカの人たちは
マナーがよいことに驚いたというエピソードがあります。

「そこは『お互い様』です。最近まで私たちもそうでした。
僕は70年代に米国留学したのですが、向こうで何に驚いたかというと、
『割り込み』せず、みんなが列を作ること。当時の日本と大違いでした」と
振り返るのは、社会心理学者で一橋大特任教授の山岸俊男さんだ。 

いま中国人観光客がマナーが悪いのを見て、
「マナーのよい日本人は優れている」などと悦にいる、
ナショナリストやショービニストもいることと思います。
それは半世紀前のアメリカ合衆国から見た日本と同じであり、
「過去の自分」を見ていると言えるわけです。


わたしがこれを見て思ったのは、アメリカ合衆国の人たちの
マナーがよいのを見た半世紀前の日本の先人たちは、
いまの日本のナショナリストやショービニストたちなら
きっとしそうなことを、ぜんぜんしなかったということです。

ようは「アメリカの真似をしたいだけだ」とか、
「日本の悪口を言いたいだけだ」と言ったり、
別のことで「アメリカもこういう国だから」と
アメリカの「庇護」を持ち出して批判の矛先をそらして、
日本のマナーが悪いのを開き直ったりしなかったということです。

日本の先人たちは、いまのナショナリストやショービニストと
精神構造がぜんぜん違ったから、マナー改善の努力をしたし、
その結果として現在の日本人があるということです。
日本の先人たちがいまのナショナリストやショービニストの同類なら、
日本人のマナーはいまもひどいままだったでしょう。

現在の日本人のマナーのよさに悦に入る、
いまのナショナリストやショービニストたちは、
先人の努力に寄生してうぬぼれているだけとなるでしょう。
みずからはなんら生産的なことをしないばかりか、
先人の努力の否定であり、破壊的でさえあると言えます。


謝辞:

メインブログの2月1日エントリで、浜松市の市政ニュースの動画
紹介してくださったvoldemortさま、ありがとうございます。



関連エントリ:

「夫婦同姓強制・いつわりの伝統」
「いつわりの伝統と過去の美化」



posted by たんぽぽ at 22:24| Comment(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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