その原因は非正規雇用の低賃金にあるという分析をした記事を、
メインブログで見てきたのでした。
「「日本の非正規雇用はアメリカから見てもヒドイ!」
アベノミクス失速でも安倍首相は捨て身で憲法改正に挑むはず」
(はてなブックマーク)
このまま中間層の賃金が上がらず彼らの生活が改善されないと、
そうした市民がどんどん右傾化する可能性があるという、
のっぴきならない指摘が、記事にはあります。
(これはいままで見てきた経済の記事にはなかった新しい論点だと思います。)
ちゃんと働いているのに(自分たちを)中流と感じられない人たちが
イライラしてきて、大統領選で共和党のドナルド・トランプを支持してしまう。
日本でいえばネット右翼と同じで、どこかで怒りたい、誰かのせいにしたい。
それらは根本的には経済政策が問題なのだと思います。
―中流層から富を奪って下流に叩き落とし、その結果、不満を持った人たちが
彼らの「支持者」になる…。皮肉な話ですが、権力側にすればオイシイですね。
ファクラー そうやって「被害者」が保守に走るというのは
アメリカもヨーロッパも同じです。
「まじめに働いている自分が報われない」と被害者意識を
持った人たちが増えてきて、不満のはけ口を求めて右傾化するわけです。
現在の日本は実際に、排外主義や国粋主義が蔓延しています。
そこには自分の生活がよくなったと感じられない
「中間層」の存在が背景にあるということです。
経済が不安定になると、極端で危険な政治思想が跋扈するという、
一般法則通りのことが起きていることでもあります。
右傾化が進むのは、安倍政権にとって都合がいいのはもちろんでしょう。
自分のイデオロギーの支持者が増えることになるからです。
念願の憲法改正も実現しやすくなるでしょう。
しかも自分の政策のしわ寄せを受ける層が、
政権に批判的にならずにますます支持するようになるのですから、
なおさら都合がいいことになります。
これはきわめて深刻なことだと言えます。
不満を持つ層の支持が外へ流れずにますます集まるのですから、
安倍政権と対峙する勢力には手のつけようがなくなるからです。
安倍政権の支持率は、これからもこのようなかたちで
維持される可能性もあることになります。
安倍政権と対峙する勢力は、安倍政権の経済政策が
なにを起こしているか的確に分析して、
「中間層」にそのしわ寄せが来ていることを地道に説き、
適切な経済政策の対案を打ち出す以外に、対処はないと思います。
関連エントリ:
「日本の非正規雇用はひどい」
「安倍政権・経済効果が薄い理由」