ユニセフのイノチェンティ研究センターが行なった、
子どもの幸福度に関する調査があります。
その中で「自分は孤独だ」と感じる15歳の子の割合が、
日本は他国の群を抜いて多いことがわかったのでした。
「ユニセフ・イノチェンティ研究所 最新報告書発表
先進国における子どもの幸福度―危機に瀕する“前進” 」
「先進国における子どもの幸せ」(日本語)
「An overview of child well-being in rich countries」(英語)
図6.3b いくつかの不幸感について、自分にはあると考える15歳の子の割合。
よそ者かのけ者にされていると感じる。
居心地が悪くて疎外されていると感じる。
孤独を感じる。
調査内容は
1. よそ者かのけ者にされていると感じる。
2. 居心地が悪くて疎外されていると感じる。
3. 孤独を感じる。
の3つがあります。
1.の「よそ者感」があるという15歳の子どもは、
日本は他国と比べてとくに多いということはないです。
2.の「疎外感」があるという子は日本は18%ほどで、
群を抜いてはいませんが調査対象国の中でもっとも多いです。
3.の「孤独感」があるという子は、日本は29.8%もあります。
ほかの調査対象国はほとんどすべて10%以下、全体の平均は7.4%です。
日本は突出して割合が高いということであり、日本の子どもたちは
いかに孤独を感じることが多いか、ということになるでしょう。
日本の子どもはなぜかくも孤独を感じるのか、次の記事では、
a. 家族全員が揃う機会不足
b. 日本人特有の見栄の文化
のふたつを挙げています。
(この分析がどこまで当たっているかは、わたしにはわからないです。)
「なぜ日本の子どもは孤独なのか?先進国の中で最も孤独な国、日本」
さらにa.の原因として、日本には長時間労働の影響で、
とくに男性の勤め人が家にいる時間が短いことや、
長期休暇が少なくヨーロッパ人のように家族揃って
「バカンス」に出かける習慣がないことを挙げています。
b.は人からどう見られるか世間体を気にするという、
よく言われる日本人の自意識過剰についてです。
こうしたメンタリティが、子どもが「親が学校の先生など、
周りの期待にいつも答えなくてはならな」いようにさせるので、
子どもの孤独感の原因になると考えています。
付記:
「親から愛されている」と感じる子どもが、
欧米の民主主義国に比べて日本は少ないという調査があります。
日本の子どもの孤独感の強さは、これとも関係あるのかと思います。
イノチェンティ研究センターの調査は、
学校生活を意識しているようではあります。
「共働き世帯の子の肯定感」
「日本の子の低い肯定感」