認める法案を審議することになったのでした。
そして反対派が猛烈な抵抗をするという展開になっています。
「イタリア 同性カップルの権利法案提出前、国論二分」
イタリアで、同性カップルに結婚に準じた権利を認める「シビル・ユニオン」の
合法化法案が議会審議入りを控え、国論を二分している。
おそらく異性間の結婚に対しては、パートナーシップは
すでに認められているのだろうと思います。
対象を同性結婚まで広げるかということだと思います。
この法案は審議入りしたところで、可決するかどうかはまだわからないです。
反対派の抵抗は例によって激しいものとなっているからです。
「同性カップルの権利法案に反対デモ ローマ」
昨年末にギリシャで同性結婚に対するパートナーシップが認められたので、
イタリアは認められない唯一の欧米の民主主義国となっています。
「ギリシャの同性結婚雑感」
欧州人権裁判所は同性結婚に対してパートナーシップを
認めないギリシャに、制裁を課していたのでした。
イタリアも同じように制裁を受けています。
「同性婚禁止は「人権侵害」 欧州人権裁、イタリア政府に賠償命令」
イタリアには因習・反動的な家族のありかたを定める
憲法の条文があり、これは日本の「家族思想信仰」に
相当するものだろうと思います。
カトリック教会の影響が強いイタリアは憲法で
家族を「婚姻に基づく自然な共同体」と規定
法律で家族のありかたを明文化するのは
共産主義国にも見られることであり、中国の婚姻法に顕著です。
共産主義と宗教は、権力や権威が家族を管理するという点で、
同じような特徴を示すということなのでしょう。
「共産主義国の反同性愛」
毎日の記事では、賛成と反対の両方の意見や運動が、少し紹介されています。
どこの国でも同じようなことが展開されると思うところです。
ところが日本の場合は、選択的夫婦別姓に対して
まさにこのレベルの議論をしているのですよね。
法案提出した中道左派・民主党のモニカ・チリーナ上院議員(52)は
「欧州他国に比べて法整備が遅れているのは、文化的な問題によるものだ」と話す
28日の法案の上院審議入りを控え、23日にはイタリア全土の
98の市町村で同性愛者や支援者らが
「イタリアよ、目を覚ませ」をスローガンにデモを繰り広げた。
同性愛者団体は「議会は国民の声に耳を傾けるべきだ」と主張している。
世論は受け入れに傾いている。ミラノ大学のカルロ・リミニ教授(私法)は
「国民は政治家の先を行っており、イタリア社会は法案を
受け入れる用意ができている」とみる
反対派議員は修正動議を議会に提出。
イタリア司教協議会のパオロ・ジェンティーリ神父は
「法案では、同性パートナーが前の異性配偶者との間にもうけた継子が
養子となるケースが想定され、受け入れられない」と指摘する。
フランシスコ・ローマ法王も22日、
「神の望む家族との混同があってはならない」とくぎを刺した
イタリアはヨーロッパの中では、家族やジェンダーに対して
因習・反動的で遅れているほうです。
それでも日本よりは一回りも進んでいるということです。
むしろ日本がそれくらい遅れていると言ったほうがいいでしょう。
「神の望む家族との混同はあってはならない」
ですか…、バチカンからこんなこと言われると、賛成派はもちろん容認派もひるんでしまうかも知れませんね。
しかし、同じく教義に反するとされる離婚については、イタリア人も普通に受け入れているんですよね。いわゆる”教義”にのっとって教会で誓った年代、中高年の離婚率が意外にも高いようです。その辺、同年代の日本人より進んでるんだなーと思った記憶が…(あと、恐らく若い年代は、他の欧州諸国と同じく事実婚を選択する割合が多そう。)
だから、楽観的な見方をすれば、施行されれば案外抵抗なく受け入れられるんじゃないかなー?と思ったりもしています。
ただ、離婚や中絶より、道義的にも感覚的にも抵抗を覚える向きは多いだろうと…
当事者と関係者以外、積極的に賛成する理由がほとんど無いという意味では、相当苦戦するだろうなと思います。
比べれば日本の選択的夫婦別姓なんか、このレベルで語るものでも何でもなく、本能でも教義でも伝統でも無いものを、さくっと認めればいいのに。
(例えば希望者に実験的に導入して、数年追跡調査するとか何とか。)
ところで、
>「法案では、同性パートナーが前の異性配偶者との間にもうけた継子が
養子となるケースが想定され、受け入れられない」
これ、何が問題かよくわからないです。
むしろ、”継子の親権は無条件に前配偶者とする”方が子供が何かと不利益を被りそうですし。
うーんあるいは、”それゆえ、同性婚は双方初婚+継子がいないこを証明の上”みたいな不条理な条件をつけてくるのかな?
>「神の望む家族との混同はあってはならない」
>ですか…、バチカンからこんなこと言われると、
>賛成派はもちろん容認派もひるんでしまうかも知れませんね。
イタリアが家族やジェンダーに関して、因習・反動的なのは、
バチカンのお膝元だからということも大きいのでしょうね。
>いわゆる”教義”にのっとって教会で誓った年代、中高年の離婚率が意外にも高いようです
世代的に不本意な結婚が多かったということもあるのかな?
日本でも高度経済成長期に未婚率が低かったけれど、
女性に食いぶちがないと、そうなりやすいと思います。
アイルランドで離婚が認められるようになって
20年ほどになりますし、離婚はヨーロッパでは
ほぼ解決した問題になっているのかもしれないです。
>当事者と関係者以外、積極的に賛成する理由がほとんど無いという意味では
少数派の権利を多数決で決めてならないゆえんですね。
>日本の選択的夫婦別姓なんか、このレベルで語るものでも何でもなく
はなはだ悲劇的なことに、日本の「家族思想信仰」は、
本物の宗教よりもずっと強固で抑圧的なのですよね。
>これ、何が問題かよくわからないです
わたしもわからないですよ。
同性愛者が子どもを持つことがイカンということかもしれないです。
「親が同性結婚していると、子どもに悪影響」とか
信じているのでしょう。