2016年01月24日

出産適齢期は18歳から26歳?

「少子化だから将来の社会のために子どもを産め」という
趣旨のことを言う政治家がまた出てきました。
「出産適齢期は18歳から26歳」とも言っていて、
早く産まなければならないと言わんばかりでもあります。

松崎秀樹浦安市長、市の成人式のあいさつのときです。
「なんだまたか」という感じです。

「成人の日 東京ディズニーランドで成人式」
(はてなブックマーク)
「浦安市長の出産適齢期発言」
「成人式で「早く子ども産め」発言に非難 
女性の本音「適齢期に産めと言うなら生活費をくれ」」

「【成人式】浦安市長が成人式で「出産適齢期は18歳から26歳」発言 
ネットの未婚女性から怒りの声多数」



成人式では、浦安市の松崎秀樹市長が、新成人に向けたあいさつの中で、
「日本産科婦人科学会のデータ」だとして、
「出産適齢期は18歳から26歳を指すそうだ」と述べたうえで、
「人口減少のままで今の日本の社会、地域社会は成り立たない。
若い皆さん方に大いに期待したい」と述べました。

これについて松崎市長は式のあとの記者会見で、
「産まなければ人口は増えないし、率直な思いだ。
超高齢化社会でどれだけ若い人たちが大変な時代を迎えるか、
新成人が次の時代を考えていかないといけない
ということを率直に伝えた」と説明しました。

このたぐいの発言に関するいちばんの問題は、
個人のライフスタイルへの社会や政治による介入になることです。
子どもを産む、産まないはあくまで本人が決めることであって、
社会や政治のために産むのではないです。

社会や政治による個人のライフスタイルへの介入は、
通常は女性に多く圧力がかかることになります。
女性の自由な生きかたが狭められる原因になるということです。

http://b.hatena.ne.jp/entry/276098553/comment/takenokago
いやいや大学出て4年以内に産め、かつでき婚すんなっつーなら無理ゲーなんすが。
女は大学出るな、早く子供産めっつーことですね。、

ふたつ目の問題は、子どもを持つ人が減っている理由は、
雇用や年収の不安定といった経済的事情や、
仕事と育児の両立が困難な職場環境にあるということです。
出生率を上昇させるのは、社会や政治の課題です。

自由意志で子どもを持たないのではなく、
子どもが欲しくても持てない人が多いのが現状ということです。
よって出産世代の当事者たちに対して
「子どもを持て」と言っても、解決しないということです。


「出産適齢期は18歳から26歳」はなにが根拠なのかと思います。
松崎秀樹氏は日本産科婦人科学会のデータだと言うのですが、
日本産科婦人科学会はそんなデータはないと言っています。

「出産適齢期「18歳~26歳」否定 日本産科婦人科学会」
(はてなブックマーク)

千葉県浦安市の成人式で松崎秀樹市長が
「出産適齢期は18歳から26歳を指すそうだ」と発言したことを受け、
日本産科婦人科学会は14日、「学会として『出産適齢期は
18歳から26歳を指す』と定義した事実はない」とするコメントを発表した。
学会がまとめた一般向けの冊子では、「妊娠適齢期は35歳ごろまで」としている。


昨年の9月に話題になった、高校生用の保健体育の副教材に出てきた
22歳妊娠最適齢説だったりしないですよね?
この副教材の作成には日本産婦人科学会も関係はしていますよ。

「22歳妊娠適齢説が批判される」
「22歳妊娠適齢説・図の由来(2)」


posted by たんぽぽ at 15:04| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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