2016年01月01日

貧困対策で政府が寄付募集

昨年2015年の10月なのでちょっと前ですが、
安倍政権が子どもの貧困対策のために、寄付の呼び掛け(!)をしたのですよ。

「子どもの貧困で寄付呼び掛け=政府」
(はてなブックマーク)

これに先立って「子どもの未来応援国民運動」を発足させ、
NPOの生活支援事業に活用する目的で寄付を募る
「子供の未来応援基金」なるものを創設したのでした。


政府は19日、子どもの貧困対策を議論する
「子どもの未来応援国民運動」の発起人会議を首相官邸で開き、
1日に創設した基金への寄付を呼び掛ける決議を行った。

基金は、経済的に厳しい子どもを対象とした
NPOの生活支援事業などに活用する目的で設立。
政府は今後、基金を運営する日本財団とともに個人や企業から寄付を募る。

菅義偉官房長官は席上、「生まれ育った環境にかかわらず、
誰でも努力次第で大きな夢を持てる社会にしなければならない」と述べ、
1人親家庭の支援や奨学金の充実に取り組む考えを示した。

政府が寄付を募るというのは、なにを考えているのかと思います。
寄付を募るのは民間ベースの仕事です。
政府の仕事は税金を投入し、政策で支援制度を整備することです。
安倍政権は本質的に政府の役割を履き違えているようです。

「生まれ育った環境にかかわらず、誰でも努力次第で
大きな夢を持てる社会にしなければならない」というのなら、
なおさら政府が必要な財源を確保して、
政策として再分配のための社会制度を整えることです。
寄付なんて「個人の善意」に頼っていては、
財源の規模と安定性の両面においてふじゅうぶんです。

貧困対策を寄付に頼らざるをえないのは、
政府による再分配機能がそれだけ弱いということです。
子どもの貧困率が高いのは政府が自分で作り出したことです。
それにもかかわらずみずから責任を取らないで
「個人の善意」に責任を転嫁しているとも言えます。


貧困対策のために「子供の未来応援基金」を
設立するお話は、2015年4月ごろからありました。
10月に入って、本当に基金を創設したということです。


安倍政権は「はした金」程度の子育て給付金も出せなくて
廃止にしようとするくらい、財政難だと主張するのでした。
そういう状況だからこそ「貧困対策のためのお金がないので、
国民のみなさまの善意に頼ります」と考えるとも言えます。
日本は国力がそれくらい「末期症状」に陥っていることを、
みずから認めているとも言えるでしょう。

「子育て給付金・また廃止?」



付記:

「子供の未来応援基金」発起人の名簿。
安倍晋三首相も発起人に入っていて、それなりに力が入っているみたいです。

「「子供の未来応援国民運動」発起人集会」

「子供の未来応援基金」発起人 名簿(1/2) 「子供の未来応援基金」発起人 名簿(2/2)



posted by たんぽぽ at 17:08| Comment(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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