2015年12月20日

「結婚改姓で離婚の抑止」論

選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)のステレオタイプです。
いい加減聞き飽きたお話ですが、12月19日エントリでご紹介の
竹田恒泰氏のツイートに直接リプライしていたので、
注目を浴びることになりました。



「益々離婚する夫婦が多くなるようなだろう」などと言うのなら、
データを出して実証的に示すことだと思います。
よくご存知のように選択的夫婦別姓の導入で
離婚が増えたことを示すデータは存在しないです。

非共存派が出したことがあるドイツスウェーデンのケースは、
どちらも選択的夫婦別姓のせいで
離婚が増えたのではないことはわかっています。

「選択的夫婦別姓のまとめ(5)」


そもそも離婚が増えるのは悪いことなのかという疑問があります。
一般には、女性の社会的地位や経済力が向上することで、
離婚が増える傾向にあります。

「世界的に離婚が増えている」

これは家庭生活や結婚生活は多かれ少なかれ男性中心で
女性に犠牲を強いる部分があるからであり、
女性が自立できるようになることで、
無理してそうした犠牲に耐える必要がなくなるからです。

「世界各国で上昇する離婚率、韓国は急増し3位に―中国メディア」
全国婦女聯合会婦女研究所の専門家は、女性の社会的地位や
経済力が向上したことで、我慢して他人と暮らしていく必要が
なくなったためだと指摘している。


最初のツイートの人は「離婚すると旧姓に否が応でも
戻さざるを得ない」などと言ってもいます。
これもよくありがちですが、「婚氏続称」を知らないみたいです。

離婚したとき旧姓に戻さない選択は現行法で認められています。
これは改姓によって離婚したことがわからないようにという、
プライバシーの保護のためであることが大きいです。

「離婚・再婚のときの苗字」


「婚氏続称」があることを指摘されると、最初のツイートの人は、
「婚氏続称を選択する人は少ない」と言ってきました。
婚氏続称を選択する人も多いことを指摘されると、
今度は「離婚後も婚氏を使う人の精神構造を疑う」という
趣旨のことを言い出してきました。

どんどん主張がぶれていますが、現状に合わせて自分の認識を
変えるのではなく、自分の信念に現状を合わせようとする
精神構造がうかがえるようです。


現実には離婚で旧姓に戻すかたもたくさんいらっしゃります。
そのせいで離婚は3月が多くなっています。
4月に子どもが新しい生活を始めるので、
それに合わせれば子どもの改姓の負担が少なくなるからです。

「春は離婚の季節」

最初のツイートの人が考えるように、改姓は離婚の抑止にならないどころか、
とくに子どもにとって余計な負担になっていると言えます。


これもよくご存知のように、現状は96%のケースで女性が結婚改姓します。
最初のツイートの人の理屈だと、現行の夫婦同姓では、
結婚改姓をしないほぼ全部の男性に対しては
離婚の抑止にはならないことになります。

「結婚改姓で離婚の抑止」論を展開する人たちは、
男からは離婚しやすくてよいが、女から離婚は切り出しにくいのが
よいと考えている、ということになるのでしょう。
こうした考えが差別的であることは言うまでもないです。


posted by たんぽぽ at 15:19| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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