2015年12月13日

親の離婚で夫婦同姓希望?

NHKの「クローズアップ現代」の選択的夫婦別姓の特集の続き。

「家族の名字 どう考えますか? ~“夫婦別姓”のゆくえ~」

「家族の名字 どう考えますか? ~“夫婦別姓”のゆくえ~ 
#nhk #クロ現 #クローズアップ現代」


「家族の名字どう考えますか?」
「家族思想信仰の別姓反対派」
「同姓強制と女子差別撤廃条約」
「日本の同姓強制と諸外国の現状」

番組では、夫婦同姓を強く切望する女性が、登場するのですよね。
原因は親の離婚とあります。こういう理由で夫婦同姓願望が
強くなる人は、ときどきいらっしゃるようです。


両親の離婚を経験していたため、夫婦が同じ名字であることを
強く望んでいたのです。

妻 ゆかりさん「お父さんがいてお母さんがいて家族で
という憧れが強かったので、やっぱり自分でもあたたかい家族が
ほしいなと思っていたので、同じ名字で同じひとつ屋根の下で
という憧れがすごくありました。」

このかたの親も結婚していたときは、夫婦同姓だったとたぶん思います。
父母で名字が異なるようになったのは、
離婚した際、母親が旧姓に戻したからだろうと思います。

あくまで同姓の夫婦が離婚したのであり、
夫婦同姓でも離婚はいくらでもあり得るということであり、
別姓ゆえに離婚したのではないということです。
それゆえ「親が離婚したから夫婦同姓希望」というのは、
筋が通っていないのですよね。


おそらく父母のどちらかと名字が違っていて、
親が離婚したことがわかりやすくなったので、
「名字が異なる=離散家族」「名字が同じ=仲のよい家族」のように、
刷り込まれたのではないかと、わたしは想像します。

この場合も、本来問題視するところは、
「夫婦は同姓であるべき」という家族観のはずです。
そんな家族観がなければ、名字が同じかどうかで、
家族としてまとまっているかどうかを問題にしたりしないです。
そして結婚や離婚に改姓がともわなければ、
そもそもが起きない問題だからです。



どのような理由で夫婦同姓を望んだところで
(その理由がいかに理不尽で不可解なものであっても)、
夫婦同姓を選択することは、現行民法がすでに認めています。
そして選択的夫婦別姓が認められたところで、
夫婦同姓の選択が認められることに変わりないです。

そこへもってきて、あえて結婚改姓願望の強い女性を
登場させるのは、なにが言いたいのかと思うところです。
この手の特集で、夫婦同姓を希望する女性が
あまり登場しないのは、そうしたかたの選択には影響がないので、
意味がないからだろうと思います。

この女性が夫婦同姓をのぞむのは、「家族の一体感」のためです。
その直前には、「一体感」幻想を主張する
平成国際大学の高乗正臣氏のコメントがあります。
「家族の一体感のためには、やはり夫婦同姓でなければだめだ」と
印象操作がしたいということなのでしょうか?


しかも夫が夫婦別姓に理解があるかたなので、
ますますなにがしたいのかと、勘ぐりたくなってきます。
「だれがなんと言おうと女は結婚改姓を望む」とか、
「結婚改姓を望むのがまともな女」とでも言いたいのでしょうか?
大学時代に法律を勉強していた夫の貴鋭(たかとし)さん。
夫婦別姓について学び、今の制度に疑問を感じていました。
結婚するとき、名字をどうするか、妻のゆかりさんに尋ねました。

上田貴鋭さん
「人それぞれ自分の名前に愛着を持っているかもしれない。
そういう気持ちは大事にしたいと思った。」

NHKの世論調査の報道で、二宮周平氏のコメントにあった、
夫婦別姓には個人の尊重と男女の平等、2つの意味が込められている
の両方のアンチテーゼに都合がよかったのかもしれないです。



関連エントリ:

「家族の名字どう考えますか?」
「家族思想信仰の別姓反対派」



posted by たんぽぽ at 22:12| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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