NHKの「クローズアップ現代」の選択的夫婦別姓の特集の続き。
「家族の名字 どう考えますか? ~“夫婦別姓”のゆくえ~」
「家族の名字 どう考えますか? ~“夫婦別姓”のゆくえ~
#nhk #クロ現 #クローズアップ現代」
ゲストとして、社会部の中島俊樹記者が登場します。
おもに諸外国の状況についてお話しています。
日本の政府も、夫婦で同じ名字にするように法律で義務づけている国は、
日本以外は把握できていないとしています。
例えばドイツなんですが、夫婦のどちらかの名字を選ぶ。
ただ、決まらない場合は、夫の姓にするというルールがあったんですけれども、
やはり女性差別だということで、1990年代に見直されました。
またアジアでも、例えばタイは、妻が夫の名字にするということを
義務づけていたんですけれども、これも2005年に
法律改正によって見直されているんですね。
「日本の政府も」というのは、メインブログの9月27日エントリで触れた、
2010年の衆院調査局の資料のことだろうと思います。
この時点で、日本の夫婦同姓の強制は「ガラパゴス」なのですが、
その後の5年間で、諸外国はさらに家族法を改正しているのでした。
「世界の夫婦別姓 ・2010年代の動向」
中島俊樹氏のコメントは、
国によって制度や慣習が違うので、一概には言えないと思うんですけれどもで始まっているのですよね。
これはなにが言いたいのだろうと、ちょっと思います。
ここでの問題は「名字に関する選択はどれだけあるか」、
「その選択肢の中に夫婦とも非改姓はあるか」だと思います。
そうなると結構「一概に言え」るように、わたしは思いますよ。
「一概に言えない」要素は、「ジャマイカの夫婦同姓は慣習であって
法律で定められていないが、日本の夫婦同姓は法律で
義務付けられている」といったことだろうと思います。
あるいは「タイの夫婦同姓は必ず妻が改姓だったので、
女性差別という違憲判決を出しやすかったが、
日本は男女どちらの名字でも選べて表面的に男女平等なので、
女性差別と判定にくい」といったことではないかと思います。
「夫婦別姓制度が必要なワケ(3)」
つぎのようなコメントもあります。
国内では日本の戸籍制度、この戸籍制度は非常に独特の、
世界から見ても独特のものですので、海外の事情と単純に
比較すべきではないと、そういう意見があることも事実です。
日本には「独特」の「戸籍制度」があると、どうなるのかと思います。
戸籍法より民法が上位法ですから、民法に合わせて戸籍法を
定めるのであり、戸籍法の都合で民法を規定するのは本末転倒です。
「家族思想信仰」の観点から言えば、
「戸籍」は彼らの「信仰」を表現したものです。
日本にはこうした「独特」の「信仰」があるがゆえに
民法改正を阻害しているということになるでしょう。
戸籍の存在をもって、日本が「独特」ということを問題にするなら、
選択的夫婦別姓の実現が世界的にも遅れて、
「ガラパゴス」になった大きな原因のひとつである、
ということを考えることになるでしょう。
関連エントリ:
「家族の名字どう考えますか?」