2015年12月12日

同姓強制と女子差別撤廃条約

メインブログの12月12日で取り上げた、
NHKの「クローズアップ現代」の選択的夫婦別姓の特集の続き。

「家族の名字 どう考えますか? ~“夫婦別姓”のゆくえ~」

「家族の名字 どう考えますか? ~“夫婦別姓”のゆくえ~ 
#nhk #クロ現 #クローズアップ現代」




番組では国連女子差別撤廃委員会委員長の林陽子氏に
インタビューをしています。(この人選はとてもよいと思います。)
国連の女子差別撤廃委員会からは是正を求められています。
別姓を認めない日本の制度を“差別的だ”と批判しています。
委員長を務める弁護士の林陽子さんは、日本は対応を急ぐべきだと指摘します。

「97パーセントの婚姻中のカップルが夫の氏を
選択しているということは、効果において女性に不利益であると。
法律が平等ではないからではないかと懸念を抱かれている。
結婚の形であるとか女性の生き方が、
これだけ大きく戦後に変わってきていますので、
それに法律の改正が追いついていないのが現状ではないかと思います。」

女子差別撤廃委員の勧告では、現行の日本の民法を
「差別的法規(Discriminatory legislation)」としています。
「男女どちらの名字でも選べるから男女平等」という
反対派(非共存派)の言い逃れは、ぜんぜん認められないわけです。


女子差別撤廃条約の16条は結婚や家族に関することですが、
(g)項ではとくに名字について、夫と妻が同一の
個人的権利を持つことを念押ししています。

第十六条
1 締約国は、婚姻及び家族関係に係るすべての事項について
女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるものとし、
特に、男女の平等を基礎として次のことを確保する。

(g) 夫及び妻の同一の個人的権利(姓及び職業を選択する権利を含む。)

日本の現行民法は、夫婦がふたりとも結婚改姓したくないとき、
「同一の個人的権利」が認められないので、
条約が守られていないということになります。

また(g)項は「姓及び職業を選択する権利を含む」と
かっこ書きで加えられていいて、名字の権利というのは、
世界的にも守られにくかった、ということだろうと思います。


日本の同性強制は、女性差別に当たることや、
国連の女子差別撤廃委員会から改正するよう勧告を受けていることに
触れているのは、よいことだと思います。
少し前であれば、こうした論点は触れなかっただろうからです。



関連エントリ:

「家族の名字どう考えますか?」


posted by たんぽぽ at 22:15| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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