2015年12月09日

夫婦別姓で社会の安定が崩壊?

メインブログの12月9日エントリでNHKの世論調査をご紹介しました。

「NHK・夫婦別姓の世論調査」

ここでインタビューされている反対派(非共存派)の意見が
意味不明でなんのことやら、なのですよ。

「夫婦別姓 世論調査で賛否大きく分かれる」



夫婦別姓に反対している、憲法学者で平成国際大学の高乗正臣名誉教授は、
世論調査で賛否が大きく分かれていることについて
「個人に重点を置くか、公の利益に立脚するかの違いではないか。
個人の権利が大事だと考えると婚姻や戸籍の制度は
拘束されるもののように映るが、こうした家族の制度は
社会の秩序の維持や子どもの福祉に貢献してきた。

名字が同じであることは家族を統合する重要で有力な手段なので、
選択的であれ、夫婦が別の名字であることを認めると、
社会の安定や福祉の基盤が崩壊していく危険が
あるのではないか」と述べています。


意味不明な非共存派の主張に出会ったときは、
例の「家族思想信仰」で解読するのがいいでしょう。
「家族思想信仰」を持っているかたたちは、
社会の構成員がみんな自分と同じ「信仰」を持つことで、
秩序が維持されるとか、安定すると信じています。

それゆえ夫婦別姓のような「異教徒」が増えると、
「社会の安定や福祉の基盤が崩壊」すると言うのでしょう。
よくある「夫婦別姓を認めると家族が崩壊する」とか
「国家が解体する」というのと同種の主張ということです。

みんなが「信仰」を持たないと社会の秩序が崩れると
信じているのですから、みんなが「信仰」を持つことが
「公の利益に立脚する」と考えるのも、必然的と言えます。
「信仰」を持った人たちにとって「異教徒」とは
「公の利益」に反する存在ということになるわけです。


「名字が同じであることは家族を統合する重要で有力な手段」
とか、「子どもの福祉に貢献してきた」というのも、
「信仰」にもとづいた家族は「正しい」から
問題は起きないという、彼らの教義によるものでしょう。


この裏返しが、夫婦別姓のような「異教徒」の家庭は離婚が増えるとか、
「異教徒」の家庭の子どもはいじめられるとか、
少年犯罪に走りやすくなる、といったことになります。


また、世代によって意見が大きく異なっていることについては
「若い世代は多様な選択肢に寛容だが、社会にとっての家族の重要性を
どれくらい理解しているのかが若干心配だ。
これに対し、高齢者は家族の大切さを経験的に
理解しているのではないか」と話しています。

「家族思想信仰」のかたが「家族の重要性」とか
「家族の大切さ」と言うときは、「家族思想信仰に従うこと」の
「重要性」とか「大切さ」ということになります。
(単に「家族」とだけ表現するあたり、「信仰」に従わない家族は
家族ではないと、言いたいのかもしれないです。)

若い世代は「信仰」にとらわれる人が少なく、
もっと家族に関して合理的、理性的に考えられること、
そして高齢層は「信仰」にとらわれて抜け出せない人が多い、
ということを言っていることになるでしょう。


関連エントリ:

「NHK・夫婦別姓の世論調査」


posted by たんぽぽ at 22:14| Comment(3) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本当に家族を大切にするのであれば、名字を変えたくない人にもかえなくてもいい選択肢を与えるべきだと思います。
Posted by あいうえお at 2024年07月24日 17:01
老害の気持ちの安定に過ぎない気がします
Posted by あいうえお at 2024年07月24日 17:11
ご指摘のとおり、家族を大切にする人は、
どのようなかたちの家族であっても、
そのありかたを大切にすると思います。
夫婦別姓の家族もしかりです。


>老害の気持ちの安定に過ぎない気がします

反対派(非共存派)の男性の本性は
「妻が望まなくて改姓させて、
自分の苗字で夫婦同姓にしたい」だと思います。

選択的夫婦別姓が実現すると、
妻が生来の苗字に戻すので、
自分の自己中心的な欲望が得られなくなる、
ようはそういうことだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2024年08月02日 16:55
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