世界ではほとんどの国で選択的夫婦別姓が認められて、
いまだに頑なに夫婦同性強制の日本は、すっかり取り残されています。
そうは言っても諸外国でも、結婚時の名字の選択が
限定されているところは、まだいくつか残ってはいます。
そのうち2010年以降で変化があった国の記事を集めてみました。
インド:
2012年2月にムンバイ高等裁判所で、
結婚改姓が女性にとって障害になっているという判決を下す。
「Now, women can retain their maiden name」
(いまや女性も生来の名字を維持できる)
フィリピン:
2010年に結婚した女性が改姓するかしないかは、
選択であるという判決を最高裁が下す。
「Miss, Ms, or Mrs? Philippine law on surnames for married women」
(ミス、ミズ、それともミセス?
結婚した女性の名字に関するフィリピンの法律)
ジャマイカ:
慣習で夫婦同性ですが、非改姓結婚している女性のお話。
「Giving up your maiden name…」
(生来の名字を諦めること…)
オーストリア:
おそらく国際結婚で外国人が女性の場合だと思います。
2013年4月以降結婚した場合、とくに届けがなければ
女性の名字は生来のままとなることになった。
2013年3月までに結婚した場合、夫の姓を得ることになる。
「Change of Name」
(改姓について)
国内結婚の場合、夫婦共通の婚氏を定められますが、
定めない場合は、生来の名字を維持することになります。
トルコ:
2014年8月、女性の非改姓結婚を認めない家族法の規定が
憲法違反という判決が憲法裁判所から出た。
「Prohibiting married women from retaining only
maiden names a violation: Top court」
(結婚した女性が生来の名字を維持することを
妨げるのは憲法違反である: 憲法裁判所)
イタリア:
2014年1月、子どもの名字は必ず父のものとするイタリアの慣習は
女性差別的であるという判決を、憲法裁判所が下す。
「Italy told: No law says baby has to have dad’s surname」
(イタリア発: 赤ちゃんの名字はパパと同じでなければならないという法律はない。)
イタリアは名字は結婚しても不変という原則で、
むかしから夫婦別姓となっていました。
21世紀に入って「まだ残っているところ」も
2010年代に入って、つぎつぎと解消していくようです。
2010年に作られた衆院調査局の資料は、早々に古くなったわけです。
(それとわたしのサイトのコンテンツもですが。)
2010年代もすでに後半ですが、今後もまだ残っている
他国で名字に関する女性の権利が認められないところは、
どんどん違憲判決が出たり、家族法を改正していくことが予想されます。
いい加減取り残されている日本は、ますますもって
その「ガラパゴス」ぶりがきわ立ってきたわけです。
これで12月16日に予定されている選択的夫婦別姓の訴訟に
違憲判決が出なかったら、絶望的なまでに
取り残されることになると思います。
付記1:
2010年の衆院調査局の資料から作った表。
謝辞:
メインブログの9月27日エントリで、英語の6つの記事を
ご紹介してくだっさった魚さま、まことにありがとうございます。
https://www.help.gv.at/Portal.Node/hlpd/public/content/7/Seite.070130.html
によれば、国際結婚のことではなく、一般的な話のように見えます。ただ、私はドイツ語はまったくダメで、ドイツ語→英語のGoogle自動翻訳(ドイツ語→日本語の翻訳よりはまし)を読んでの理解なので、心もとないので、確信はありませんが(すみません)。(2013年4月、という日付も書いてあります。)
ドイツ語版Wikipediaでも、「何もしなければそのまま婚前氏を持ち続ける(オーストリア)」と書いてあるように見えます。(がやはりドイツ語なので自信がありません。(すみません。)
https://de.wikipedia.org/wiki/Namensrecht
もう少し文献を探したいところですが、ドイツ語は読めない。。。。
もしかすると、保守政権だから裁判所が口を出す、というどこぞと同じ構図なのかもしれませんが(すべて推測ですのであしからず)
そしていろいろ調べてくださって、ありがとうございます。
>https://www.help.gv.at/Portal.Node/hlpd/public/content/7/Seite.070130.html
>によれば、国際結婚のことではなく、一般的な話のように見えます
拝見しました。
どうやら国内結婚がメインの一般的なお話のようですね。
こちらはイギリス人向けのオーストリア外務省のサイトで、
イギリスの選挙権はなくなるとか、二重国籍の場合の扱いとかについて
書いてあるので、国際結婚かな?と思ったのでした。
http://www.bmeia.gv.at/en/embassy/london/practical-advice/consular-services/change-of-name.html
>(2013年4月、という日付も書いてあります。)
これは”Doppelname(結合性)”の場合の注意書きですね。
2013年4月までに結婚したかたは、2013年9月以降適用される
といったようなことを書いています。
“Getrennte Namensführung(夫婦別姓)”の場合は、
日付に関する記述はとくにないようです。
オーストリアはもともと夫婦別姓は認められていたようなので、
届けを出さなかった場合の扱いが、「夫の姓になる」から
「生来の名字を維持する」に変わった、ということかもしれないです。
わたしのドイツ語もぜんぜんたいしたことないので心細いですが。
>どこぞの東洋の国もかくやという「保守」政権らしいですが
「男女平等は「自然の摂理に反する」」発言とかありましたからね。
http://www.asahi.com/articles/ASGCT1W6BGCTUHBI003.html
大統領が自分で言うところは、「おともだち」に全部言わせて、
自分ではなにも言わない「どこぞの東洋の国」の
首相より稚拙と言えそうですが。
>保守政権だから裁判所が口を出す、というどこぞと同じ構図なのかもしれませんが
わたしも同じような推測をしています。
>“Getrennte Namensführung(夫婦別姓)”の場合は、日付に関する記述はとくにないようです。
なるほど。イギリス人向けの資料とあわせて読むと、2013年に
>届けを出さなかった場合の扱いが、「夫の姓になる」から
>「生来の名字を維持する」に変わった、ということかもしれないです。
となった可能性が高そうですね。そうかいている文献を見つけない限り確信はできませんが。
何はともあれ、2010年の資料はすでに古いことは確かですね。
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> 自分ではなにも言わない「どこぞの東洋の国」の
> 首相より稚拙と言えそうですが。
まったくです(笑)
どこぞの首相はそのあたりは実に陰湿極まりないですからね。
http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/kihon/yousi/pdf/bessi-chukan.pdf
では、まだオーストリアは「同氏」or「婚前氏を前置」のいずれか、となってますね。。それから今日までのいずれかで変化した(のか、そもそも、この資料が間違っていたのか。。)
2010年の資料にどう書いてあるのかはわかりませんが。。。
>どこぞの首相はそのあたりは実に陰湿極まりない
一度失敗しているので、用心深くなっているのでしょう。
お得意の「美しい国」も言わなくなりましたし。
それなりに「失敗から学んだ」ということでしょうね。
「おともだち」に言わせて、自分では言わないというのは、
フェイスブックのコメント欄がよく表れていると思います。
(ネトウヨの差別発言を野放し、抗議のコメントがあると削除。)
http://taraxacum.seesaa.net/article/410431452.html
こちらもごていねいにご紹介ありがとうございます。
1995年に法改正とありますね。
わたしのコンテンツの情報は、
『よくわかる民法改正』の11-12ページです。
http://honto.jp/netstore/pd-book_03241656.html
ここに
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4. 夫婦の共通の氏として婚氏を定めるが、
定めなかった場合には、それぞれの自己の氏を称する国
ドイツ、オーストリアなど(実質的に1.と同じ)
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とあるのですよね。
この本は2010年なので、9年間のあいだに
さらに家族法が改正された可能性はあります。
おっしゃるとおりで、段階的に改善されている可能性も十二分にありそうですね。
(我々は一気に解決してほしい、と思いますが、どこにでも反対派はいるものですし。)
http://www.expatica.com/ch/family-essentials/Getting-married-in-Switzerland_106051.html
こちらも2013年に今までと逆になった、と書いてあります。(自分の名前を保持するのがデフォルトに変わった、と書いてあります)
http://la-sagra.net/archives/508
子供の名前に関しても近くまとめてくださるそうなので期待しています。
>(我々は一気に解決してほしい、と思いますが、どこにでも反対派はいるものですし。)
日本の場合、違憲判決が出ても、夫婦別姓は子どもの名字は統一、
再婚禁止期間は100日残る、ということになりそうです。
>http://www.expatica.com/ch/family-essentials/Getting-married-in-Switzerland_106051.html
またまたご紹介ありがとうございます。
2013年にデフォルトで非改姓とありますね。
選択的夫婦別姓が認められるようになった、ということですね。
『よくわかる民法改正』の11-12ページを見ると、
スイスは夫の名字が夫婦の姓で、妻は自分の生来の名字を
付加できるとなっているのですよね。
3年のあいだに変化したということだと思います。
http://honto.jp/netstore/pd-book_03241656.html
こちらもご紹介ありがとうございます。
夫婦同性の強制がなくなったのは1975年なのですね。
(それまで家父長制的な民法が続いていたというのは、ちょっと驚きです。)
1975年というのは、アメリカ合衆国で名前闘争を
やっていた時期ですから、選択的夫婦別姓については、
イタリアはかなり早かったことになりますね。
イタリアはもともとは名字は結婚しても不変という意識があって、
近代の一時期に夫婦同姓を義務付ける民法を定めていた、
という感じなのかもしれないです。
ご紹介の記事では、
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「明治の日本は西洋を模倣して夫婦同姓を導入した」という説も
疑ってかかるほうがよいような気がします
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と書いていますね。
家父長制はナポレオン法典からの由来だけど、
夫婦同姓はフランス以外の国からだとは言われてはいます。
明治時代に民法の起草をした人たちが、
イタリアを参照したかどうかという問題はあると思います。
参照したとしても、夫婦同姓を定めた条文だけ注目して、
エントリで書いているような制度設計の思想までは
参考にしていない可能性はありますよ。