2015年11月27日

DNA鑑定と親子関係不存在

俳優の大沢樹生さんと元妻喜多嶋舞さんとのあいだの息子が、
大沢樹生さんの実の息子でなかった、ということが話題になっています。

「長男との親子関係否定=大沢樹生さん訴え認める-東京家裁」
「裁判沙汰になっていた大沢樹生の実子騒動」
「大沢樹生DNA裁判 親子関係をはっきりさせようとした理由」
「大沢樹生と親子関係は存在しない!
喜多嶋舞の長男との親子関係不存在訴訟で大沢サイドが勝訴!」

大沢樹生さんは親子関係不存在を示すために裁判を起こし、
東京家庭裁判所が訴えを認めたのでした。
この裁判で大沢樹生さんはDNA鑑定の結果を
証拠として提示したのでした。
詳しい経緯は以下の記事をご覧いただきたいと思います。



いささかきになるのは、つぎの記事に出ている判決の要旨です。
これを見ていると、民法772条の嫡出推定がDNA鑑定に優先する感じです。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015111900651
蓮井裁判官は、長男が生まれたのは結婚から200日目で、
「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子で、
結婚から200日経過後に生まれた子は婚姻中に妊娠したと推定する」
とした民法772条の「嫡出推定」規定は及ばないと指摘。
その上で、「2人は血縁関係にない」とするDNA型鑑定の結果から、
長男は大沢さんの実子ではないと認めた。

もし息子さんが産まれたのが結婚してから201日目であれば、
DNA鑑定が明確に実の親子でないことを示していても、
親子関係不存在は認められなかったのか、とも思います。


民法の嫡出推定を金科玉条のように守るのは、
「家族思想信仰」に厳格になっているためと思います。
DNA鑑定より嫡出推定が優先されるというのは、
科学的根拠より「信仰」が大事ということです。

他国では再婚禁止期間がある(あった)場合でも、
妊娠していないことが示されれば結婚できることが一般的です。
日本ではいっさいの医学的証明が認められないのも、
「家族思想信仰」に原理主義的になっているからと思います。


原告の弁護士は、DNA鑑定が勝訴の決め手になったと考えています。
DNA鑑定が重要な役割を果たしたことは確かかもしれないです。
嫡出推定だけでも、親子関係不存在は認められなかった
可能性はあった、ということでもあるかもしれないです。

http://www.jprime.jp/johnnys/motojani/21094
そこには資料として提出されたDNA鑑定の書類が。
ハッキリと《総合父性指数 0》《父性確率 0%》と
書いてあることが確認できた。

今回、大沢が勝訴した判決結果を見て、
『弁護士法人・響』代表の西川研一弁護士は、こう語る。
「DNA鑑定の結果の信用性が肯定されたことが
勝訴の決定的な要因でしょう」


謝辞:

メインブログの11月7日エントリのコメント欄で、
大沢樹生の訴訟の情報をくださったうがんざきさま、
ありがとうございます。

posted by たんぽぽ at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック