2015年11月03日

伝統的価値観・きずな・一体感

メインブログの11月2日エントリでご紹介した、
民法改正法案の訴訟の大法廷での弁論の記事ですが、
産経の記事は見出しに「伝統的価値観」と書いてあります。

「家族のかたちどう判断 伝統的価値観か現代的な多様性か 
夫婦別姓、再婚禁止期間の違憲性争う訴訟 4日に最高裁大法廷弁論」

(はてなブックマーク)



選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、夫婦同姓の強制をはじめ、
自分たちが信奉する家族観を「伝統的」と信じています。
これは具体的には「夫が外で働き妻は専業主婦で
子どもはふたり」という「標準家族」のことです。
高度経済成長期に定着した、比較的新しいライフスタイルです。

「反対派の「正しい家族」幻想」

彼らはかかる戦後の家族観を「家族思想」として「信仰」しています。
そしてその「信仰」のもとでは、かかる家族のありかたは
「伝統的」だと信じられているということです。

「信仰としての家族思想」
「信仰としての家族思想(2)」

半世紀と少しの歴史しかないし、欧米から輸入した
家族観であって日本固有のものでもないです。
「因習・反動的」と言ったほうがいいだろうと思います。

「夫婦同姓は日本の伝統?」


産経の記事は「家族のきずな」とか、八木秀次にコメントさせて
「家族の一体感」とか、これまたお約束のことを書いています。
反対派(非共存派)は、夫婦同姓でないと「家族のきずな」や
「家族の一体感」が保てないと、かたくなに信じているわけです。
(これをご覧のみなさんも、へきえきするくらいよくご存知ですね。)

八木教授によると、夫婦同姓での氏名が「家族名に個人名を加えたもの」
である一方、夫婦別姓では「氏名は完全に個人のものになる」と指摘。
別姓を選択すれば夫婦や親子の姓が異なり、
同姓を選択したとしても夫婦やその子供の「個人の呼称」が
一部重なるだけになるため、「家族の一体感が希薄化する」と懸念する。


この「家族のきずな」や「家族の一体感」も、
実体は「家族思想」の「信仰」が維持されるという意味です。
「名字がいっしょでないと家族の一体感が希薄化する」
という反対論者(非共存派)の定番の主張は、
「名字がいっしょでないと、家族思想の信仰が崩れる」
ということを、意味することになります。

反対論者(「家族思想」の信奉者)の主張する
「きずな」や「一体感」は、一般的な意味でのそれらとは、
異なると思ったほうがいいでしょう。
それゆえ「きずな」や「一体感」について、
反対論者と会話しても、どこか噛み合ないのだと思います。


反対論者の精神・思考構造は「家族思想」に対する
「信仰」にもとづいていると考えると、
解読くらいはできるようになるのだと思います。

「信仰で解読する反対派の主張」



付記:

Yahoo配信版では「伝統的価値観」が「絆」になっています。
(ウェブ配信記事でも見出しの字数制限はあるのかな?)

「家族の形どう判断 絆か多様性か 夫婦別姓、再婚禁止期間 4日に最高裁弁論」



関連エントリ:

「民法改正・最高裁で弁論」


posted by たんぽぽ at 07:40| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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