2015年04月25日

出産でパートに回される

メインブログの4月19日エントリでご紹介した、
女性が妊娠・出産によって、パートに回される現状について
書いた記事を、もうすこし見ていくことにします。

「ガラスの天井:女性と仕事/1 「産後はパート」上司が強制」
(はてなブックマーク)

記事は登録しないと読めないですが、はてなブックマーク
わたしのツイートからリンクをたどると、読めるのではないかと思います。



なぜ出産や育児で休職した女性が、復職後にパートに回されるかですが、
大きな理由は、労働力を安く買いたたくためですよ。
国学院大学経済学部の本田一成教授はこう話す。
「パートが正社員より安い賃金で正社員並みに働いてくれれば、
浮いた賃金が企業の収入になる。つまり、従業員から金を巻き上げているんです」。
パートへの転換を求める企業の「うまみ」もここにある。

胸には社内研修を修了した印のバッジが並ぶ。 「こんなのもらっても
時給は10円くらいしか上がらない。 むしろ会社の要求が増えるだけ」
正社員時代も含めると勤続年数は間もなく20年になる。
だが、今も時給1000円ほど。「高校生より安いかも」と思う。

女性の労働力が安く買いたたかれる原因のひとつは、
配偶者控除の存在があります。
安い時給で正社員と同じ時間を働き、同様の仕事をしたのでは割に合わない。
それより夫の扶養家族にとどまり、夫が配偶者控除を受ける方が得、
と考える人が多くても不思議ではない。
結果、多くのパート主婦の所得は控除対象となる
上限の130万円未満にとどまり、低待遇から抜け出せない。  

本田教授によると「主婦パート」は約800万人。
全員が控除の範囲内で働くわけではないが
「年収が決まっている人が800万人もいるということ。
その低待遇に若者もシングルマザーも巻き込まれている。
正社員の労働強化にもつながる」と配偶者控除の「足かせ」を問題視する。

控除を受けられる年収に抑えるために、あえて低待遇を選ぶ
女性が出てくるので、そのあおりでほかの女性まで
低待遇になるという、よく言われていることです。
配偶者控除によって、女性の労働力がダンピングされるので、
値崩れするとも言えます。


本人の意志に反して、正規雇用からパートへの転換を
要求するのは、法律に違反することです。
裁判を起こせば原告は勝訴するようですが、
会社は敗訴してもぜんぜん反省しないこともあるようです。
パートへの転換を求められたのは出産後の女性だけだ。
そもそも、男女雇用機会均等法違反であり、正社員からパートへの変更を
強要してはならないことは厚生労働省も明示している。

「このまま泣き寝入りしたくない」。
労働審判に訴えたチエさん側の主張は裁判官に全面的に認められ、和解となった。
だが職場には絶望し昨年、退職した。
今春、育休から復帰した後輩がパートになると聞き
「何も変わっていない」とがくぜんとした。

妊娠・出産したあとの女性の雇用環境や労働環境は、
常識的にご存知のかたも多いと思います。
それでもここまで露骨なことが、あたりまえとして
まかり通っていると思うと、あらためて衝撃的だと思います。

「女性活用」とか「女性が輝く」と豪語するなら、
こうした現状をこそ改善してしかるべきです。
女性の労働力を安く買いたたいておきながら、
いったいどこが「女性が輝く」なのかと思います。

また出産や育児によって、低待遇への転換を余儀なくされることが多いなら、
子どもは持たないと考える女性が増えるのも、無理もないことです。
2040年に出生率を2.07にするというのなら、
こうした現状を改善することも、とうぜん必要というものです。



付記:

子どもがいる女性は、フルタイム就業の割合が大きく減って、
専業主婦率が高くなる。

「子どもの有無と就労形態」


結婚している女性は非正規雇用の割合が高くなる。

「就労形態と未婚率の関係」


日本の女性の労働力率の向上は、女性を非正規やパートといった
労働市場の周辺に回すことによってなされている。

「M字カーブ緩和の原因」


男女べつの正規雇用と非正規雇用の数。

「男女別正規・非正規雇用の数」


男女別の正規雇用と非正規雇用の年収分布。

「男女&雇用形態別年収分布」


女性の正規雇用の、未婚と既婚の年収分布。

「女は結婚で年収が減る」


関連エントリ:

「子を持つと仕事をやめる」


posted by たんぽぽ at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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