総人口に占める割合をしめした世界地図があります。
高齢化社会の進行具合をしめす地図ということです。
60歳以上が総人口に占める割合を示した世界地図 pic.twitter.com/GxdglnwWzU
— おもしろ地理 (@omosirochiri) 2015, 3月 13
高齢化が進んでいる国が多いのはヨーロッパと日本です。
15-20%の黄色や20-25%のオレンジの国がほとんどです。
ロシア、オセアニアと北アメリカは15-20%の黄色の国が多く、
中程度に高齢化が進んでいます。
社会が成熟した国ほど少子化が進んで、それにともなって
高齢化社会となることがしめされていると言えます。
アジア、アフリカ、ラテンアメリカは、10-15%の緑、5-10%の青緑、
0-5%の青がほとんどで、まだまだ高齢化は進んでいないです。
これらの国ぐには出生率が高い国が多く、
むしろ人口が増え過ぎることが問題となっていることが多いです。
この地図で高齢化率が25%以上という、赤で塗られた国が3つあります。
日本とドイツとイタリアです。
これらの国ぐにが世界でもっとも高齢化が進んでいることになります。
高齢化社会が進む国は、因習・反動的な家族・ジェンダー観が
幅を利かせているという共通した特徴があります。
女性の労働力率が低く、出産・育児と仕事との
両立環境の整備が遅れていて、男性の家事時間が短く、
女性に「よき妻」や「よき母」を求める傾向があります。
メインブログの12月31日エントリでご紹介した記事では、
良妻賢母嗜好が強いゆえに少子高齢化が進んでいる国として、
日本、ドイツ、イタリアが具体的に挙げられていたのでした。
「良妻賢母が好きな国はなぜ出生率が低いか」
「良妻賢母が好きでない国の方が出生率が高い」というものです。
少子化の国は「日本、イタリア、ドイツ、韓国」など
「伝統的家族観」が強いところ。当然良妻賢母が良しとされます。
イタリアなんか「マンマ」の国ですし。
メインブログの3月4日エントリで、「ガバナンスを問い直す」
プロジェクトの「東アジア雇用保障資料データ集」にある、
将来の高齢化率の推測をご紹介しました。
「第2章の目次 世界の人口動態と高齢化社会」


ここでは日本とドイツが2050年に65歳以上の割合が
30%を超えることが予想されています。
高齢化という観点では、日本とドイツは似たり寄ったりであることが
ここでもしめされていると言えます。
高齢化社会の国が日本とドイツとイタリアというのは、
「高齢の枢軸」とでも言えるでしょうか?
19世紀の後半に近代社会に登場して以来、
運命を共にする機会の多いこれら3国ですが、現在から未来にかけても
少子高齢化という問題を共有することになりそうです。