2015年03月07日

曽野綾子の黒人認識

曽野綾子氏がかつて南アフリカ共和国にあった
人種隔離政策を推奨したコラム物議をかもしました
その中で「黒人は10人-20人くらいの大家族主義だ」とか、
「白人専用のマンションに黒人の家族が引っ越してきて、
ライフラインを壊した」とか、虚構としか言いようのない認識
しめしたことも大問題だったのでした。

「曽野綾子氏の言い分について」
(はてなブックマーク)
「南ア永住の日本人より曽野綾子さんへ」
(はてなブックマーク)



曽野綾子氏がなぜこんな妄想同然のことを思っていたのか、
南アフリカ共和国に永住している日本人のかたが、
このようないきさつではないかと推測しています。

http://yoshimura-mineko.sorairoan.com/?eid=43
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あなたがその20年〜30年前に南アを訪問されたとき、
きっとあなたたちを案内した現地の人間(白人を想定しています)がいたでしょう。
そして、きっと、こんなことをささやいたのではないでしょうか。

「黒人たちは大家族で住むんですよ。
白人の家族などはせいぜい4人から多くたって6人ですよね。
だから、簡単にご想像してもらえると思うんですが、
彼らが私たちが住むマンションに引っ越してきたら、
水だって、電気だってすぐ足りなくなりますよ」

残念ながら、南アフリカでは、アパルトヘイトが終わってから
21年経つ現在においてでさえ、人種間の壁はまだまだ高く、
お互いの文化をよく知ろうとしない人たちが人種を限らず存在します。
まして、30年前のアパルトヘイトを「良い政策」と
信じていた白人だったら、実際の迷惑を受けたか受けなかったか、
などまったく関係なく、憶測でこういうことを言ったかもしれません。
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曽野綾子氏がむかし南アフリカ共和国を訪問したとき、
なにを見聞したのかは、残念ながらわからないです。
(直接黒人の居住地区を見聞したのかどうかも定かではない。)

それで南アフリカ共和国の白人で、黒人のことをよく知らず
偏見を持った人なら、きっとこんなことを言いそうだ
ということを、推測することになるわけです。
当たらずと言えども遠からずではないかと思います。

人種隔離政策があったころは、白人が黒人と交流する機会は
いまよりずっとすくなかったでしょう。
黒人の暮らしを知っている白人も、すくなかったことと思います。
ましてや20-30年前に人種隔離政策に賛同していた白人なら、
黒人に対する偏見は大きかったでしょう。

現地の偏見を持った白人の、黒人に関する憶測を伝え聞いて、
それをさらに思い込みを増幅させて、日本でコラムを書いたのが、
曽野綾子氏ということではないかと、わたしは思います。


曽野綾子氏の産経に載せたコラムというのは、
日本のネトウヨから在日コリアンのことを伝え聞いた外国人が、
それをさらに自分の中で偏見を膨らませて、
「日本にいる在日コリアンはこんなだ」と書いたのと
同程度のものだと、わたしは想像しますよ。


関連エントリ:

「危機と貧困が作る大家族」
「曽野綾子の人種隔離政策」

「今後は移民が来なくなる」




posted by たんぽぽ at 12:54| Comment(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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