妙な少子化対策の提唱をしているので、ご紹介したいと思います。
「少子化対策に親との「近居」を」
(はてなブックマーク)
なんと親世代と近くに暮らせる支援を考えるというのですよ。
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「子どもがたくさん産まれるということは、
『男性がどれだけ家事をするか』にかなり密接に関係している。
本当は、おじいさん、おばあさんと三世代で一緒に暮らすのがいちばんよく、
そうした環境では子どもがたくさん産まれやすい」
「同居と同じように、近くに住む『近居』というものが考えられないか。
味噌汁が冷めないような時間に集える居住形態に対し、
何か支援ができないものか」
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子育てに親を頼ることができれば、たしかにさまざまな負担を
軽減できるでしょうし、それは好都合でしょう。
ところが本来なら親や身内に頼らなくていいようにするための、
福祉とか保育所整備とか子育て支援のはずです。
親と仲が悪いなどの理由で、頼れない人はどうするのかと思います。
親とか身内とはかならず仲がいいという「家族幻想」が、
この手の発想には透けて見えるのですよね。
石破大臣もご他聞にもれず、家族や身内で負担させるのがお好きなようです。
講演は鹿児島市なので、地方で親世代と子育て世代が
近くに住むことを想定していると思います。
地方はどうしても職がすくなくなりがちですし、
それゆえ東京や大阪の大都市圏に出てきて
親世代と近くで暮らしにくくなるのではないかと思います。
親世代といっしょに暮らすと「そうした環境では子どもが
たくさん産まれやすい」というのは、なにを根拠に?と思います。
戦前の出生率が高かった時代は、三世代同居が多かったとか
そういうことだったりするのでしょうか?
「味噌汁が冷めないような時間」にいたっては、
親離れ子離れできないべったり依存的なものを感じますよ。
石破大臣のこの考えは、具体化がむずかしく現実味がとぼしいですし、
政策案にはならず、アイデアの域を出ないだろうとは思います。
少子化で兄弟がいなくなったために親に頼ろうという発想が出てきたわけですね。
公的な福祉を私的な福祉で置き換えようという構想の一環なんでしょうが、現実として仕方ないかなという気もします。
子だくさんだったのは、高度経済成長期より前の戦前・戦中ですね。
このころは子どもの数は1夫婦あたり平均4人だったのでした。
この時代はきょうだいに子育てを分担させていましたね。
>公的な福祉を私的な福祉で置き換えようという
「私的な福祉」を言うなら、父親、男性が育児参加することだと思いますよ。
男性の家事、育児の時間は、日本はきわだって短いですからね。
石破は「『男性がどれだけ家事をするか』にかなり密接に関係している」
とまで言っておきながら、男性の育児参加を促進することは考えず、
三世代で一緒に暮らすのがよいと言い出すのですから、
よほど男が育児に関わるのが嫌なのかと思います。
>戦前のきょうだいが多かった時期に生まれた世代が
>戦後子供を持って働き盛りになったとき、
ああ、そういうことでしたのね。
そういうことがわりとよくあったかどうかは、わたしにはわからないです。
(「自分は叔父や叔母に育てられた」というかたのお話を聞かないので。)
なのでなんとも言えないです、もうしわけないです。
四人くらいきょうだいがいた世代だからできたことです。
>忙しい時にちょっとだけ子供の面倒を見てもらうとか、
なるほど。
いざというときの託児所にする、みたいなことだったのですね。
なかなかイメージがわかなくてもうしわけないです。