2014年06月24日

少子化白書を閣議決定

内閣府が発表した2014年版「少子化社会対策白書」を、
6月17日に政府が閣議決定したのでした。
こんな白書を閣議決定するというのは、わたしはいささか意外でしたよ。
それだけ少子化に対して、政府に危機感はあるということなのでしょう。

「未婚率上昇、晩産化も=仕事と育児の両立困難ー少子化白書」
「若年層の未婚理由、明らかな男女差…少子化白書」

「少子化社会対策白書」はこちらです。

「平成26年版少子化社会対策白書 概要版」

時事通信と読売の記事には、「若い世代で未婚・晩婚化が進んでいる理由」に
ついて訊いた意識調査の結果が、すこし紹介されています。
内閣府が実施した意識調査では、若い世代で未婚・晩婚化が進んでいる
理由について、20〜30代男性の回答は「経済的余裕のなさ」が最も多かった。 しかし、同年代の女性では「独身の自由さを失いたくない」がトップ、
「仕事や学業に打ち込みたい」が続き、男女の意識の違いが示された。

内閣府が昨年秋に全国の20〜79歳の男女1639人を対象に
行った意識調査で、若年層の未婚、晩婚化の理由について聞いたところ、
女性の回答は「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」
(55・3%)が最も多かった。
男性は「経済的に余裕がないから」(52・0%)が最多で、
男女間の意識の差が浮き彫りになった。

これはメインブログの5月5日エントリでご紹介した、
内閣府の「家族と地域における子育てに関する意識調査」ですね。

「未婚・晩婚化の意識調査」

白書のサイトの下のほうに、PDF形式のリンクがあります。
数値がおなじであることを確認されたいと思います。

「家族と地域における子育てに関する意識調査について(PDF形式:457KB)」

図2 若い世代で未婚・晩婚が増えている理由<複数回答>(全体・性別)

男性でいちばん多いのは「経済的に余裕がない」ですが、
2番目は「独身の自由さや気楽さを失いたくない」で47.4%あるのですよね。
女性でいちばん多いのは「独身の自由さや気楽さを失いたくない」ですが、
2番目は「経済的に余裕がない」で43.8%となっています。

時事と読売のいずれも「男女の意識の違い」を強調していますが、
1位と2位が男女で入れ替わっているだけなのですよね。
そして男女とも、1位と2位の差はそれほど大きくないのであり、
「男女の意識の違い」はそれほど顕著でもないと言えます。
両方の新聞記事とも男女差を強調しすぎている感がしています。


メインブログの5月5日エントリでお話しましたが、
「独身の自由さや気楽さを失いたくない」というのは、
女性の場合は具体的には、子どもを産むことになるかとか、
出産や育児のあとも仕事を続けられるかとか、
夫が家事にどれくらい参加するか、結婚したら収入が減るのではないか、
といったことが意識されているものと思います。

失いたくない「独身の自由さや気楽さ」の中身は
男性と女性とで、だいぶ違うのではないかと思いますよ。
女性は「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」がいちばん多い、
という記述だけを見て、「女は身勝手だ」とか勘違いする人(男性)も
出てくるのではないかという気もしています。


関連エントリ:

「未婚・晩婚化の意識調査」


posted by たんぽぽ at 21:32| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください