「「選択的夫婦別姓」反対派・賛成派がよく挙げる理屈の矛盾・問題点まとめ」
「選択的夫婦別姓のまとめ」
「選択的夫婦別姓のまとめ(2)」
「選択的夫婦別姓のまとめ(3)」
「選択的夫婦別姓のまとめ(4)」
今回はこれです。
反対派(非共存派)の主張の中では定番中の定番ですね。
「夫婦別姓だと家族の絆が崩壊する!」はじめになにをもって「崩壊」とするのか、という問題がありますね。
DVやモラハラのことでしょうか、それとも児童虐待でしょうか。
これらの家庭内暴力を扱っているサイトを調べても、
夫婦別姓でこれらが増えるという調査結果はないのですよね。
「夫婦別姓によって離婚しやすくなる!離婚が増える!」多くの反対派は、「崩壊」として具体的には「離婚」を挙げるようです。
夫婦別姓でなぜに離婚しやすくなるのかという疑問があります。
おそらく「苗字が異なると他人と区別がつかないので離婚しやすい」とか
「苗字が変わることで結婚や離婚したことがわかる」という連想なのでしょう。
男性は結婚しても改姓しないことがほとんどですから、
夫婦同姓であっても「離婚しやすい」ということになります。
「夫婦別姓で離婚しやすい」というのは、女性だけみずからの意志で
離婚させないようにしたい、という発想があるのでしょうか、
そうだとしたら女性差別的であると言えます。
「夫婦別姓で離婚が増える」と主張するなら、データをしめされたいものです。
諸外国で夫婦別姓が選択できる国や、日本国内の事実婚夫婦、
国際結婚の夫婦を見て、離婚が有為に多いことをしめす必要があるでしょう。
ところがそうしたデータはどこにもなく、しめされることがないのですよね。
現在の日本で起きている法律婚夫婦の離婚は、すべて夫婦同姓なのですよね。
「別姓で離婚が増える」と言っている人たちは、
同姓の夫婦がかくも離婚しやすいことを、どう考えてるのかと思います。
「選択的同姓制度」
「選択的夫婦別姓制度について」
反対論者たちがなんとか出してくる、
「夫婦別姓で離婚が増えた」ことをしめすデータは、つぎのふたつがあります。
「反対派が読む統計データ 選択別姓のせいで離婚が増えた?」
「スウェーデンたたき」
「スウェーデン・バッシング 哀しき他虐史観の産物」
ひとつはドイツの離婚率の年次推移です。
ドイツで選択的夫婦別姓が認められた1993年から離婚が増えるというのです。
ところが法案可決は1993年ですが、法案の施行は1994年からです。
よって法案の施行の前年から離婚が増えるというのは、
選択的夫婦別姓が原因でないことをしめしています。
ドイツで1993年から離婚が増えたのは、旧東ドイツで冷戦崩壊の混乱で
いったん減った離婚が、ふたたび増え始めたことによります。
旧西ドイツは冷戦崩壊の前後も、選択別姓法案の施行前後も
離婚率に目立った変化は見られないです。
もうひとつは「スウェーデンの離婚率が50%」というものです。
これは結婚数と離婚数の比を取っただけで、定義に即した正しい計算ではないです。
日本では現在出生数より死亡数のほうが多くなっていますが、
これを「死亡率が100%を超えた」と言うようなものです。
離婚率の正確な定義は人口1000人あたりの件数です。
OECD加盟国の離婚率の年次推移を見ると、
スウェーデンの離婚率は日本とさほど変わらないし、
それ以外の国とくらべても取り立てて多くないことがわかります。
「離婚=好ましくない」という考えかたがそもそも疑問ですね。
じつは男性は離婚が増えると自殺率が高くなり、
女性は離婚が増えると自殺率が低くなるという調査があります。
「性別にみた離婚と自殺の関連」
これは男性は離婚によって失うものが多く、
女性は離婚で得られるものがあるということだと思います。
結婚生活というのは多かれすくなかれ男性中心的で、
女性の犠牲の上に成り立っている、ということなのでしょう。
「世界的に離婚が増えている」
「女性に不利な結婚生活」
それゆえ女性が経済力を持ったり、離婚した女性に対する
社会通念が変化することで、離婚が増えてくるのだと思います。
「離婚が増えるから反対」という発想は、表面的な家庭の平穏のために
女性に犠牲になれと言っているようなものなのかもしれないです。