30代のあたりでくぼみができる「M字カーブ」を描くことがあります。
このM字カーブがあるのは、すでに日本と韓国だけになっているのですよね。
M字カーブを描くのは妊娠・出産の年齢になると仕事を続けられず
退職を余儀なくされるからであり、そして子どもがある程度大きくなると、
ふたたび女性が働くようになるためです。
すこし古いですが、1990-2000年のデータを用いて
さまざまな国の年齢別女性の労働力率曲線を比較した図があります。
出展は『世界の統計2003、2004』です。
「女性の年齢別労働力率」
欧米の民主主義国はどこもM字カーブのくぼみを描かなくなっています。
女性が妊娠・出産で退職せざるをえないことが、なくなっているのでしょう。
女性に対して「妊娠・出産で退職」という圧力があるのは、
国際的に見て日本と韓国だけの特有の現象ということだと思います。
中国、チェコといった共産国、旧共産国もM字カーブのくぼみがなく
かつ女性の労働力率が高い傾向にあります。
共産国は男女平等に力を入れるので、その効果が出ているものと思います。
インド、パキスタンもM字カーブのくぼみがないですが、
全体的に女性の労働力率が低くなっています。
出産で退職以前に女性が外で働くことが多くない、ということなのでしょう。
マレーシア、香港は20代に女性の労働力率のピークがあり、
それ以降はほぼ単調に減少しています。
おそらく出産で退職した女性は子どもが大きくなっても
ふたたび働くことがない、ということなのかもしれないです。
もうすこし新しい2007年のデータ。
やはりM字カーブを描くのは日本と韓国だけです。
「女性の年齢階級別労働力率(国際比較)」
もっと新しい2010年のデータ。
出展は労働政策研究・研修機構の「データブック国際労働比較」です。
相変わらずM字カーブがあるのは日本と韓国だけです。
「高崎市男女共同参画広報紙 バモス第15号」
「改正労働契約法(27) 女性の活用が問題解決のカギ」
関連エントリ:
「M字カーブ緩和の原因」
「非婚、晩婚が「改善」したM字カーブ」