原作者の雁屋哲氏が「小沢信者」だとおっしゃるかたがいるのですよ。
「漫画「美味しんぼ」:原発取材後の鼻血の描写で物議(毎日)」
(はてなブックマーク)
「山谷えり子・森雅子らが「鼻血」で騒いでいた件 &
小沢一郎と鳩山由紀夫の原発推進責任を改めて問う」
(はてなブックマーク)
もちろん(?)こんなことを言っているのは「kojitaken」氏です。
このかたに言わせると「有名な話」でさえあると言うのですが、
これをご覧のかたは聞いたことはあるでしょうか?
「雁屋哲氏は『小沢信者』」なんて、わたしはぜんぜん聞いたことがなかったですよ。
雁屋哲が「小沢信者」であるのは有名な話だが、
漫画『美味しんぼ』が騒ぎを引き起こしているようだ。
結局小沢一派と雁屋哲を含む「小沢信者」らが「脱原発」に対して
多大なる「負の貢献」しかもたらさなかったことはもはや明白であろう。
それとは別に、「小沢信者」である雁屋哲があのような漫画(の原作)を
書いたことには、釈然としない思いを持つ。
だから、「小沢信者」の一人たる雁屋哲が、あのような漫画の原作を
書いたことに対して、釈然としないのである。
ツイッターでも「美味しんぼ」の鼻血表現のこと話題になったし、
わたしのタイムラインにも結構たくさん流れていました。
「雁屋哲氏は『小沢信者』」というのが「有名な話」なら、
そういうツイートのひとつやふたつはあってもよさそうです。
ところが「雁屋哲氏は『小沢信者』」という情報は、まったくなかったです。
検索で調べたら、雁屋哲氏は自分のブログで、政治資金規正問題で
検察が小沢一郎氏を起訴したことを批判していました。
この裁判は結局小沢一郎氏の無罪で終わりましたが、
当時は「小沢は当然のごとく有罪」という雰囲気でしたから、
そうした中で検察を批判するのは、ある種の人から見れば
「偏った」ことになるのだろうと思います。
検察に同調して小沢一郎氏を攻撃することを批判していたかたたちを
「小沢信者」認定したかたも、実際にいたのでした。
陸山会裁判で検察を批判する雁屋哲氏は、「kojitaken」氏の基準なら、
問題なく「小沢信者」になるのかもしれないです。
ほかに、雁屋哲氏が小沢一郎氏について言及する記事は、
これといったものは見つからなかったです。
雁屋哲氏が小沢一郎氏に入れ込んでいることを直接間接にしめす記事が
ざくざくあるというならともかく、そうではないのですから、
かりに雁屋哲氏が小沢一郎氏を支持しているのだとしても、
「有名な話」ではないと思います。
上述のふたつのエントリは、もともと「美味しんぼ」批判のお話にもかかわらず、
かなりの分量が「小沢信者」への批判に当てられていて、
「小沢信者」が「福島への差別を助長している」とか
「彼らの言説が世の人々に支持されていない」とか
「「脱原発」に対して多大なる「負の貢献」しかもたらさなかった」と書いています。
ようは「美味しんぼ」を批判するついでに(「美味しんぼ」を材料にして?)
「小沢信者」を批判したかったのではないかと思われます。
それで「雁屋哲氏が『小沢信者』」ということを
「有名な話」にしておく必要があったのかもしれないです。
上述のエントリでは、雁屋哲氏がまがりなりにも原発事故を
批判する漫画を書いたことを「釈然としない」と言っていたりします。
「kojitaken」氏の認識では、小沢一郎氏は「東電原発事故を政争の具」にして、
「自民党の菅内閣不信任案提出を煽った」のであり、
「最近の「生活の党」は、むしろ「脱原発」に見切りをつけてか、
原発推進派の海江田民主党にすり寄る」ことになっているようです。
それで「小沢信者ならとっくに原発推進を容認しているか、
脱原発に関心がなくなっているはずなのにおかしい」
ということなのかもしれないです。
「kojitaken」氏は「釈然としない」と2回も書いているのですが、
「雁屋哲氏は『小沢信者』」というご自分の認識のほうが
おかしいのではないかと疑ってみたほうがいいかもしれないですね。
ブックマークを見ると、エントリで「雁屋哲氏は『小沢信者』」と
繰り返し書いていることは、だれも言及していないですね。
同意しているのか、「この人がこういうレッテル貼りをするのは
いつものこと」と思っているのか、枝葉末節と思って無視しているのか、
あるいは「雁屋哲や小沢信者が叩かれるぶんにはかまわない」と
思っているのか、それはわたしにはわからないです。