3%で過去最高だというので、ちょっとした記事になったのですよ。
「女性幹部公務員3%、過去最高に 各府省庁、目標は5%」
「女性幹部過去最高 それでも3% 国家公務員、目標は5%」(全文)
(はてなブックマーク)
高だか3%で「過去最高」と言われて新聞記事で特筆されるなんて、
どれだけ女性がすくないのかと思います。
2015年度までの目標は5%ですよ。
いままでから見れば大きく増やすと言えますが、それでも5%というのは
問題なくすくないのであり、じつに情けないかぎりだと思います。
省庁ごとの差はもちろんあるのですが、「内閣法制局と警察庁は0人のまま」ですよ。
21世紀に入って15年になろうとしているのに、
いまだに女性幹部がぜんぜんいない部署があるのかと思います。
日本の国家公務員の世界は、どれだけ遅れているのかという感じです。
記事に対してはつぎのようなご意見もあります。
こんなふうに言いたくなるのも無理もないと思います。
タイトルに「過去最高」なんてつけるな。「たった3%」とか「まだ幹部0人の省庁も」ってつけろって思った。 女性幹部公務員3%、過去最高に 各府省庁、目標は5% - 朝日新聞デジタル http://t.co/YCHmSwaoNs
— jo (@oh_joo) 2014, 4月 19
電子版にはなにもつけていないですが、紙面版には「それでも3%」と「それでも」がついていると、ちょっとだけ記事を弁護しておきます。
わたしが連想したのは、東芝の女性管理職を増やす取り組みです。
2012年の3.7%を2015年までに5%に引き上げるのだそうです。
メーカはもともと女性がすくない業種ではありますが、
現状も目標も数字の程度が国家公務員とほとんどおなじなのですよね。
それでも「積極的に登用」と言われて新聞記事で特筆されるのもおなじです。
「女性管理職5%で積極的」
すこしデータが古いですが、女性国家公務員の比率、および女性幹部の比率の
年次推移を諸外国のあいだで比較したものがあるので、しめしておきます。
「第6表 女性国家公務員の在職状況」
2005年のデータを見ると、スウェーデンは女性幹部の割合が42.0%です。
全職員に占める女性の割合は47.0%なので、スウェーデンでは
上の役職ほど女性がすくないという現象が解消されているものと思います。
それからオーストラリアは女性幹部の割合が33.0%で、
ほかの欧米の民主主義国も15~30%程度になっています。
日本はわずかに1.8%ですから、けたで違うレベルですね。
フィリピン、シンガポール、マレーシアと、表に出ている
アジアの国とくらべても、日本は問題なくすくなくなっています。
韓国の女性幹部の割合は4.6%で、これが日本にいちばん近いです。
ここでもジェンダーの統計で、日本と韓国で最下位争いをしているわけです。
1995年からの年次推移を見ると、日本は1.0%、韓国は1.4%ですから、
2005年までの10年間の女性幹部の割合の上昇率が、日本より高くなっています。
韓国のほうが日本よりもいくらかは、女性の幹部登用に積極的なのでしょう。
紙面版の最後のほうに、官民を合わせた女性管理職の割合について
諸外国の数値を列挙して簡単な比較をしています。
欧米では、米国が43・0%、英国が35・7%など
軒並み30〜40%前後に達している。
一方、アジアではフィリピンが52・7%と突出して高いが、韓国は9・4%
この数値は4月22日エントリでご紹介した図の縦軸が近いと思います。
日本と韓国は飛び抜けて女性管理職がすくないので、
欧米の民主主義国とおなじクラスタに入れないのですね。
「専門職と管理職の女性比率」
専門職・管理職の女性比の国際比較図。フィリピンはスゴイな。双系社会だからか。日本と韓国は仲良しの位置。 pic.twitter.com/cDVQ6NvDf3
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014, 4月 17