パタニティ・ハラスメントについての日経の記事を紹介したのでした。
「男性の育休取得が激減…背景に「パタハラ」」
この記事に、男性と女性の育児休暇の取得率の年次推移を
表にしたものが載せられているので、ここでもご紹介したいと思います。

厚生労働省「女性雇用管理基本調査」
(2007年以降は厚生労働省「雇用均等基本調査」より作成)。
事業所規模5人以上。2011年度の数値は、岩手県、宮城県、福島県を除く
女性の育児休暇取得率は8割を超えているのですが、
男性は2%に満たなくて、男性と女性とで「けた」で違っています。
「イクメン」と言われるなどそれなりに目立っているようですが、
男性で育児休暇を取るかたは、女性と比べると皆無といえるレベルです。
育児休暇取得率のジェンダー差がこのくらい極端なことは、
「常識的知識」にしてよいのではないかと思います。
男性の育児休暇取得率は2010年に1.38%だったのが、
2011年に2.63%とほぼ2倍になったのでした。
それでちょっとしたニュース記事にもなったのですよ。
「男性の育休取得率が過去最高 2・63%と倍増」
3%に満たないのに「過去最高」「倍増」と特筆されて
男性の子育てに対する理解が進んだかのように書かれるところに、
いかに男性の育児休暇取得がめずらしいかを、しめしていると思います。
最近は育児に熱心な男性が「イクメン」と呼ばれるなど、
男性の子育てのイメージが向上。
企業側も男性の育休を前向きに評価しつつあることが背景にありそうだ。
ところが2012年には1.89%とふたたび減少して2%を切ったのでした。
「倍増」と気をよくしたのもつかのまだったということです。
それで男性の育児休暇取得に対する圧力について問題視するようになり、
「パタハラ」が記事になったりもしたのでしょう。
厚生労働省の目標は2020年に13%です。
この目標はほとんど実現しないのではないかと、わたしは予想します。
ただ、政府は男性の育休取得率を20年に13%へ増やしたい考えで、
目標まではまだ大きな開きがある。
付記:
わたしがはじめて育児休暇取得率のジェンダー差が
極端であることを知ったのは、2004年のデータを見たときです。
このころは男性の育児休暇取得率は1%以下だったのですね。
この数字を見たときは、わたしはびっくりしましたよ。
「次世代法1周年にして...」