2014年04月05日

同性愛に対する寛容度

3月31日エントリでご紹介した西日本新聞の「結婚・恋愛観世論調査」の続き。
同性愛についての質問もあるので、これを見ていくことにします。

「男性の草食化「進んだ」69% 結婚・恋愛観世論調査」
「世論調査の詳細」




世論調査では問3と問4で同性愛について調べています。

問3 同性愛についてどう思いますか?
全く抵抗感はない: 10.6%
あまり抵抗感はない: 24.5%
ある程度抵抗感がある: 37.4%
強い抵抗感がある: 24.1%

ふたつずつを合わせると
抵抗感がない: 35.1%
抵抗感がある: 62.5%
となっています。

問4 日本で同性婚を法的に認めることについてどう思いますか?
賛成: 11.2%
どちらかといえば賛成: 31.1%
どちらかと言えば反対: 33.9%
反対: 18.5%

ふたつずつを合わせると
賛成: 43.3%
反対: 52.4%
となっています。

いささか意外だったのは「抵抗感がない」の35.1%より
「法的に認めることに賛成」が43.3%で多かったことです。
抵抗はないけれど法的に認めるのは反対で、逆になるかと思ったからです。
むしろ自分には抵抗があるけれど法的に認めるのはよいと
思っている人がいるということなのでしょう。

同性結婚を法的に認めることに4割以上が賛成というのも意外でした。
夫婦別姓でさえ世論調査では賛成と反対が逼迫するくらいです。
同性結婚なんてなおさら賛成がすくないだろうと思ったからです。


2013年の6月12日エントリでご紹介した、ピュー・リサーチ・センターの調査では
日本は同性愛を支持が54%で不支持が36%でした。
これと比べると西日本新聞の調査は、同性愛に不寛容ということになります。

「同性愛を受け入れつつある」

ひとつ考えられるのは、西日本新聞の調査で「抵抗感がある」と
答えたかたは、自分は異性愛者だけれど同性愛者から交際を求められる
可能性を考えたのかもしれない、ということです。
ピュー・リサーチ・センターの調査では、自分の性的指向と関係なく、
同性愛者の存在が支持できるか、というニュアンスが伝わったのかもしれないです。

もうひとつ考えられるのは、ピュー・リサーチ・センターの調査によると
日本は世代差が大きく、50代以降では同性愛に不支持が多く、
30代以下では支持が多くなっているということがあります。
それで西日本新聞の調査は、回答者に若年層がすくなく
中高年層が多かったのかもしれないです。


西日本新聞の記事には男女別のデータが載せられています。
同性愛に抵抗があるのは男性が68.3%、女性が55.3%、
同性結婚を法的に認めることに賛成は男性が35.4%、女性が48.7%
となっていて、いずれも女性のほうが男性より同性愛に寛容となっています。

ピュー・リサーチ・センターの調査によると、
日本で同性愛を支持する人は女性の61%、男性の47%となっています。
数値は異なりますが、同性愛に対する寛容度は「女性>男性」となっていて、
西日本新聞の調査とおなじジェンダー差をしめしています。

ピュー・リサーチ・センターの調査によると、
日本以外にも同性愛の寛容度が「女性>男性」となる国は
いくつかあるのですが、すべての国で見られる傾向ではないのでした。
どういう状況で同性愛の寛容度に対するジェンダー差が現れて、
それが「女性>男性」となるのかは、よくわからないようです。


問5 日本は性的少数者にとってやさしい社会だと思いますか?
やさしい社会だと思う: 2.4%
どちらかといえばやさしい社会だと思う: 17.3%
どちらかといえばやさしくない社会だと思う: 49.7%
やさしくない社会だと思う: 24.9%

ふたつずつ合わせると
やさしい社会だと思う: 19.7%
やさしくない社会だと思う: 73.6%
となります。

7割以上が「やさしくない社会」と考えていて、日本社会は性的少数者にとって
とても寛容とは言えないことは、多くのかたが理解しているようです。

ところで問5で「やさしくない社会」と答えたかたの中には
問3と問4で「抵抗がある」「同性婚を認めることに反対」と
答えたかたもすくなからずいるのでしょうか?
もしそうであれば、みずから性的少数者にとって「やさしくない社会」を
作っているわけで、自己成就的であるとも言えるでしょう。



posted by たんぽぽ at 22:26| Comment(5) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
若い世代は同性愛に寛容な人が多いですね。寛容というより、興味がない人多数?

他人が異性愛者だろうが同性愛者だろうが、自分がその対象にならないのなら好きにしてと考えている方が多いような気がします。

最近はサブカルチャーの分野でBLや百合が流行っていたり、ゲイのタレントがテレビに出たりと異性愛との境界線が色んな意味であいまいになってきていると感じました。
女装趣味や性同一性障害の方もテレビなどで人気になったりしていて、日本って結構オープンだなと思います。
欧米ほどの根深い差別は日本には無いですね。
Posted by ALI at 2014年04月07日 10:32
同性愛に対する抵抗感って、他人が同性愛であることに対してではなく、もし自分が同性愛者に性愛の対象にされたら嫌だというホモフォビアを多分に含んでいると思われるので、男性の方がその感覚が強いということなんでしょうね。
Posted by 御光堂 at 2014年04月12日 12:50
御光堂さま、こちらにコメントありがとうございます。

そういえば、同性愛者であることをカムアウトした人に対して、
「俺に興味を持つなよ」という反応をするのは、ほとんどが男性ですね。
女性で「私に興味を持たないでね」と反応するかたは、
あまりいないように思います。

ジェンダー差の原因はわからないけれど、男性のほうが
同性愛に抵抗を持つ人が多いことの、現れではありそうですね。
Posted by たんぽぽ at 2014年04月12日 22:48
同性愛に対する抵抗感というのは、二通りあって、ひとつは「同性愛者、およびその行為について」もうひとつが「異性愛者である自分が同性に性的感情を抱かれたり、行為を求められる」事に対してだと思います。
 で、前者に対しては偏見が無いとか、ひとごとだからどうでも良いと思っていても、いざ自分がそういう対象として見られたら、と考えると、それでも抵抗感を感じない異性愛者は少ないんだろうなあとは思います。
 昔、私の友人(女性)がバイト先で仲良くなった女の子と一緒に旅行した時、旅先で告白されて、やはり不快感を表してしまったという話は聞いたことがあります。

 ただ、女性の場合、それが同性ではなく、異性でもアウトオブ眼中の相手に性的対象にされたら不快ですね、セクハラとか痴漢とかその類です。

 いや、男だってブスババアから性的対象にされたら充分キモいよと言われるかも知れませんが、女性から男性への痴漢行為やセクハラ行為は無いとはいいませんが、逆に比べて極めて小数です。

 って、つまり慣れってことですか?そう考えると、複雑なものがありますが(^^ゞ

 ところで、前にテレビを見ていたら二丁目のおネエの人が、
「(カムアウトすると)絶対ゴメン!ってブサイクほど、お、俺、そのケないからな、その気になるなよ」
っていうって言ってましたね(^^ゞ
Posted by イカフライ at 2014年04月13日 23:45
ぶっちゃけ、(異性愛の)男の場合、ゲイ=アナルセックスという観念があって、それをするのもされるのも嫌、ということなんじゃないかなあ、という気がしますね。
Posted by 御光堂 at 2014年04月14日 10:22
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